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腸内フローラ改善が期待できる基本の方法と「トリビア」を知ろう!

便通異常の原因の一つが、体によい影響を与える有用菌、増えすぎると体に害与える有害菌、有用菌と有害菌のうち優勢なほうに加担する日和見菌などから構成される「腸内フローラ(腸内細菌叢)」のバランスの乱れです。

乱れてしまった腸内環境を整えて便通異常を解消するには、腸内フローラの改善方法と知識が欠かせません。今回は、腸内フローラを改善へと導く方法と、知っておくと役立つ「腸内フローラのトリビア」を紹介します。

腸内フローラ改善に欠かせない、基本的な3つの方法

腸内フローラ改善が期待できる基本の方法と「トリビア」を知ろう!

腸内フローラに働きかけ、状態の改善を促すには、腸内細菌のうちの有用菌「プロバイオティクス」と、その有用菌の働きを助ける「プレバイオティクス」を取り入れることや、腸の働きを制御する「自律神経」のバランスを整えて腸の働きを正常化させること、そして腸内に取り込まれる食物の種類やペースを整える「食習慣の見直し」が挙げられます。

腸内フローラ改善方法その1:プロバイオティクスとプレバイオティクス

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プロバイオティクスの概念の誕生は約100年前にさかのぼり、人間の健康に与える影響についてさまざまな研究が重ねられてきました。現在では1989年にイギリスの微生物学者ロイ・フラーが提唱した「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」という考えがプロバイオティクスの定義とされています。

プロバイオティクスの代表格が、ヨーグルトやサプリメントなどに含まれる生きた乳酸菌やビフィズス菌です。これらの有用菌を口から体内に取り入れ、腸内フローラの改善を促します。

また、1995年にイギリスの食品微生物学者グレン・R・ギブソンらによって提唱されたのがプレバイオティクス。「大腸内の特定の細菌の増殖および活性を選択的に変化させることより、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分」として定義され、有用菌の“エサ”を体内に取り入れて、腸内の有用菌を増やそうとする方法です。

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プレバイオティクスの代表格はオリゴ糖で、人の母乳に含まれる「ミルクオリゴ糖(ラクチュロース)」、タマネギ、ゴボウなどの野菜類にも多く含まれる「フラクトオリゴ糖」、大豆に含まれる「大豆オリゴ糖」、乳糖を原料として作られる「ガラクトオリゴ糖」などがあります。また、キクイモやゴボウなどキク科の植物の根に多く含まれる「イヌリン」やグアー豆の胚乳から得られる「グァーガム」などの水溶性食物繊維もプレバイオティクス作用があるとされています。

腸内で有用菌として働く細菌のプロバイオティクスと、有用菌を増殖させたり活性化させたりする成分のプレバイオティクスを組み合わせて体内に取り入れることを「シンバイオティクス」と呼びます。

生きたプロバイオティクスが腸に届き、プレバイオティクスによって大腸内での有用菌の活動が活性化することで、整腸作用(腸内環境改善作用)をもたらし、有害菌が生み出すアンモニアやインドールなどの腸内腐敗物質を減少させ、排便状態が改善されると考えられています。

腸内フローラ改善方法その2:自律神経のバランスを整える

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「腸よ動け!」といくら念じても腸の動きには変化がないように、腸の働きは自分の意志では制御できません。腸を制御しているのは交感神経と副交感神経からなる「自律神経」です。腸に対して意識的に働きかけることは、食事量の調整や食物繊維を摂ること、排便時に腹圧をかけること、そして便意を我慢すること程度に過ぎないのです。

胃腸の消化・吸収は、交感神経が優位のときには抑制される一方、副交感神経が優位のときに促進されます。2つの自律神経が絶妙にバランスをとりながら胃腸の働きを制御しています。ストレスなどで自律神経の働きやバランスが崩れると、腹痛や下痢、そして便通異常などの不調をもたらします。

腸内フローラ改善が期待できる基本の方法と「トリビア」を知ろう!

自律神経の乱れに大きく関係するのが睡眠不足です。交感神経と副交感神経は24時間常に活動し、日中には交感神経が優位になって体は活発に動き、副交感神経が優位になると眠気を生じ体は休息体制へと移行します。このリズムが睡眠不足によって乱れると、交感神経がずっと優位な状態のまま夜を迎え、副交感神経が優位にならず、本来は睡眠時に行うはずの消化活動やぜん動運動ができなくなってしまうのです。

睡眠不足を自覚している人は、まず睡眠時間の確保に加えて、寝具を体に合うものにしたり、寝室の空調や香りを整えたり、眠る前にストレッチを取り入れるなど、深い眠りへと導く環境作りが、便通異常のない腸内環境作りにも役立つでしょう。

