子どもの、のどの痛みの原因に!「溶連菌」とその感染症とは?

子どもがかかりやすい「溶連菌感染症」という病気をご存じですか? 代表的な症状は、38℃以上の発熱やのどの痛み。感染力は強く、大人がかかると無症状の場合もあるため、知らないうちに子どもへと感染させているケースもあるのだとか。

溶連菌に感染したときはどうすればいいのか。予防対策には何をすればいいのか。意外とよく知られていない「溶連菌感染症」という病気について調べてみました。

「溶連菌」とは何か?

子どもの、のどの痛みの原因に!「溶連菌」とその感染症とは?

溶連菌とは、正式には「溶血性連鎖球菌」と呼ばれるもので、その大きさは0.5~2マイクロメートル(0.0005〜0.002mm)という肉眼では見えない極小の細菌です。連なった鎖のように増える球状の菌体のため「連鎖(レンサ)球菌」という名前が付いているそうです。

溶連菌には複数の種類があり、また血液寒天培地上での溶血性によっても3種類に分類されますが、そのなかで人間に病原性を示すものが「β溶血性連鎖球菌」です。β溶血の菌株は化膿連鎖球菌と呼ばれ、抗原性の分類でA群、B群、C群、G群、L群等に分類され、「A群溶血性連鎖球菌」は、健康な人の喉や鼻腔にも常在する菌ですが、ウイルス感染による気道の線毛や粘膜の損傷を引き金にして、さまざまな症状をもたらします。

「溶連菌感染症」とはどのような病気か?

子どもの、のどの痛みの原因に!「溶連菌」とその感染症とは?

溶連菌感染症の代表的な症状は、発熱と、のどの痛み。他にもリンパ節が腫れたり、苺舌(舌がイチゴのように赤く、ブツブツになる)や、体や手足に小さくて赤い発疹が出ることもあります。さらに腹痛や嘔吐など、胃腸炎症状をともなうこともあるの注意が必要です。

初期症状は風邪によく似ていますが、ウイルス性の風邪とは違い、咳や鼻水が出ないのが特徴。病院で「溶連菌感染症」と診断されたら、抗生物質を服用しながら治すことになります。症状のほとんどは、抗生物質を服用して1~2日程度で改善します。

ただし、溶連菌を確実に体内から除菌しないと重大な合併症を引き起こす可能性があるため、症状が消えても10日間は薬を飲み続ける必要があります。症状がないからと勝手に判断したりせず、医師の処方どおりに服用するようにしましょう。

「溶連菌感染症」の予防対策は?

子どもの、のどの痛みの原因に!「溶連菌」とその感染症とは?

溶連菌感染症の流行時期は、「冬」と「春から初夏」。冬に流行して、菌の活動が収束する梅雨明けごろまでは安心できません。一度かかったら終わりではなく、繰り返しかかることもあるそう。また、子どもに多い感染症ですが、最近は大人の間でも流行することがあります。

感染力は強く、咳やくしゃみなどの飛沫によって、家族全員が感染することケースも少なくありません。特に子ども同士、兄弟への感染には注意が必要になります。

溶連菌感染症に関しては、予防のためのワクチンがまだ実用化されていません。そのため予防対策としては、感染者との接触をできるだけ避けることが重要です。普段から手洗いやうがいなどを習慣づけておくことが大切。

菌の付着した食品や手などを介して感染することが多いため、口や鼻を手で触らないように出掛けるときはマスクの着用がおすすめです。家族内感染を避けるためにも、食器やタオルの共用などは避けるようにしましょう。

感染症への意識が高まりつつあるいまだからこそ、消毒、手洗い、うがいなどを徹底して、健康で安全な生活を心がけてくださいね。

【参考文献】
「レンサ球菌感染症について」(『東京都微生物検査情報(月報)』第21巻、11号 東京都感染症情報センター 2000年11月)
「A群レンサ球菌」(京都大学大学院医学研究科 微生物感染症学分野)
「溶連菌感染症ってなに?」(練馬区医師会WEBサイト「医療トピックス 」)
「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは」(国立感染症研究所)

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