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牛乳でおなかを下す人も、ヨーグルトはOKなのは乳酸菌のおかげ?

牛乳を飲むと、いつもおなかがゴロゴロと…。そんな症状にお困りの方はいませんか? もしかしたらそれは「乳糖不耐症」かもしれません。その原因と予防策、そして牛乳が苦手な人でも他の乳製品なら大丈夫な理由について詳しく調べてみました。

牛乳でおなかがゴロゴロする理由は2つ!

牛乳でおなかを下す人もヨーグルトはOKなのは、乳酸菌のおかげ?

なぜ牛乳を飲むと、おなかがゴロゴロと鳴ったり、下してしまうことがあるのでしょうか。その理由は2つあります。ひとつは、牛乳を飲むことで前述の「乳糖不耐症」という症状を引き起こすためです。

「乳糖不耐症」とは、牛乳に含まれる「乳糖(ラクトース)」を分解する酵素「ラクターゼ」が小腸のなかに少ないか、または働きが弱いことで起こる症状です。個人差はありますが、牛乳を摂取することで、消化不良・腹部不快・腹痛・下痢・おならなどの症状が出ます。

牛乳でおなかを下す人もヨーグルトはOKなのは、乳酸菌のおかげ?

一方、体内のラクターゼの働きが十分でも、腹痛や下痢を起こす人がいます。その場合は「牛乳アレルギー」の可能性があります。

「乳糖不耐症」とは対照的に、牛乳の成分を適切に消化できるのですが、牛乳中のタンパク質が免疫系に反応してアレルギー反応を引き起こし、おなかがゴロゴロして腹痛や下痢といった症状が現れます。

牛乳アレルギーは乳幼児に多く見られ、3歳以降に自然治癒することが多いとされています。おなかがゴロゴロとしやすい方で、症状が深刻な方は医療機関に一度相談してみましょう。

日本人は乳糖を分解できないって本当?

牛乳でおなかを下す人もヨーグルトはOKなのは、乳酸菌のおかげ?

「乳糖不耐症」を自覚していない健康な人でも、たくさんの牛乳を一度に飲むと、おなかがゴロゴロした経験はないでしょうか。

実は、北欧系の人を除くほとんどの人は大量の乳糖を分解できないのです。日本人を含む多くの人種では離乳後にラクターゼの量が減少し、年長児や成人でも乳糖の消化が苦手になる一方、北欧系の白人の80%〜85%は生涯を通じてラクターゼを体内で産生できるため、あのゴロゴロとは無縁なのです。

そのため日本人は乳糖が分解できない、などといわれることもありますが、牛乳を飲むと必ずゴロゴロするという人は多くありません。

では、どの程度の乳糖をとると、おなかがゴロゴロしてしまうのでしょう。奥恒行氏が行った、日本人を対象に乳糖の摂取量と下痢との関連を調べた試験では、30gの乳糖を摂取しても下痢になった被験者はいませんでしたが、徐々に摂取量を多くしていき、50gまで増やすと被験者のうち49%が、60gまででは被験者の67%に下痢の症状が出たという結果が報告されています。

牛乳200mlに含まれる乳糖は9.9gなので、60gの乳糖は牛乳約1.2ℓ分に相当します。日本人でも一度に多量の牛乳を飲まなければ症状を引き起こすことは少ないと言えそうです。

牛乳が苦手な人は、ヨーグルトやチーズで乳製品の栄養を!

牛乳でおなかを下す人もヨーグルトはOKなのは、乳酸菌のおかげ?

牛乳でおなかがゴロゴロしやすいという人は、一度に大量に飲むのは避け、数回に分けて飲むのがおすすめ。また、体温に近い温度のほうがラクターゼが活性化することから、ホットミルクにして飲むと胃腸への負担が軽くなります。

また、乳糖の少ない乳製品を牛乳の代わりに摂取するのもいいでしょう。例えばヨーグルトは、製造の過程での乳酸菌の発酵により乳糖の20%〜40%が分解されています。また、チーズは製造工程でホエー(乳清)が取り除く際にほとんどの乳糖も除かれてしまうため、食べてもおなかがゴロゴロする心配がありません。

牛乳にはカルシウムやタンパク質が多く、健康維持に必要な栄養素がたくさん含まれています。もし牛乳でおなかを下すという人は、同じ乳製品のヨーグルトやチーズを摂ってみてもいいかもしれません。

【参考文献】
「『乳糖不耐症』と『牛乳アレルギー』」(長野県医師会 WEBサイト「健康トピックス」)
「牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする理由」「ウワサ16 日本人のほとんどは、牛乳を飲むとおなかをこわす」(一般社団法人日本乳業協会 WEBサイト「乳と乳製品の知識」)
奥恒行「ヒトにおける乳糖の一過性下痢に対する最大無作用量と. それに及ぼす食べ方に関する研究」(『平成13年度 牛乳栄養学術研究会委託研究報告書』一般社団法人Jミルク 2001年)
「乳糖不耐症」(MSD マニュアル家庭版「03:消化器の病気」)
「牛乳の炭水化物『乳糖』」(一般社団法人Jミルク WEBサイト「乳の知識」)

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