• TOP
  • レシピ
  • 食感はトロ~リ&パリパリ!2つの発酵食の相性も抜群:チーズおかか焼きおにぎり

食感はトロ~リ&パリパリ!2つの発酵食の相性も抜群:チーズおかか焼きおにぎり

チーズの歴史はどのくらい前にさかのぼると思いますか? 一説には、なんと約7000年前もの昔から世界中に愛されてきたといわれています。今回は、そんな世界に残るチーズの歴史をひもときながら、人々とチーズの関係を振り返ってみましょう。

チーズの誕生は7000年〜1万年前!?
世界に伝わるチーズの歴史

「人類最古の加工食品」といわれているチーズ。その誕生の歴史については諸説あり、世界各地でチーズ製造の歴史を示す痕跡や民話が発見されています。

2012年、イギリスのブリストル大学の研究者を中心とした研究グループが、ポーランドの遺跡で発掘された約7000年前のものと見られる土器を分析し、乳に含まれる脂肪酸が大量に付着していると発表しました。このことからこの土器が、チーズ製造の歴史を裏付ける証拠として注目を浴びたのです。

さらに2018年にはクロアチア沿岸の遺跡から同様に器の破片の付着物から、7200年前のチーズ製造の痕跡と思われるものが発見されています。

2012年の発見以前に、最も古いチーズ作りの記録とされていたのが「壁画」です。紀元前4000年頃のメソポタミアの神殿には、人々が乳を搾ってチーズを作っている様子が壁画として残されています。インドでも、紀元前3000年のものといわれる「ベーダの賛歌」の中にチーズが登場する歌があることが伝えられています。

また、紀元前2000年頃のアラビア民話には、こんな一節が残されています。

「アラビアの商人・カナナが旅に出ようと、羊の胃袋で作った水筒に山羊の乳を入れてラクダの背にくくりつけておきました。旅の途中で喉が渇き、水筒を開けてみると、ミルクが出てきません。中には、ミルクではなく白い塊が。恐る恐るその塊を食べてみると、なんともいえないおいしさだったというのです」

食感はトロ~リ&パリパリ!2つの発酵食の相性も抜群:チーズおかか焼きおにぎり

カナナのミルクを固めたのは、水筒として使っていた羊の胃袋に含まれる「レンネット」という成分の作用です。このレンネットを用いたチーズ作りはヨーロッパを中心に広く伝わり、現代でも世界中で動物性や植物性のレンネットを用いてチーズが作られています。

この他にもチーズの発祥についてはさまざまな説があり、1万年以上前には誕生していたのではないかという説があるほどです。1万年も昔の人々と同じものを食べていると思うと、感慨深いものがありますよね。

仏教用語では「一番おいしいもの」!?

では、日本ではチーズはどのような歴史をたどってきたのでしょうか。

前回の記事でお伝えしたように、飛鳥・奈良時代の「蘇」という乳製品が、日本におけるチーズのはじまりだといわれています。この頃、アジアで伝えられていたチーズの製法はヨーロッパのレンネット式とは異なり、「」のように牛乳から水分を取り除いて乳脂肪分を固めた、現代のカッテージチーズのような製法だったようです。

このチーズの製造に関係する仏教用語に、「醍醐味(だいごみ)」という言葉があります。日本語では深い味わいや物事の本当の楽しさを意味する言葉ですが、仏教用語では「物事の最上の味わい」を意味するそうです。

食感はトロ~リ&パリパリ!2つの発酵食の相性も抜群:チーズおかか焼きおにぎり

また、仏教には「五味」という乳製品の加工段階を5つに分けた言葉が存在します。

  1. 「乳味(にゅうみ)」
  2. 「酪味(らくみ)」(ヨーグルトのような状態)
  3. 「生酥味(しょうそみ)」(牛乳を煮詰めた、「蘇」のような状態)
  4. 「熟酥味(じゅくそみ)」(生酥をさらに煮詰めた状態)
  5. 「醍醐味」(熟酥の表面に浮いた液体)

この五味の最終段階である「醍醐味」こそ、仏教の教えで「一番おいしいもの」とされているのです。チーズを作った際に出るうわずみのような液体だと推測されていますが、一体どんな味だったのか気になりますね。その後、明治時代になると、牧畜の導入とともにヨーロッパ式のチーズの製法が取り入れられるようになります。

近年は「国産ナチュラルチーズ」ブームも!

1930年代には本格的なチーズの工業生産が可能になり、プロセスチーズの量産が始まります。その頃はまだ日本人の口になじみがなかったせいか普及しませんでしたが、戦後、高度経済成長に牛乳や乳製品の消費量が増えるとともに、だんだんとチーズの生産量も増加していきました。

食感はトロ~リ&パリパリ!2つの発酵食の相性も抜群:チーズおかか焼きおにぎり

さらにここ数年は、「国産ナチュラルチーズ」ブームだといわれています。チーズ工房の数は全国に300ほどに増え、2014年には国産ナチュラルチーズを品評する「Japan Cheese Awards(ジャパンチーズアワード)」が発足し、ますます盛り上がりを見せています。

