マニアックだけど、かんたん!自宅で続ける「腸トレ」メソッド

2020.01.30

「ことしこそは腸内環境を整えたい!」と、食事や睡眠、運動などの生活習慣を見直して、腸内環境を整える「腸活」を、年明けから実践している方も多いのではないかと思います。しかし「腸」そのものを“鍛える”「腸トレ」はいかがでしょうか?

でも、腸をぜん動させる筋肉は「不随意筋」。「筋トレ」できる筋肉とは違い自分で動かせないため、「腸トレ」には一工夫が必要です。運動経験がある人はおご存じだと思いますが、トレーニングを続けるモチベーションを保つのは「効いている」という実感が湧くこと。動かせない腸を“鍛える”トレーニングは、効果を実感しにくく三日坊主になりがち……。

そこで今回は、ついつい続けたくなる少しマニアックな、それでいて簡単にできて「腸トレ」方法をご紹介します。

腸トレその1:大腸を押し上げて“本来の位置”に!

マニアックだけど、かんたん!自宅で続ける「腸トレ」メソッド

「ねじれ腸」「落下腸」とは、独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターの医師・水上健氏が提唱した、大腸の一部が通常とは異なっている「腸管形態異常」を分かりやすく表現したもの。大腸がねじれたり曲がっている「ねじれ腸」や、大腸全体が骨盤の中に落ち込んでいる状態の「落下腸」の場合は、おなかのマッサージを習慣にすることで、状況が改善できるとされています。

同センターのWEBサイトでは、「ねじれ腸」および「落下腸」が疑われるポイントが紹介されています。

「ねじれ腸」を疑う問診として

1.子供の頃から便秘だった
2.腹痛を伴う便秘になったことがある
3.便秘の後、下痢や軟便が出たことがある
4.運動量が減った途端便秘になったことがある

2つ以上該当すると腸がねじれている可能性があると提示しました。

独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター「ねじれ腸について」より

(「落下腸」が疑われる状況)
・立ち上がるとへそから下が出っ張る ※「落下腸」
・運動やマッサージが効きにくい ※「落下腸」

独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター「落下腸:マッサージについて)」より

これらが当てはまる方には、マッサージで腸の働きを助ける習慣をつけるのがオススメ。水上氏の著書『慢性便秘症を治す本』では具体的なマッサージ方法も紹介されています。

大腸押し上げマッサージ

1:あお向けになる
2:足のつけ根に両手を当て、軽く押す
3:右側を押し上げる
4:左側を押し上げる

水上健『慢性便秘症を治す本』P162〜P163より抜粋

手順1~3がワンセット。恥骨からおなかの真ん中辺りをマッサージしたら、次におなかの左右をマッサージを1分間繰り返します。“下に落ちた”大腸を持ち上げて揺らし、正常な位置に戻すイメージを頭に描きながら行うといいでしょう。

腸トレその2:自律神経に働きかけるマッサージ

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2つ目の「腸トレ」は、腸自体を動かすものではなく、自律神経に影響を与えたと報告された足のマッサージを紹介します。腸をつかさどる腸管神経系は自律神経系に属し、「第2の脳」と呼ばれるほど、脳に匹敵する神経細胞が集まる器官です。

「看護ケアとしての足部マッサージ中および終了後における自律神経活動指標の評価」と題された論文によると、20歳前後の女子学生18名に20分間の足部マッサージをしたところ、心臓副交感神経活動が刺激され、心拍数が低下する(リラックスする)ことが確認されたといいます。

加えて、マッサージ終了後には心臓の自律神経活動や末梢血管の交感神経活動が活性化されたことが確認されたことから、足のマッサージにはリラックス効果の他に、自律神経活動を高めると考えられるのだそうです。

腸のぜん動を支配しているのはリラックスしているときに優位になる副交感神経。前述の論文では腸の交感神経に与える影響には言及されていませんが、マッサージでリラックスすることで腸もリラックスできるかもしれません。

マニアックだけど、かんたん!自宅で続ける「腸トレ」メソッド

足の裏・ひざから足首までを、親指の腹でなでさする「母指軽擦法」と、人差し指、中指、薬指、小指で同時になでさする「四指軽擦法」でマッサージを行います。

リズムは1/60の速さで左足からマッサージを始めます。足の裏は1秒に1回、足の指先から、かかとに向かってさすって戻ります。ふくらはぎや向こうずねは2秒に1回のリズムで往復します。足の裏からひざから足首までの間を親指の腹や4本の指でなでてさするだけで、自律神経を助けることができるマッサージです。

腸トレその3:腸のツボ「関元」をマッサージ

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3つ目の「腸トレ」は腸のツボ「関元」のマッサージ。

さまざまな内臓の機能を調整する働きがあり、胃炎や過敏性腸症候群などの胃腸疾患をはじめとして、月経痛や月経不順、冷え性など女性特有の病気などに高い効果を発揮するとされるツボが「関元(かんげん)」です。

「関」は、「要所・出入り口」のことをあらわし、「元」は「源・元気」の意味があります。東洋医学でいう「元気」とは、体内の生命エネルギーや生命力、活力にあたります。すなわち「関元」というツボは生命力の元である「気」や「血」の出入りの要所であり、源であることを示しています。

マニアックだけど、かんたん!自宅で続ける「腸トレ」メソッド

【場所】おへそから親指三本分下がったところ
【マッサージ方法】関元の位置を、両手をそろえ重ねた指先で、指圧します。下腹が軽くへこむくらいの力で押すと、腸の不調からくる下腹部の張りがやわらぎます。あお向けの状態で自分の手指で押せる位置にありますので、テレビを見ながら押したり、睡眠前にルーティーンとして指圧の時間を取ったりすると続けやすいでしょう。

過去記事では、胃腸を元気にするツボとして「中脘」「天枢」「三陰交」のツボ押しも紹介していますので、こちらも合わせてケアするのがオススメです。

マニアックではありますが、いずれのマッサージもポイントは簡単に覚えられるものばかり。習慣にできれば毎日、数分で腸トレをすることができます。これまで三日坊主で続かなかった方にも、オススメです! 腸トレとともに、運動や食生活の見直しを通じて、ことしこそは腸内環境を整えていきましょう!

【参考文献】
水上健『慢性便秘症を治す本』(法研)
井草理江、青木健、亀田真美、岩崎賢一、松田たみ子、真砂涼子「看護ケアとしての足部マッサージ中および終了後における自律神経活動指標の評価」(『日本看護研究学会雑誌』 Vol. 31 No. 5 2008年)
「筋肉の種類とその特徴」(健康長寿ネット)

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