生きたまま腸に届く! は本当に必要なの? 腸と菌の複雑な関係

2017.03.22

生きたまま腸に届くってどういうこと?

最近ヨーグルトやサプリメントのキャッチフレーズで「生きたまま腸に届く」という言葉を目にしたことはないでしょうか。
これに惹かれて、乳酸菌入りの製品を購入したことがある方も多いはず。でも実は、菌によって、生きたまま腸に届くことが難しいものや、生きたまま届かなくても、腸によい効果を発揮する菌もあります。そもそもなぜ「生きたまま腸に届く」ことが大切なのでしょう。

「生きたまま腸に届く」が可能なプロバイオティクス!

生きたまま腸に届くというフレーズとともに紹介されているのが『プロバイオティクス』です。プロバイオティクスとは、腸内フローラのバランスを調整して、人体に有益な働きをしてくれる『微生物』のこと。ビフィズス菌や乳酸菌も、プロバイオティクスの一種に含まれますが、すべてのビフィズス菌や乳酸菌が、プロバイオティクスというわけではありません。プロバイオティクスと呼ばれるためには、いくつかの条件があるのです。
たとえば、胃酸や胆汁酸などで消化されずに生きたまま腸に届くことや、もともと腸内フローラに存在する微生物のひとつであること。そして腸内で増殖できるものであることなどです。
また腸内フローラを改善してくれることや、食品として安全であることなども求められます。これらの条件をクリアした微生物だけが、プロバイオティクスと呼ばれています。

生きて腸まで届くとどんな効果があるの?

プロバイオティクスを使って発酵させた菌たちが生きたまま腸内に到達すると、その菌の性質に合わせて、さまざまな働きをしてくれます。

乳酸菌は名前の通り、乳酸をつくりだして腸内環境を酸性にかたむけ、有害菌が増えるのを抑制。腸の免疫機能を高める手助けにもなります。

ビフィズス菌は整腸作用があるだけでなく、菌株によっては乳酸菌と同じように免疫機能を高めてくれることも。またアレルギーに対する効果を発揮したり、余分なコレステロールを排出させてくれたりするため、血中コレステロール値を減少させてくれる効果もあります。

死んでしまった菌は効果がない?

生きて腸まで届くと良いことが沢山あることはわかりましたが、では腸にたどり着く前に死んでしまった菌たちは、腸に良い効果をもたらさないのでしょうか。もちろんそんなことはありません。
死んでしまった菌や殺菌済みの菌などにも、整腸作用や免疫力調整機能があり、有用菌のエサとなって腸内環境を整える手助けをしてくれる場合があるのです。

知識をもって、乳酸菌やビフィズス菌を摂取し続けよう

生きて腸まで届いても、死んでしまっていたとしても効果がある菌。大切なのはやみくもに摂取するのではなく、求めている効果に合わせて、正しい知識を知って菌を選ぶことです。
もちろんですが、1日2日摂取しただけでは腸内環境は変化しません。食品から摂ったプロバイオティクスは、一定期間腸に止まったあと、しばらくすると排出されてしまうため、継続的に摂取することも大切です。

ご自身がもともともっている常在菌との相性もありますので、摂取しながら自分の健康状態をまずは見守っていきましょう。

【参考】
ヘルスケア大学「善玉菌を活性化させるプレバイオティクスってなに?」
ヘルスケア大学「プロバイオティクスが人体に与える影響」
生物工学基礎講座 バイオよもやま話 浅田 雅宣「身近だけれど以外に知らない乳酸菌・ビフィズス菌の姿」
Woman excite「生きたまま届く乳酸菌」じゃなくていい!医師おすすめのヨーグルトの食べ方」

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