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腸内環境をリンゴポリフェノールとリンゴペクチンで守ろう!:りんごのパンプティング

蜜をたっぷり蓄え、あま~くなった冬のりんご。旬のりんごはおいしいだけでなく、腸内環境や腸の健康を守るための栄養、便秘にうれしい食物繊維が詰まったスーパーフードなのです。本日は、「リンゴポリフェノール」や「リンゴペクチン」など、りんごだけが持っている驚くべき成分についてご紹介します。

「リンゴポリフェノール」で医者いらず! りんごに含まれる豊富な栄養素

ヨーロッパ各国には、直訳すると「一日一個のりんごは医者を遠ざける」という言い回しのことわざがあります。イギリスでは「An apple a day keeps the doctor away.(一日一個のりんごで医者いらず)」、スペインでも「Una manzana cada día, de médico te ahorraría.(一日一個のりんごは医者代を節約できる)」と、表現の差異はあれどいずれも「りんごが健康によい」という意味。同様のことわざは世界各国にも見られます。

これらのことわざの根拠となっているのが、りんごに含まれる豊富な栄養です。りんごはカリウムやビタミンC、便秘の解消に役立つ食物繊維、エネルギー源となる果糖なども多く含みます。さらに最近では「リンゴポリフェノール」にも注目が集まっています。

ポリフェノールとは、植物や動物に含まれる色素成分で、強い抗酸化作用を持つ成分。りんごの皮のすぐ下に含まれるリンゴポリフェノールも、抗酸化作用で体内での酸化ストレスによる影響を抑える効果があると言われています。

また、「腸」の悩みに関しては、りんごは古くから知られる“医者いらず”の力を発揮してくれます。腸内の健康を保つために、食物繊維が欠かせないことはご存じの通り。りんごに含まれる食物繊維は、「セルロース」という水に溶けないタイプと、「ペクチン」という水に溶けるタイプの両方が含まれています。

不溶性食物繊維で便のかさを増やして腸を刺激し、水溶性食物繊維で便のすべりをよくして排便を促します。両方の食物繊維を同時に摂取できるので、便秘解消に大きな効果が期待できるというわけです。

加熱すると摂取効率がアップ!
腸の健康を守る「リンゴペクチン」

この、りんごに含まれるペクチンは「リンゴペクチン」と呼ばれ、特異な効能を持つことから医学界で注目を浴びています。

富山医科薬科大学(現 富山大学)名誉教授の田澤賢次氏の研究によると、ネズミに発がん剤を投与した実験では、リンゴペクチンを与えたネズミはがんの発生が抑えられたという結果が出ています。

さらに、農研機構の研究からも、リンゴ6〜8個分に相当するリンゴペクチンを摂取した場合には、血液中の総コレステロールおよび LDL-コレステロールを低下させる働きがあるほか、腸内の乳酸菌やビフィズス菌などの有用菌の繁殖を促進し、ウェルシュ菌などの有害な菌を減らす効果があることが報告されています。

これらの研究から、リンゴペクチンには腸内フローラ(腸内にすみつく細菌叢)のバランスを良好に保ち、腸内環境を改善する効果があることが分かります。そしてリンゴペクチンの効果をさらに高めたいなら、加熱して摂取するのがおすすめです。

ペクチンは加熱すると吸収されやすくなり、さらに、皮に含まれるプロトペクチン(ペクチンになる前の成分)がペクチンに変化することで、生で食べたときより6~9倍多くとることができます。

注意したいのは、必ず「皮ごと」食べること。リンゴポリフェノールもリンゴペクチンも皮や種に多く含まれる栄養素なので、皮をむかずに食べましょう。

りんごに含まれるさまざまな栄養素は、腸内環境を整え、腸を元気に保ってくれます。今回は、皮ごと食べられてりんごの栄養を余すことなくいただける、簡単なベイキング・レシピをご紹介します。

りんごのパンプティングの作り方

■材料(2~3人分)

