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たまった便が出たら何キロ痩せるのか?便秘で太る本当の理由とは

ダイエット中の方にとって便秘は大敵。「便秘解消して便が出れば何キロ痩せるか?」と考えたことがある人も多いはず。便の重さで体重が増すイメージを持っているかもしれませんが、それは科学的根拠のあるものなのでしょうか? 便秘と体重増加、そして肥満との関係性について調べてみました。

そもそも1日の便の量はどれくらいか?

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健康的な人の1日の便の量はどのくらいか知っていますか? 体形や食事量によっても変化しますが、一般的な目安としては1日1〜3回の排便で150~250g(バナナ1.5本~2本分ぐらい)といわれています。

健康的な便の組成のうち、約80%は「水分」が占めています。残り20%にあたる固形成分の内訳は、「新陳代謝によってはがれた小腸や大腸などの腸粘膜」「腸内細菌の死がい」「食べ物のかす」など。便に含まれる水分量で硬さが決まり、便秘のときは水分が70%前後、下痢のときは90%以上になります。

便のほとんどが水分であることから、水分摂取量が少なく脱水状態になると便は硬くなり、便秘を引き起こしやすくなります。カフェインやアルコールなどは利尿作用があるため、コーヒーやお酒をたくさん飲みすぎると、体の水分不足から便秘になるケースもあるとか。最近ちょっと便秘がちという人は、まずは意識的に水分をとるように心がけると、お通じの調子が変わるかもしれません。

便秘で体重が増える“本当の理由”とは?

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もし仮に、食べたものが便として腸内にとどまり、その重さで1kg太るのだとしたら、どのくらいの食事量を食べる必要があるのでしょうか。

一般的な仕事をしている成人が、一日に必要とする栄養をとれる食事量を重量に換算すると、約1300g〜1550g程度になります。これだけの重量が体内に入れば、その分体重が増えるのも不思議ではないかもしれませんが、実は150g〜250g程度とされる1日の便の量のうち、食物残滓(食べかす)が占める量は10g〜16g程度。食物残滓を腸内で1kgためるには、単純に計算すると60〜100日分が排泄されずに残るということになってしまいます。

この計算からすると、腸内に残る1日分の食物残滓の量はあまりにも少ないため、数日間排便がないからといって、それが体重増加の直接の原因とは考えられません。また、便秘とは関係なく朝と夜で1kg前後、体重が変わることは珍しいことではありません。

便秘による体重の影響としては「むくみ」が考えられます。便のなかには、体にとって有害物質になるものが多く含まれています。それらを腸から何日も排出できずにいると全身の血行が悪くなり、余分な水分が体から排出されないため、結果として一時的に体重が増えることはあるそうです。

また、腸内に便やガスが滞ってくると、いわゆる「ぽっこりおなか」になり、ウエストのくびれが目立たなくなります。代謝が落ちて脂肪が蓄積されやすくなるので、トータル的に「太った」という印象を受けやすくなるのです。

体重の増減だけに目を向けるのではなく、まずは便秘を解消することが健康的な体づくりの基本といえそうです。

腸内環境を改善して、便秘と肥満を予防しよう

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便秘による腸内環境の悪化が続くことで、肥満になる可能性も指摘されています。2006年にアメリカの研究グループによって腸内フローラの変化と肥満発症の関連が示唆されて以来、さまざまな研究アプローチから腸内フローラの乱れが肥満や糖尿病などの代謝性疾患の発症との関係が少しずつ解明されつつあり、「食習慣、運動不足と並んで腸内細菌が肥満の原因となっていると考えられる」と指摘する研究者もいるほどです。

腸内環境を整えて便秘を解消するには、腸内の有用菌を増やすことが大きなファクターになります。腸内の有用菌の割合を増やす方法は、大きく分けて2つあります。

まずひとつは、ヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・漬物などから生きた有用菌を直接摂取する方法です。口から摂取された有用菌は腸内に一定期間存在してもとどまることはないため、毎日継続して摂取するようにしましょう。

そしてもうひとつは、有用菌の餌になるオリゴ糖や食物繊維を摂取し、腸内に生息する有用菌を活性化させる方法です。食物繊維を含む食材は野菜類・果物類・豆類など。オリゴ糖は、大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス・バナナなどに多く含まれています。

過度なダイエットは体調不良を招き、便秘を引き起こしやすくなります。毎日の食生活を見直しながら、便秘を予防して体重増加を未然に防ぐようにしましょう。

【参考文献】
「第4回 食品をバランスよく上手に食べるための分量の目安」(筑波メディカルセンター病院WEBサイト)
「腸内細菌叢と肥満の関係について教えて下さい。」(公益財団法人 腸内細菌学会「よくある質問」)
入江潤一郎、伊藤裕「腸内細菌叢と肥満症」(『日本内科学会雑誌』第104巻第4号 2015年)
「腸内細菌と健康」(厚生労働省「e-ヘルスネット」)

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