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急性中耳炎の治療で 「乳酸菌」が処方される理由とは?

乳幼児に多くみられる耳の疾患「急性中耳炎」。悪化すると抗生物質と一緒に「整腸剤」が処方されることがあります。なぜ耳の病気なのに、腸のお薬が必要なのでしょうか。「急性中耳炎」という病気と、抗菌薬が腸内に与える影響について調べてみました。

そもそも「急性中耳炎」とは?

急性中耳炎の治療で 「乳酸菌」が処方される理由とは?

「急性中耳炎」とは、鼻や喉についた細菌が、耳管から中耳腔に感染することによって起こる病気です。中耳の病気の中で最も頻度が高く、特に小児に多くみられるのが特徴。子どもの中耳炎が多い理由としては、耳管が未熟で、大人よりも短く、太く、まっすぐであるため、鼻や喉の影響を受けやすいからと言われています。

急性中耳炎は、風邪などの感染後に引き続き発症することが多く、肺炎球菌、インフルエンザ菌の感染が発症原因の8割を占めているとされます。発症すると、耳の痛み、声や音が聞こえづらさ、発熱、耳漏(耳から液体が流れ出ること)などの症状が現れます。うまく言葉で伝えられない小児の場合、耳を押さえる、引っ張る、こすりつけるといった行動が見られるそうです。

急性中耳炎は重症になるほど耳の鼓膜の腫れがひどくなり、患者の約10%が鼓膜に穴が空き、そこから膿が出てくることもあるとか。もし急性中耳炎の疑いがある場合は、勝手に判断せずにすぐに医療機関で診断してもらうようにしましょう。

急性中耳炎の治療時に「乳酸菌製剤」や「酪酸菌製剤」を処方されるのはなぜ?

急性中耳炎の治療で 「乳酸菌」が処方される理由とは?

急性中耳炎の疑いがあるときは、鼻や喉、中耳腔の中にある膿を採取して、原因菌の種類を調べる検査を行う場合もあります。その他、全身の状態、鼓膜の様子などから総合的に判断して治療方針を決めていきます。軽症の場合は、必要に応じて痛み止めを投与しながら、様子を見て治るのを待つことが多いようです。

様子を見ても治癒しない場合、あるいは感染症の悪化が疑われる場合は、抗生物質を使用して症状を抑えます。中耳炎の治療によく用いられている抗生物質は、中耳腔に到達しやすく、さまざまな細菌に対して強い殺菌力を発揮します。

急性中耳炎の治療で 「乳酸菌」が処方される理由とは?

こうした抗菌薬を投与される際、抗菌薬への耐性を持つ「乳酸菌製剤」や「酪酸菌製剤」が一緒に処方されることがあります。さらに、医療機関によってはヨーグルトを食べるよう勧められることもあるとか。なぜ中耳炎の治療なのに、そのような「整腸剤」が必要なのでしょうか?

抗生物質と腸内フローラの関係

急性中耳炎の治療で 「乳酸菌」が処方される理由とは?

細菌感染が原因で起こる「急性中耳炎」の場合、症状が悪化した場合はすみやかに抗生物質の投与が望ましいとされています。しかし、抗生物質は悪い菌を撃退するだけでなく、ビフィズス菌などの有用菌に対しても「毒」として働いてしまいます。

そのため抗生物質を摂取すると、一時的に数が減少し腸内フローラのバランスが崩れることがあるそうです。抗生物質を飲むと、便が柔らかくなったり、下痢になったりするのはこのためと言われています。

急性中耳炎の治療で 「乳酸菌」が処方される理由とは?

こうした副作用を最小限にするため、抗生物質を飲むときは「乳酸菌製剤」や「酪酸菌製剤」を摂取して、腸内フローラのバランスを整える必要があります。処方される整腸剤だけでなく、ヨーグルトやオリゴ糖、食物繊維を多く含む食事を摂ることで、腸内フローラのバランスの乱れを防ぐことができる可能性があります。

腸内フローラのバランスが崩れると免疫力が落ち、他の症状を引き起こす可能性も出てきます。「耳の病気だから」と甘く考えずに、抗生物質を服用するときは腸内のことも意識しつつ、健康的な食生活を心がけるようにしましょう。

【参考文献】
「急性中耳炎」(恩賜財団済生会WEBサイト)
「小児急性中耳炎診療ガイドライン(2018年版)」(日本耳科学会、日本小児耳鼻咽喉科学会、日本耳鼻咽喉科感染症・エアロゾル学会 編)
「小児急性中耳炎診療ガイドラインについて 一般の方・おうちの方へ」(小児急性中耳炎診療ガイドライン作成委員会)

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