眠る前に、上体を静かに逸らしたり、腕や足を静かに伸ばすと筋肉がほぐれて心身がリラックスし、血圧や心拍数を下げ、副交感神経を活性化させてくれます。

腸内フローラ改善方法その3:食生活の見直し

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便通異常の要因の一つとして、日本人の食物繊維摂取量の不足が指摘されています。1952年の食物繊維の摂取量は1日20.5gでしたが、「平成 28 年国民健康・栄養調査」のデータによると18歳以上男女の1日の食物繊維摂取量は10g〜15g台と低下し、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」での1日の摂取の目標量は男性で20〜21g、女性で17〜18gとなっています。

便通異常のほか生活習慣病を予防するには、まずは食物繊維をしっかりと摂取することから始めていきましょう。食物繊維を多く含む食品としては、緑黄色野菜、ゴボウ、サツマイモ、大豆、ヒジキ、切干大根などが代表的です。食物繊維は便の量を増やすほか、腸内細菌のエサにもなります。

ヨーグルトなどでプロバイオティクスを摂取したり、オリゴ糖などのプレバイオティクスを摂るのと合わせて、腸内細菌を活性化させるよう、継続的に食生活に取り入れるよう心がけましょう。ヨーグルトに合う食品で、食物繊維が豊富に含まれているものとしては、ドライブルーベリー、レーズン、リンゴ、バナナなどがあります。

腸内フローラが改善するとどうなる

腸内フローラ改善が期待できる基本の方法と「トリビア」を知ろう!

腸内フローラが乱れるなど、腸内環境の悪い状態が続いたとき、便通異常がなぜ起こるのでしょうか。

有害菌の勢力が優勢になると、有害菌から出される物質によって腸管の働きが鈍くなり、大腸のぜん動運動が弱くなるケースや、反対にぜん動運動が活発になりすぎ大腸で十分に水分を吸収できず、水っぽい状態のまま便として排出されるケースが発生してしまうのです。

そこで、有用菌を体内に取り入れたり、腸の活動を整えたり、不足しがちな食物繊維をしっかり摂取して、腸内フローラの状態を平常時に戻すことで、腸内の有害菌が抑制され、有害菌によって精製される腸内腐敗産物が減り、結果として便通異常の改善が期待できるのです。

腸内フローラのトリビア

腸内フローラ改善が期待できる基本の方法と「トリビア」を知ろう!

同じものを食べても、誰もが同じように腸内フローラが変化するとは限らない

腸内フローラの細菌の構成は、一人一人に「個性」があります。摂取する食事を完全にコントロールした研究でも、個人ごとの腸内フローラ構成の変化は見られるものの、同じものを食べると誰もが一様には変化しないことが分かっています。

つまり、ある人にとって便通改善に効果のあった食べ物が、別の人にとっても効果があるとは限りません。腸内フローラの改善を意識する際は、自分の腸に合ったヨーグルトやサプリメントを探して、それを継続的に摂る必要があると考えられます。

腸内フローラは1日単位や数時間単位でも変化を続けている

継続的にプロバイオティクスを摂取するという話から、腸内フローラのバランスはなかなか変化しないと思われがちです。確かに、加齢によっても腸内フローラは変化しますが、数時間から数日のタイムスパンでも常時変動していることが分かっています。つまり、腸に外部からの刺激がない状態でも常に腸内フローラのバランスは変化を続けています。

また、食事を低脂肪食や高脂肪食に制限すると、1日で腸内フローラのバランスが有意に変化するという調査データもあります。体に合うヨーグルトやサプリメントを探すのと同じように、プロバイオティクスやプレバイオティクスを摂取するのに最適な時間を、繰り返し摂取するなかで探すと、便通異常の改善効果が感じやすくなるかもしれません。

腸内フローラ改善が期待できる「腸活」を始めよう!続けよう!体に合ったものを探そう!

腸内フローラの改善が期待できる3つの方法を紹介しましたが、大切なのは初めること、続けること、そして体に合ったものや方法を探すこと。さらにトリビアとして紹介した知識も活用して、常に変化する腸内フローラの改善の兆しを見つけられるように

【参考文献】
境洋平「プレバイオティクス」(『腸内細菌学雑誌』33巻4号 2019年)
「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」(腸内細菌学会 WEBサイト「用語集」)
「静的ストレッチで、副交感神経を活発に!」(神奈川県 公式サイト)
中路重之 他「Trends in dietary fiber intake in Japan over the last century.」(『European Journal of Nutrition』41巻5号 2002年)
「ビフィズス菌はヒトの腸管内でどのようなはたらきをしているのでしょうか。」(腸内細菌学会 WEBサイト「よくある質問」)
平山和宏「腸内細菌叢の基礎」(『モダンメディア』60巻10号 2014年 栄研化学)
高安伶奈・増岡弘晃・須田亙「腸内細菌叢の解析法の進歩」(『モダンメディア』66巻5号 2020年 栄研化学)

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