食パン(5枚切り)…2枚
りんご…1個
卵…2個
牛乳…250ml
砂糖…大さじ1(はちみつをかけない場合は大さじ2)
レモン汁…小さじ1/2
くるみ(素焼き)…適量
粉糖(あれば)…小さじ1
はちみつ…適量
バター…適量

■作り方

①食パンは9等分に切り、りんごはよく洗い、くるみは食べやすい大きさに砕いておく。耐熱皿にバターを薄く塗っておく。

【ポイント】
皮には栄養があるので、むかずに使います。
ワックスや農薬が気になる場合は、塩でこすり洗いするか、
重曹水や酢水で洗うとよいでしょう。

②りんごは4等分に切って芯を除き、皮ごと5mmほどの厚さにスライスする。ボウルに砂糖小さじ1(分量外)とレモン汁と合わせ、よく混ぜ合わせる。

【ポイント】
りんごの変色を防ぐため、また、浸透圧作用で水分が出ることで
熱を通りやすくするため、砂糖とレモン汁をまぶしておきます

③ボウルに卵をとき、砂糖を加えて混ぜる。牛乳を電子レンジなどで人肌程度に温めてからボウルに加え、泡立たせないよう静かに混ぜる。

【ポイント】
卵液を泡立てると生地に気泡が出てしまうので、静かに混ぜましょう。

④耐熱皿に食パン、りんごを交互に詰めていく。③を上から生地全体にかかるように注ぎ入れ、くるみを散らす。

【ポイント】
りんごとパンが交互になるように並べましょう。
容器は小さいものに分けて作ってもOKです。

⑤180℃に熱したオーブン、または魚焼きグリル、トースターに入れ30分ほど焼く。途中で様子を見て、表面が焦げそうだったらアルミホイルで覆う(魚焼きグリルやトースターの出力によってはオーブンより高温になるため、時間を短くします)。あら熱が冷めたら、好みで粉糖、はちみつをかけ、できあがり。

【ポイント】
生地の砂糖を控えめにしているので、
はちみつをかけない場合は分量の砂糖を大さじ1
増やしてください。

カリッ&ジュワッ、ふたつの食感が楽しめるパンプティング

焼き色のついた表面はカリカリで、卵液が染みた部分はジュワッとやわらか。ふたつの食感がなんともおいしい、パンプティングの完成です。

りんごはほどよく食感の残った焼き上がりで、ほのかな酸味がさわやか。まろやかな風味の卵液とよくマッチしています。

乾燥して固くなってしまったパンも卵液を吸ってやわらかくなるので、残ったパンの救済にうってつけのレシピです。パンはフランスパンやブリオッシュなどでもOK。牛乳を豆乳に変えたり、くるみをレーズンにしたり、幅広いアレンジでお楽しみください。

仕上げにかけた「はちみつ」も、腸を元気にしてくれる食材です。はちみつに含まれるオリゴ糖やグルコン酸は、腸内の善玉菌をふやし、腸内環境を整える作用が。

また、りんごやはちみつなどの腸に良いとされる食材は、感染症が流行する時期にこそ積極的に食べることをおすすめします。腸は人体の中でも「最大の免疫器官」と呼ばれるほど免疫機能が発達した器官。腸内環境が整うと便秘や下痢などが改善されるばかりか、免疫力アップにもつながるのです。

りんごに含まれる「リンゴポリフェノール」や「リンゴペクチン」などの成分。腸内環境改善に役立つこれらの成分を余すことなく摂るためには、ぜひ皮ごとおいしく食べてくださいね。甘さをたっぷり蓄えた冬のりんごで、腸内環境を整えましょう。

【参考文献】
白澤卓二『白澤教授が選んだ病気にならない“食べもの”バイブル』(扶桑社 2014年)
松生恒夫『日本一の長寿県と世界一の長寿村の腸にいい食事』(PHP研究所 2018年)
「リンゴペクチンの機能性の解明」(農研機構)
庄司俊彦「リンゴポリフェノールの健康機能性とその活用」(『日本食品科学工学会誌』第63巻 第1号 2016年)

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