腸内フローラを整えるためにはどちらを選ぶ?「発酵乳(はっ酵乳)」と「乳酸菌飲料」の違いを解説!

理想的な「腸内フローラ」を整えるためには、日常的に乳酸菌などの善玉菌を摂るのがいいとされています。そうした「腸活」をはじめるうえで、ヨーグルトなどの「発酵乳(はっ酵乳)」を摂るのと、どこでも飲みやすい「乳酸菌飲料」を摂るのと、どちらが効果的なのでしょうか? 一見、同じようにも見える「発酵乳」と「乳酸菌飲料」、それぞれの特徴と違いについて調べてみました。

発酵乳(はっ酵乳)とはなにか?

腸内フローラを整えるためにはどちらを選ぶ?「発酵乳(はっ酵乳)」と「乳酸菌飲料」の違いを解説!

一般的に「ヨーグルト」と呼ばれるものは、日本では「発酵乳(はっ酵乳)」が正式名称になります。つまり、ヨーグルトと発酵乳は同じもの。そもそも日本にはヨーグルトという名称が法律の規格にはなく、食品衛生法にもとづく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」で定められた「発酵乳」がヨーグルトに該当します。当時の厚生省が公布した「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」では発酵乳は以下のように定義されています。

乳またはこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌または酵母で発酵させ、糊状または液状にしたもの、またはこれらを凍結したもの

乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(厚生省令第 52 号)

原料の乳に乳酸菌などの微生物を加え、一定の温度に保ち発酵させるわけですから、まさしくヨーグルトの製造方法と同じになります。ちなみに、世界各国のヨーグルトを見てみると、牛乳以外にも、山羊、羊、馬、ラクダなどの乳を原料としたものも存在します。また、乳酸菌だけでなく「酵母」を利用した発酵乳もヨーグルトと呼ばれているそうです。

発酵乳にはどんな種類があるのか?

発酵乳の定義に「糊状または液状にしたもの、またはこれらを凍結したもの」とあるように、発酵乳は大きく3つの種類に分けることができます。どのような特徴があるか、改めて見てみましょう。

糊状の発酵乳
(ハードヨーグルト、ソフトヨーグルト)

腸内フローラを整えるためにはどちらを選ぶ?「発酵乳(はっ酵乳)」と「乳酸菌飲料」の違いを解説!

発酵乳に寒天やゼラチンを加えてプリン状にしたものは「ハードヨーグルト」と呼ばれています。甘味料や果実を加えることで、味、食感、香りが違うさまざまな商品が販売されています。「ハードヨーグルト」のように固くしたものではなく、滑らかな糊状にしたものは「ソフトヨーグルト」と呼ばれています。なにも加えていないプレーンタイプから、甘味料、果汁、果肉などを加えて食べやすくしたものがあります。

液状の発酵乳(ドリンクヨーグルト)

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ヨーグルトの組織を細かく砕いて液状にしたもので、一般的に「飲むヨーグルト」などの名称で親しまれています。飲みやすい液状だからとはいえ、水分などで薄めているわけではありません。栄養価も普通のヨーグルトと同じで、乳酸菌の量もそこまで違いはありません。

凍結した発酵乳(フローズンヨーグルト)

腸内フローラを整えるためにはどちらを選ぶ?「発酵乳(はっ酵乳)」と「乳酸菌飲料」の違いを解説!

ヨーグルトをかき混ぜながらアイスクリームのように凍結させたものです。乳酸菌は凍っても“冬眠状態”になるだけで、死滅するわけではありません。アイスクリームにしても整腸作用の効果はそのまま。市販のヨーグルトを冷凍庫で冷やすだけなので、自宅でも簡単に作ることができます。

乳酸菌飲料とはなにが違う?

腸内フローラを整えるためにはどちらを選ぶ?「発酵乳(はっ酵乳)」と「乳酸菌飲料」の違いを解説!

スーパーやコンビニなどでよく見かける「乳酸菌飲料」と呼ばれるものには、実は「乳製品乳酸菌飲料」と「乳酸菌飲料」の2種類があります。「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」によって成分規格が定められており、無脂乳固形分が3%以上のものを「乳製品乳酸菌飲料」とし、無脂乳固形分が3%以下のものが「乳酸菌飲料」に分類されます。ちなみに発酵乳でもあるヨーグルトは、無脂乳固形分が8%以上と定められています。

もう1つ、発酵乳と乳酸菌飲料の規格で異なるのは「乳酸菌数又は酵母数」です。ヨーグルトと乳製品乳酸菌飲料が「1ml当たり1000万以上」(生菌タイプの場合)であるのに対し、乳酸菌飲料は「1ml当たりに100万以上」となっています。

この数字は、あくまでも規格を満たすための最低基準ですから、乳酸菌が数億以上入っている乳酸菌飲料もあります。

乳酸菌飲料の「生菌」と「殺菌」の違いとは?

腸内フローラを整えるためにはどちらを選ぶ?「発酵乳(はっ酵乳)」と「乳酸菌飲料」の違いを解説!

乳製品乳酸菌飲料のなかには、生きた乳酸菌が含まれている「生菌タイプ」と「加熱殺菌タイプ」があります。「乳酸菌は生きたまま腸内に摂り入れないと意味がない」と思っている人も多いかもしれませんが、実は加熱殺菌しても十分に整腸効果が期待できることがわかっています。

生きたままの乳酸菌は「生菌」、死んでしまった乳酸菌は「死菌」と呼ばれます。生菌の一部は生きたまま腸に届き、腸内環境を整える働きをします。死んだ乳酸菌も腸内環境を整え、善玉菌の餌となって腸内環境をよくする働きがあります。現代では乳酸菌が「生菌タイプ/殺菌タイプ」というのはあまり関係なく、それぞれに効果を発揮してくれることがわかっています。でも、なぜ生きている乳酸菌をわざわざ加熱殺菌するのでしょうか?

実は加熱殺菌することで、菌の数や種類が一定になり、製品加工が簡単になるからです。同じ工場で作っている他の製品に影響を与えるリスクも減少します。生菌の場合はチルド配送になりますが、殺菌することで常温で流通できるというメリットもあるのです。

発酵乳も乳酸菌飲料も、毎日継続的に摂ることで整腸作用が期待できるというもの。味も食感もたくさんの種類が販売されていますので、それぞれの生活習慣にあったものを選んでみてはいかがでしょうか。

【参考文献】
はっ酵乳と乳酸菌飲料」(全国発酵乳乳酸菌飲料協会/発酵乳乳酸菌飲料公正取引協議会「健康を守る発酵乳、乳酸菌飲料」)
発酵乳とは」(一般社団法人日本乳業協会「乳と乳製品の知識」)

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