世界から日本へ伝来したチーズの歴史。日本のチーズ人気はさらに発展することが予想され、今後の展開に目が離せません。

そこで今回は、日本を代表するあの料理を、チーズをふんだんに使ってアレンジしました。チーズのおいしさを存分に堪能できますよ。

チーズおかか焼きおにぎりの作り方

■材料(2個分)
ごはん……200g
チーズ(エメンタール、グリュイエール、コンテがおすすめ)……30g
※ピザ用チーズでも可
<おかか>
かつおぶし……30g
しょうゆ……大さじ1
みりん……大さじ1
白ごま……小さじ1

■作り方
①<おかか>の材料を深めの耐熱容器に入れ、ラップをかけずに500Wの電子レンジで30秒加熱する。一度取り出して上下を返し、さらに30秒加熱し汁気を飛ばす。

食感はトロ~リ&パリパリ!2つの発酵食の相性も抜群:チーズおかか焼きおにぎり

【ポイント】
少量のおかかは電子レンジだとあっという間に作れます。
覚えておくと、お弁当にも便利です。

②ボウルに入れたごはんにおかかを加えてよく混ぜ、ざっくりと半分に分ける。チーズの1/4量ほどを具にしておにぎりにする(残ったチーズはあとで使う)。

食感はトロ~リ&パリパリ!2つの発酵食の相性も抜群:チーズおかか焼きおにぎり

【ポイント】
チーズは適当な大きさに切って具にします。
おにぎりが崩れないよう、ぎゅっとしっかりにぎりましょう。

③フライパンにおにぎりを並べ(テフロン加工でない場合はオーブンシートを敷く)、弱めの中火で焼く。焼き目がついたら裏返し、同様に焼く。

食感はトロ~リ&パリパリ!2つの発酵食の相性も抜群:チーズおかか焼きおにぎり

【ポイント】
表面がカリッと香ばしくなるまで焼きましょう。

④おにぎりをいったん取り出し、火をつけたままのフライパンに残りのチーズを1/2ずつ置く。チーズが溶けたらその上におにぎりをのせ、チーズから水分が抜けてパリパリになったらできあがり。

食感はトロ~リ&パリパリ!2つの発酵食の相性も抜群:チーズおかか焼きおにぎり

【ポイント】
フライパンにチーズを置いて溶けてきたらおにぎりを乗せ、
軽く手で押さえるようにくっつけます。

食感はトロ~リ&パリパリ!2つの発酵食の相性も抜群:チーズおかか焼きおにぎり

【ポイント】
チーズから完全に水分が抜け、フライパンからスルッと滑るようになったらできあがりの合図。ひっくり返すと、チーズがパリパリに焼けているはずです。

トロ~リ&パリパリ!ダブル使いのチーズが味の決め手!

食感はトロ~リ&パリパリ!2つの発酵食の相性も抜群:チーズおかか焼きおにぎり

具だけでなく外側にもチーズを使った、チーズ尽くしの焼きおにぎりの完成!
パリパリの焼きチーズを割ると、中からはトロ~ッとチーズがあふれ出します。
使ったのは1種類のチーズなのに、焼きチーズの香ばしさと溶けたチーズのミルキーさ、異なる2つの味わいが楽しめるチーズ好きにはたまらないおにぎりです。

ピザ用チーズなどのとろけるチーズで手軽に作ってもいいのですが、せっかくならエメンタールやグリュイエール、コンテなどのハードチーズをおすすめしたいところ。熟成期間の長いハードチーズは、うま味成分であるアミノ酸が豊富なので、少量でも存在感はばっちりです。

食感はトロ~リ&パリパリ!2つの発酵食の相性も抜群:チーズおかか焼きおにぎり
コンテチーズ

おかかとチーズはどちらも発酵食品。似た風味があるので、相性抜群の組み合わせです。かつおぶしの燻製のような香りが、チーズの味わいに奥行きを与えてくれます。

さらに、かつおぶしとチーズはカルシウムが豊富な食材として知られています。成長期の子どもはもちろん、カルシウムが不足しがちな女性にもおすすめです。

また、カルシウムには交感神経の働きを抑え、精神を安定させる働きも。イライラしたり、寝付きが悪いと感じている人は、積極的にカルシウムの多い食材を摂ってみてはいかがでしょうか。

食感はトロ~リ&パリパリ!2つの発酵食の相性も抜群:チーズおかか焼きおにぎり

【参考文献】
「Chemical analysis of sieve vessels reveals first cheese making in Northern Europe in the 6th millennium BC」(ブリストン大学プレスリリース 2012年)
Sarah B. McClure et al.「Fatty acid specific δ13C values reveal earliest Mediterranean cheese production 7,200 years ago」(『PLOS ONE』 Public Library of Science 2018年)
本間るみ子『知っておいしい チーズ事典』 (実業之日本社 2017年)
「五味」(『広辞苑』第7版 岩波書店)
栢英彦「日本におけるチーズ製造の歴史的発展」(『乳の社会文化学術研究研究報告書』乳の社会文化ネットワーク 2012年)
増田仁「戦後日本における乳製品の普及過程に関する社会学的分析 ――教育現場から家庭・地域へ介入する食教育の再検討――」(『乳の社会文化学術研究研究報告書』乳の社会文化ネットワーク 2014年)

pagetop