何日続くと便秘? 便秘治療のスペシャリストに聞いた赤ちゃんの便秘の基準と対策

2019.11.15

子どもの便秘が続いたときに、便秘にいいと思ってバナナを少し多めにあげたり、おなかを「のの字」にマッサージしたり、綿棒で肛門を刺激したり…と、いろいろな方法を試してみても「出ないときは出ない!」という経験はないでしょうか?

「うーん」といきんで大変そう、なのにうんちがなかなか出ない…。赤ちゃんの排便について悩むママはあなただけではありません。

多くのママが悩みを抱える赤ちゃんの便秘。「何日出ないと便秘?」といった基準について、また適切な対策について子どもの便秘治療の“スペシャリスト“・さいたま市立病院小児外科の中野美和子先生のお話を元に紹介します。

うんちが出ても便秘!?
赤ちゃんの「便秘の基準」とは ?

何日続くと便秘? 便秘治療のスペシャリストに聞いた赤ちゃんの便秘の基準と対策

「うんちが出なければ、すなわち便秘」と思いがちですが、中野先生による便秘の基準は「快便ではない状態」。つまり、うんちをしたのにまだ体の中にたまっている感じがあったり、スッキリと出ていなければ「便秘」状態なのです。1歳以上であれば、正常なうんちの回数は週3回以上とされているため、1日おきくらいに出ていれば「正常」といえるそうです。

4歳未満の便秘の国際的な診断基準

便秘を診断する基準としては、国際的な便秘診断基準「ローマ基準(ROMEⅢ)」があります。これによれば、4歳未満の機能性便秘の診断基準は以下の6項目のうち2項目以上が1ヵ月間以上続いている(乳児の場合は、1または4に加えて、いずれか1項目)と「便秘」であると診断されます。

1.排便が週2回以下
2.少なくとも週1回以上の便失禁
3.過度の便の貯留の既往
4.痛みを伴う、あるいは硬い便通の既往
5.「直腸の大きな便の既往(大量に排便したり、トイレが詰まる)
6.トイレが詰まるぐらい大きな便の既往

『小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン』(日本小児栄養消化器肝臓学会、日本小児消化管機能研究会 編集)より

大人の便秘と赤ちゃんの便秘は、たまる場所が違う

離乳食が始まる5ヵ月〜6ヵ月ごろは、赤ちゃんの便秘に悩むママが増える時期。離乳食への移行が始まった赤ちゃんの便秘の多くは、肛門のすぐそばの「直腸」にうんちがたまります。一方、大人の場合は直腸は空っぽで、その手前にある「S字結腸」にたまるタイプの便秘が多いと、中野先生はいいます。

直腸に常にうんちがたまっていると、直腸が広がって伸びてしまって動きが鈍くなり、ますますうんちが出にくくなる悪循環に陥ってしまいます。この、赤ちゃんの便秘への対策はどのようなものなのでしょうか?

赤ちゃんの便秘対策 その1
「継続的な刺激」

何日続くと便秘? 便秘治療のスペシャリストに聞いた赤ちゃんの便秘の基準と対策

中野先生によると、便秘で苦しむ赤ちゃんには、綿棒などを肛門から入れてうんちのたまった直腸を直接刺激してあげることが効果的です。

便秘でおなかが張ったり、夜泣きをしたりするようなときは、毎日うんちができるように刺激することが大切。うんちは本来、毎日出るものなので、繰り返して刺激して出るようになると、自然と毎日出るようになるのだといいます。

また、おなかのマッサージはスキンシップとして排便に効果的。やり方は、グイグイと押したりもんだりせず、手をやさしく当てて下腹部を温める程度で十分です。

赤ちゃんの便秘対策 その2
「“便秘に効く食べもの”より食べる量を多く」

何日続くと便秘? 便秘治療のスペシャリストに聞いた赤ちゃんの便秘の基準と対策

もうひとつ、中野先生が教えてくれた対策は、「食べる量をしっかり多くすること」。便秘には便秘に効く食べものを、と考えてしまいがちですが、赤ちゃんの場合には「量」が大切だと中野先生はいいます。

例えば、ヨーグルトやバナナは腸内環境を整えるといわれていますが、「赤ちゃんの便秘に効果のある食べもの」と証明されたものではないのです。たまたま体質に合ったりした場合には、うんちが出ることもありますが、「ヨーグルトやバナナが赤ちゃんの便秘にいい、というのは誤解」と中野先生はいいます。

そして、子どもの場合、まだ消化の力が弱いため、消化しにくい食物繊維をとることよりも、食事の「量」を多くするのが大切。中野先生によれば、小食の子どもは便秘になりやすいのだとか。

また便秘対策として水分を特別に多くとる必要はありません。母乳やミルクを飲んでいれば、水分不足になることはほぼなく、脱水状態にならない程度に飲んでいればよいそうです。

大人の対策とは違う、赤ちゃんの便秘対策

一般的な大人の便秘対策では、便の量を増すために「食物繊維を多く含む食品を積極的に食べる」ことや、便の水分を増やすために「水分を多くとる」ことなどがあげられますが、必ずしも同じ方法が赤ちゃんの便秘対策にはならないと、中野先生のお話から分かります。

綿棒による刺激を続けたり、食べる量を増やしたりしても、便秘が改善しない場合は、病院で受診して医師へ相談しましょう。赤ちゃんの便秘が慢性化しないよう気をつけて、便秘ではない「快便」の状態を保てるよう心がけましょう。

【参考文献】
「便秘と食事」(e-ヘルスネット)

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