意外と多い勘違い!?便通と改善法にまつわる3つの誤解

日常的に「便通」が悩みの方は多いといいます。ところが、一般の方が行っている便通対策には間違ったものもたくさんあるのだとか。意外と知られていない「便通」にまつわる誤解を、いくつか調べてみました。

「毎日排便がない=便通異常」ではない?

意外と多い勘違い!?便秘と解消法にまつわる4つの誤解

便通が滞っている状態の定義は、実は1つではありません。それぞれの学会や団体によってさまざまな解釈があります。いくつかの定義の例を挙げてみましょう。

  • 「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」(日本内科学会による定義)
  • 「少量の硬い便がまれにかつ困難感を伴って通過すること」(積極的抗がん治療を受けていないがん患者に関する、欧州ワーキンググループにおける定義)
  • 「腸管内容物の通過が遅延・停滞し、排便に困難を伴う状態」(日本緩和医療学会による定義)

ちなみに、厚生労働省が運営する健康情報サイト「e-ヘルスネット」では、「2~3日に1回の排便でも排便状態が普通で本人が苦痛を感じない場合」は便通異常ではないことが明記されています。

これらを見ても分かるとおり、一般的に認知されている「毎日の排便がない=便通異常」という認識は必ずしも定義に当てはまるものではない、といえそうです。

「硬い食物は便通によくない」という誤解

意外と多い勘違い!?便秘と解消法にまつわる4つの誤解

ときどき「硬い食物は便通によくない」と思い込み、お通じが滞り気味のときに軟らかい食物を積極的に食べる人がいます。ところが、日本臨床内科医会の見解ではこれは逆効果。むしろ便が硬くなってしまうといいます。

そもそも食べ物が影響する「機能性」の便通異常には、「弛緩性(しかんせい)」と「けいれん性」の2種類があります。「弛緩性」は大腸の運動が弱いときに起こるため、まずは十分な食物繊維をとることが大切。

一方の「けいれん性」の便通異常は、精神的ストレスや消化器系の異常などが原因で起こります。この場合はなるべく消化がよいものを食べ、腸の刺激を少なくすることが大切になります。

このように便通異常の種類によっても対処方は異なるため、一概に「硬い食物は便通によくない」とは言い切れません。便通の滞りが何日も改善されずに続くようなら、医師の診断を受けてそれぞれの状態にあった正しい対策を行うようにしましょう。

便意がなければトイレには行かなくてOK?

意外と多い勘違い!?便秘と解消法にまつわる4つの誤解

普段からお通じが滞りやすい人は、便意を我慢することが多いという報告があります。「便意を我慢する」というのは、一過性の便通異常の大きな原因のひとつ。つまり、便通異常になりにくくするには、毎日一定の時刻に排便する習慣が大事になってくるのです。

排便におすすめの時間帯は、朝出掛ける前。特に朝食のあとは、1日の中でもっとも活発に排便作用が行われる時間帯です。朝は少し余裕をもって準備を始め、便意がなくてもトイレに行くなど習慣づけるのもおすすめです。排便リズムが整ってきたら、1日1回、決まった時間に自然と便意を催すようになってくるはずです。

便通異常を引き起こす原因はひとつでありません。不規則な食事や生活によってなることもあれば、運動不足、精神的なストレスが原因になることも。「急がば回れ」ということわざもあるように、「最近、ちょっとスッキリしない日が続きがち」という人は、バランスのとれた食事や規則正しい生活を心がけ、まずは腸内環境を整えることから始めてみてはいかがでしょうか。

【参考文献】
特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 ガイドライン統括委員会『がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン(2017年版)』(金原出版株式会社 2017年)
「便秘と食事」「腸内細菌と健康」(厚生労働省「e-ヘルスネット」)
『わかりやすい病気のはなしシリーズ49 便秘』(一般社団法人 日本臨床内科医会)
「Q7.便秘によい食べ物について教えてください?」「5.便秘」(一般社団法人 愛知県薬剤師会WEBサイト)
「便秘 -気になるからだの危険信号-」(日本成人病予防協会WEBサイト)

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