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腸内環境を整える&お肉をおいしくする「味噌」で作ろう!:鶏むね肉の味噌マヨ漬け焼き

日本人の食卓に欠かせない存在である「味噌」。古くから調味料として親しまれるとともに、「健康食材」としても重宝されてきました。今回は、そんな味噌と日本人の歴史を振り返りながら、その健康効果を紐解いてみましょう。肉や魚の調理に活躍する万能「味噌床」のレシピもご紹介します。

味噌汁を飲めば「医者いらず」?
日本人と味噌の歴史

腸内環境を整える&お肉をおいしくする「味噌」で作ろう!:鶏むね肉の味噌マヨ漬け焼き

どのようなルートで伝来したか詳しいことはまだはっきりとしませんが、日本での味噌の歴史は古く、文献上では奈良時代までさかのぼります。757年に制定されたとされる法典「養老律令」には、「未醤」の文字が記され、これが現在の味噌のもとだと考えられています。

その後の平安時代では市で市販されるほど広く食べられるようになり、戦国時代では備蓄兵糧や陣中食として味噌は重宝されていました。

また、古くから味噌汁に湯をくわえたものは養生に良いといわれ、「これを飲んでいれば医者にかからなくてよい」とされたことから、別名を「医者殺し」「医者転ばし」とも呼ばれていました。江戸時代に書かれた食材の百科事典『本朝食鑑』では、味噌は日本人の食生活に「一日もなくてはならない」食材だと記されています。

もちろん、現代でも味噌は日本人にとってなくてはならない存在。特にここ数年では「味噌汁ブーム」と言っていいほど、味噌や味噌汁が再評価されているようです。これほどまでに味噌が日本で親しまれている理由は何なのでしょうか。それは、私たちの「腸」と深い関係があるようです。

味噌のうれしい発酵パワー!
健康UP&料理をおいしく

味噌は、大豆または穀物を発酵させて製造する「発酵食品」です。麹菌や酵母、乳酸菌の力を借りて原料を発酵・熟成させ、味噌が作られます。

これらの菌が腸内に届くことで腸内フローラを整えてくれるというわけです。「味噌汁は医者殺し」という言葉が生まれたのも納得ですね。

さらに、味噌がもたらすうれしい効果は健康だけにとどまりません。食材をおいしくしたり、保存性を高めるはたらきもあるのです。

腸内環境を整える&お肉をおいしくする「味噌」で作ろう!:鶏むね肉の味噌マヨ漬け焼き

味噌には、たんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)が含まれています。プロテアーゼは肉や魚のたんぱく質を分解し、肉質をやわらかくする効果が。さらに味噌に含まれる塩分の浸透圧作用により食品の腐敗微生物の生育を抑え、保存性を高める効果もあります。このような利点から、「味噌漬け」は平安時代中期の法典『延喜式』に記録が残るほど、古い歴史を持つ食品の加工方法なのです。

そこで今回は、漬けるだけで肉や魚がおいしくなる万能味噌床の作り方をご紹介します。安いお肉でも、驚くほどしっとりやわらかに変身。覚えておくと、毎日のおかずやお弁当作りに重宝しますよ。

鶏むね肉の味噌マヨ漬け焼きの作り方

■材料(2人分)
鶏むね肉……大1枚(400g)
しいたけ……4枚
キャベツの千切り……適量
<味噌床>
味噌……大さじ2
マヨネーズ……大さじ2
みりん……大さじ1
砂糖……小さじ1
にんにく(すりおろし、チューブでも可)……小さじ1/2

■作り方
①鶏むね肉は観音開きにして半分に切る。しいたけは軸を切り落とす。

②<味噌床>の材料を混ぜ、鶏むね肉、しいたけの両面に満遍なく塗ってバットや皿に並べる。ラップをかけ、冷蔵庫で30分以上(できれば1晩)寝かせる。

腸内環境を整える&お肉をおいしくする「味噌」で作ろう!:鶏むね肉の味噌マヨ漬け焼き

【ポイント】
味噌に含まれる酵素のはたらきで、肉質がしっとりやわらかく変化します。
野菜なども余分な水分が出ることで、うまみがギュッと凝縮されます。

③フライパンに肉(皮を下にする)、しいたけを並べ、フタをして弱火にかける。4分ほど焼いて焦げ目がついたら裏返し、同様に4分ほど焼く。火を止めたらフタをしたまま5分ほどおき、余熱で火を通す。

腸内環境を整えるうえに、お肉をやわらかくする「味噌」で作ろう!:鶏むね肉の味噌マヨ漬け焼き

【ポイント】
マヨネーズが入っているので、テフロン加工のフライパンなら油を引かなくてもOK。味噌が焦げつきやすいので、弱火でじっくり火を通すのがコツ。

④肉をそぎ切りにし、キャベツなどの付け合わせと一緒に皿に盛ってできあがり。

しっとりやわらか!味噌漬け焼きは作り置き・お弁当にも大活躍

腸内環境を整える&お肉をおいしくする「味噌」で作ろう!:鶏むね肉の味噌マヨ漬け焼き

味噌の焼き目から立ちのぼる香りがなんとも香ばしい、鶏むね肉の漬け焼きの完成です。

味噌に含まれる酵素のはたらきで、パサつきがちなむね肉もしっとり。また、マヨネーズの酢にも肉の繊維をやわらかくする効果があります。味噌床に漬けておくだけなのに、安価なむね肉が驚くほどおいしく仕上がりますよ。

付け合わせは、しいたけやエリンギなどのきのこ類の他、にんじん、ブロッコリーなどの野菜類もおすすめ。味噌床に漬けると、グッと味わい深く、ごはんの進むおかずに変身します。

腸内環境を整える&お肉をおいしくする「味噌」で作ろう!:鶏むね肉の味噌マヨ漬け焼き

味噌漬けは浸透圧の作用で保存性が高まるので、冷蔵庫で3~5日ほど保存可能。冷凍・解凍してもドリップが出にくいので、冷凍保存もおすすめです。焼く際は、マヨネーズが油のかわりになるのでサラダ油を引かなくても大丈夫。

このように、味噌漬けはとにかく簡単、便利で、おいしい、生活の知恵がつまった保存法なのです。

腸内環境を整える&お肉をおいしくする「味噌」で作ろう!:鶏むね肉の味噌マヨ漬け焼き

冷蔵庫に味噌漬けを常備しておけば、日々のおかずやお弁当作りに大活躍するでしょう。日本古来の調味料・味噌をかしこく使って、「腸」から健康を守りましょう。

腸内環境を整える&お肉をおいしくする「味噌」で作ろう!:鶏むね肉の味噌マヨ漬け焼き


参考文献:
「味噌」(『国史大辞典』 吉川弘文館)
「医者殺」「医者転」(『日本国語大辞典』 小学館)
田谷光一監修『医者もすすめる万能みそ汁』(ぶんか社 2019年)

このレシピの監修者

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よしもとこゆき

世界にもっと、「おいしい」魔法を広めるため、レシピ開発やスタイリング、飲食店プロデュースなど食に携わる仕事を中心に、デザインやイラスト、コラムの執筆など幅広く活動中。http://table411.net/

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