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腸内洗浄から浣腸まで、腸をリセットする方法はさまざま
大腸の中に溜まっている古い便や老廃物を洗い流し、リセットする方法のひとつに腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)があります。
腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)とは、結腸全体に化学物質や薬品等を一切使用しない温水を流し入れ、腸内に蓄積した老廃物を洗浄する解毒・健康維持療法のひとつです。1989年に国際コロンハイドロセラピー協会が創立され、結腸洗浄装置の精度も大きく向上し、機器を使用した結腸洗浄法がアメリカやヨーロッパを中心に確立されました。
ほかにも、便を出す方法として、グリセリン浣腸(肛門からグリセリンを流し込みS状結腸を刺激して排便を促す方法)、微温湯による高圧浣腸(肛門に管を差し入れ、1mくらい上からつりさげたイリゲータと呼ばれるタンクから300~1000ml程度の微温湯を流しいれ排泄を促す方法)などがあります。
最近では、大腸内視鏡検査の前処置に使われる塩類剤の下剤(粉末の薬剤を2ℓの水で溶かし飲む方法)なども、『飲む腸内洗浄』といった表現で混同されることがあります。しかし、ここでは伝来の腸内洗浄法についてお話したいと思います。
腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)は痛くない?
日本では腸内洗浄は「恐い」「痛い」と思われる方が多いようです。しかし、コロンハイドロセラピーは、下剤を使用したときのような激しい腹痛はありません。自身の腸の動きを使って排泄を促す方法のため、強い便意をもよおすといった感覚に近いです。現在、コロンハイドロセラピーは、海外では自然療法のひとつとして医学的に位置づけられています。
腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)を受けるといいのはどういう人?
体内の有害物質の約75%は便から排泄されるといわれています。腸内の汚れ(腸内環境の乱れ)によって起こる愁訴には、以下のような症状があります。
便秘、下痢、食欲不振、体臭・口臭、肩こり、腰痛・頭痛・腹痛、眼精疲労、むくみ、便秘による肌荒れ、ニキビ、吹き出物、肌のくすみ、不眠、うつ、イライラなど。
便秘による結腸での便の滞留やおなかの中にガスがたまって苦しいという方にとって、「大腸の中を洗って一度リセットする」ことは、とても効率のよい対処法のひとつといえます。
上記の症状で医療機関を受診して、「異常なし」といわれたけれど、症状が改善しない方は、一度腸内をリセットしてみてはいかがでしょうか?
腸のトレーニング効果も期待できる医療機関で行われる
腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)には、2つ特徴があります。1つ目は、専用医療機器を使用して水圧をコントロールしながら結腸の奥までお湯を満たすこと。2つ目は、自分の結腸のぜん動運動を利用して排泄することです。この医療機器の使用により、高圧浣腸などでは届かない大腸の奥まで洗うことができます。
また、仰向けに寝て膝を立てた姿勢のまま排泄を試みることにより、結腸のぜん動運動と直腸の排便反射の促進につながります。つまり、「腸自らの働き」を取り戻すトレーニング効果が期待できるのです。
たまっている便を排出し結腸内を空にすることは、腸内の有用菌を育てる下準備となり、腸が動き出すきっかけを作ることができます。腹部の張りや不快感の解消にも効果的です。
欧米で認められている治療効果として、便秘症の改善、カンジタによる結腸炎、寄生虫除去、軽度の痔核、軽度の憩室炎(けいしつえん)なども挙げられます。
腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)に興味はあるものの、緊張してしまうと考えている方もいるかもしれません。腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)は女性看護師が施述するケースも多く、体のことを相談しやすい環境にあります。女性専門のクリニックもあるので、探してみるといいかもしれません。