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食物繊維と腸内環境・便通改善に関する“誤解”と“トリビア”

腸内環境の改善、そして便通改善のためには、食物繊維が大切! ということは、すでにみなさんご存じのはず。でもよく知られた食物繊維にまつわる知識も、実は誤解されていることが少なくないのです。今回は、腸内環境を改善したい人に知ってもらいたい「食物繊維についてのトリビア」を紹介します。便通異常の改善を目指す方も必見です!

こんにゃくよりも野菜のほうが、食物繊維を摂れる!?

こんにゃくといえば、食物繊維が豊富な食べ物というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、こんにゃくに含まれている食物繊維量は、ほかの野菜などと比較するとそれほど多いわけではないのです。

板こんにゃく(製粉こんにゃく)の食物繊維量は100gあたり2.2g。1枚の重量は200g程度ですから4.4g程度。レタス1個(100gあたり1.1g。1個は300〜500gのため3.3g〜5.5g)とそれほど変わりません。こんにゃくの成分のほとんどは水分で、100gあたりのエネルギーはわずか5kcal。摂取カロリーを抑えながら便通異常も対策したい人にはもってこいの食材ですが、食物繊維を摂るにはもっと効率の高い食品がたくさんあるのです。一例を挙げると、以下のようなものがあります。

  • 干ししいたけ:100gあたり46.7g。1個(約5g)のため、1個で約2.3g
  • ニンジン(皮つき/ゆで): 100gあたり3.0g。1本(約120g)で約3.6g
  • アボカド:100gあたり5.6g。1個(可食部約100g)で約5.6g
  • 切り干し大根(ゆで):100gあたり21.3g。1袋(約50g)で10.65g

ニンジンを煮物で食べたり、アボカド1個をそのまま食べたりしたほうがたくさん食物繊維は摂れますし、こんにゃくばかり食べているとかえってカロリー不足になる可能性も。通常の摂取量でたくさん食物繊維が摂取できる野菜も取り入れた食事を心がけましょう。

1日の食物繊維の必要量は「便通改善」に必要な量ではない

日本人が1日に接種すべき食物繊維量の目安として「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」で示されている摂取の「目標量」は、年齢・性別によって多少異なりますが1日20g程度です。実は、この数値は便通改善に必要な摂取量ではないのです。

食物繊維の摂取量は、多くの生活習慣病との関連が研究されています。アメリカ・カナダの食事摂取基準では、これらの研究結果を元に食物繊維の摂取目安量を策定しています。それを元にすると、 日本人では本来は1日24g以上の摂取が理想となります。 しかし、現状の日本人の食物繊維摂取量が少なく、1日24gを目標とするには現状との径離が大きすぎるため、間をとって1日20gが目標量として設定されています。

一方で、食物繊維の摂取量と排便習慣や便通異常との関係性は、まだハッキリとは解明されていません。そのため、食物繊維の1日の目標量は便通のために設定された数値ではありません。

日本人の18〜19歳の若者を対象とした調査結果をまとめた論文によれば、理想とされる1日150gの便を出すには、1日に20g〜30gの食物繊維が必要とされるという結果が報告されています。「1日約20g」の目標量にこだわらず、自分の体調変化をもたらす食物繊維量を知っておくことが便通改善のために重要だといえます。

食物繊維で便が必ず増えるとは限らない

食物繊維の効果として「便量を増やす」ことが一般的にはいわれていますが、どのくらいの量を摂取すれば誰でも便が増えるのかは、まだハッキリと分かっていません。

シリアルフレークの摂取と排便との関係を調べた研究では、1日40g〜60gのシリアル(食物繊維量に換算すると6.4g〜9.6g)を摂取すると、1週間での排便回数や便の総量が増えたという結果が報告されています。ただし、食物繊維量による便の重量に与える影響は個人差が大きく、すべての被験者で便が増えたわけではなく、誰しも必ず増えるとは限らないと結論付けられています。

このことからも、「どのくらいの食物繊維を摂取すればよいか」という考えよりは、「自分の便通改善にとって最適な食物繊維量はどのくらいか」と考えにもとづいて、食事やサプリメントから食物繊維を取り入れるのがよいでしょう。

まとめ1:食物繊維を「たくさん摂れる・食べられる食材を選ぶ」

食物繊維の摂取目標量とされる「1日約20g」よりも多めに摂るほうが、便通改善にはよいと考えられます。そのためには、ふだんの食事から食物繊維量が十分摂れているか、確認しましょう。一般的に食物繊維が多いとされる食品でも、目標量に達するためには1食では食べきれないような量を食べなくてはならないこともあります。野菜類などは、生のまま食べるよりも加熱してスープや煮物などにしたほうが、かさが減ってたくさん食べやすくなります。文部科学省が公開している「食品データベース」などを活用して、口にしている食物繊維量を知っておくといいでしょう。

まとめ2:便通改善にちょうどよい量を探りながら続けて摂取するのが大切

食物繊維を多く摂るほうがよいと考えられますが、ではどの程度摂れば便通改善に役立つのかは、個人差があるうえに、これまでの研究成果ではまだハッキリとしていません。そのため、自分の体を見つめながら、どのくらいの食物繊維を摂れば、便通に変化が現れるかを継続的に探りながら、日々の食事をとるように心がけましょう。毎日の便通の調子を記録するアプリなどもありますので、活用するといいでしょう。

【参考文献】
「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」(厚生労働省)
奥恒行、中村禎子「ヒトにおける食物繊維高含有シリアルフレーク朝食の便重量ならびに大腸機能に及ぼす影響」(『日本食物繊維研究会誌』Vol.5 No.1 2001年 日本食物繊維学会)

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