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餅の食べすぎに、食物繊維&アミラーゼが豊富な絶品鍋!:揚げ餅と鶏のみぞれ鍋

年末年始のお楽しみといえば、豪華なごちそうの数々。しかし、うれしいと同時に気になるのが、食べすぎによる体重増加や胃のもたれ。今回は、お正月に欠かせないあの食材を罪悪感なく楽しむための豆知識と、腸にやさしい鍋レシピをご紹介します。

餅は「太りやすい」は誤解?
腹持ちのよさに注目!

餅の食べすぎに、食物繊維&アミラーゼが豊富な絶品鍋!:揚げ餅と鶏のみぞれ鍋

お正月に欠かせない食材のひとつである、「餅」。お雑煮はもちろん、磯部焼きにしたりあんころ餅にしたりと、いろいろな食べ方が楽しめてついつい食べすぎてしまいますよね。

餅といえば「太りやすい」というイメージから、食べすぎないよう気をつけているという人も多いのでは。たしかに餅は高エネルギー食品ですが、食べたからといって太ってしまうものではありません。それどころか、健康促進にとても役立つ食材なんです。

まず、餅の特徴は「腹持ち」のよさ。カロリーは白米が茶わん一杯(150g)で234kcalなのに対し、同じ重量の餅だと335kcalです。一見すると餅がグッと高カロリーですが、角餅1個で50gほど。モチモチと嚙み応えがあるので、実際は2個(100g)223kcalで満足できる人が多いのではないでしょうか。

また、餅の主成分である「アミロペクチン」というデンプンは、うるち米に含まれる「アミロース」に比べると、唾液に含まれる消化酵素(アミラーゼ)が分解するのに時間がかかり、消化吸収されにくいのです。そのため、ごはんよりも長時間胃の中に残ると考えられます。

昼夜を問わずたくさんのごちそうが並ぶお正月だからこそ、餅をしっかり食べることで食べすぎを防ぐことができそうですね!

餅を食べすぎてしまったら……
食物繊維で食後高血糖を防ごう!


さらに、餅はビタミン、ミネラルを多く含んでいるのもうれしい特徴です。

ビタミンB群はエネルギー代謝を促す働きがあるため、摂りすぎてしまったエネルギーを燃やすのに役立ちます。

餅の食べすぎに、食物繊維&アミラーゼが豊富な絶品鍋!:揚げ餅と鶏のみぞれ鍋

そうはいっても、やはり過度の食べすぎは禁物。炭水化物を摂りすぎると、血糖値が上がってインスリンが分泌され、血中の糖分を脂肪に変えて体にため込みやすくなってしまうのです。

つい餅を何個も食べてしまう……という人は、なるべく野菜も一緒にたっぷり食べるようにしましょう。餅と一緒に食物繊維を摂ることで、糖質の吸収を緩やかにしてくれます。

おせち料理にはごぼうや大根、にんじんなど食物繊維を多く含む食材が使われていますので、餅と一緒にバランスよく食べることで餅の食べすぎによる体重増加はコントロールできそうです。

今回は、お正月の余った餅のアレンジに最適な、簡単な鍋料理をご紹介します。食物繊維や消化酵素を含む大根をたっぷり使っておいしくヘルシーに仕上げましょう。

2人分で大根の食物繊維が6.5g!
揚げ餅と鶏のみぞれ鍋の作り方

■材料(2人分)
餅……4個
鶏もも肉……1枚(約250g)
せり……2束(約200g)
大根……1/2本(約500g)
片栗粉……大さじ2

(A)
だし汁……4カップ
しょうゆ、酒……各大さじ2
みりん……大さじ2
塩……小さじ1
塩、こしょう、サラダ油……適量

■作り方
①餅は縦半分に切り、鶏もも肉は一口大に切って塩・こしょうを振る。せりは根を落として5cmの長さに切り、大根は皮をむいてすりおろしておく。

②フライパンにサラダ油を1cmほど注いで中火にかけ、餅を並べてこんがりするまで両面を揚げ焼きする。

餅の食べすぎに、食物繊維&アミラーゼが豊富な絶品鍋!:揚げ餅と鶏のみぞれ鍋

【ポイント】
餅がふくらんでくるとくっつきやすいので、
半分ずつに分けて間隔をあけて揚げるのがおすすめです。

③鶏もも肉に薄力粉を薄くまぶし、同じフライパンでこんがりするまで揚げ焼きする。

餅の食べすぎに、食物繊維&アミラーゼが豊富な絶品鍋!:揚げ餅と鶏のみぞれ鍋

【ポイント】
鶏に衣をつけることで、スープが染みやすくなります。
カロリーが気になる方は、
衣をつけずにこんがりするまで焼くだけでOK。


④土鍋に(A)を入れてひと煮立ちさせ、餅、鶏もも肉、せりを加えて軽く煮込む。火を止め、大根おろしを加えて完成。

餅の食べすぎに、食物繊維&アミラーゼが豊富な絶品鍋!:揚げ餅と鶏のみぞれ鍋

【ポイント】
大根の酵素やビタミンは熱に弱いので、
火を止めてから大根おろしを加えましょう。

とろけた餅に大根おろしが絡んで絶品!胃腸にやさしいみぞれ鍋

餅の食べすぎに、食物繊維&アミラーゼが豊富な絶品鍋!:揚げ餅と鶏のみぞれ鍋

雪化粧のように大根おろしをこんもりと加えた、冬にぴったりのお鍋です。

揚げた餅のこんがり&とろりの2つの食感がたまりません。だし汁の味付けはシンプルですが、大根のうまみと揚げ餅のコクが溶け込み、食欲そそる風味に仕上がっています。

今回は旬のせりを使用しましたが、春菊や水菜など、手に入りやすい葉物で作ってみてください。きのこ類や豆腐などを加えるとさらにボリュームアップ。

餅の食べすぎに、食物繊維&アミラーゼが豊富な絶品鍋!:揚げ餅と鶏のみぞれ鍋

とろりと溶けた餅に、だし汁を含んだ大根おろしが絡んで……ほうっとため息が出るおいしさです。

大根には食物繊維がたっぷり含まれているので、糖質の吸収を緩やかにすること

さらに大根は、デンプンを分解する酵素であるアミラーゼや、タンパク質分解酵素のプロテアーゼ、脂肪分解酵素のリパーゼを含む消化酵素の宝庫! 年末年始のごちそう続きで疲れた胃腸にうれしい食材なのです。

今回はどーんと1/2本分も入れましたが、だし汁に溶け込んでいるのでぺろりと食べられます。消化酵素は熱に弱いので、火を止めた鍋にさっと乗せるように加えましょう。

餅&大根の組み合わせで、疲れた胃腸を癒やしてくれるレシピです。正月の余った餅の救済にもぴったり。残った汁は雑炊にして、最後の一滴までおいしく食べきってくださいね。


【参考文献】
『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』(文部科学省)
「食物繊維の必要性と健康」(厚生労働省「e-ヘルスネット」)
『ダイコンで腸活!血圧が下がる!』(マキノ出版 2020年)

このレシピの監修者

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よしもとこゆき

世界にもっと、「おいしい」魔法を広めるため、レシピ開発やスタイリング、飲食店プロデュースなど食に携わる仕事を中心に、デザインやイラスト、コラムの執筆など幅広く活動中。http://table411.net/

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