20代をピークにして、体の代謝や筋肉量は衰えていきます。そこで20代・30代・40代・50代の世代別に、体の変化にあわせて知っておくべきこと、その時期にやっておくべきトレーニングなどをパーソナルトレーナーの森俊憲さんに教えていただきました。今回は「50代・前編」をお届けします。
50代はどういう年代なのか?

50代は「筋量の維持」「関節の可動域確保」がトレーニングの主な目的になってきます。もちろん目的は人それぞれですから、30代と同じような筋トレを継続される方もいらっしゃいます。ただ、若い頃よりもケガの可能性は高くなりますし、体の回復にも時間がかかります。まずは無理をしないことを心がけてください。
さらに、年齢を重ねると「肩こりが辛い」「腰や膝が痛い」などの症状が出てきます。いつまでも自分は若いと思っている人でさえ、「肩が上がらない」といった年齢に応じた変化は当然あります。50代はそうした変化を無視するのではなく、体をケアしながらトレーニングを続けるようにしましょう。(トレーナー・森俊憲さん)
年齢よりも体の変化に目を向ける

50代になろうが60代になろうが、「年だからしょうがない」と諦める必要はありません。年齢というのはただの数字でしかありませんし、人によって個人差もあります。年齢のことを考えるのではなく、いまの体に最適なトレーニングを続けていきましょう。
筋トレを続けると新陳代謝は上がり、お肌の調子は良くなります。私のまわりを見ていると、フィットネス業界にいる人は実年齢よりも若く見えます。時々、自分よりも年下だと思ってフランクに話していたら、実はものすごく年上だった、ということもけっこうありますね(笑)。(トレーナー・森俊憲さん)
いきいきとした50代を目指そう

朝に筋トレをすると、代謝が上がって1日のカロリー消費が高くなります。筋トレは筋肉をつくるためだけではなく、全身の代謝を上げてくれます。健康的なメンタルを保つため、脳を活性化させるためにも、筋トレはどの年代の人にもおすすめです。
年齢に関係なく、健康的でいきいきとした人には、みんなも無条件で魅力を感じるはず。50代でおなかが引き締まっていて、お尻も上っている人がいたら、やっぱり部下からの印象も良くなると思いますよ。(トレーナー・森俊憲さん)
大殿筋を刺激する
「ヒップリフトシングル」
効率的に代謝を上げるなら、優先的に「大きな筋肉」を動かすのがおすすめ。特にお尻の筋肉「大殿筋」は、人体の中でもっとも容量の大きな筋肉。今回ご紹介する「ヒップリフトシングル」で、全身の基礎代謝を上げながら、美しいヒップラインをつくりましょう。

あお向けになり、かかとが膝の下に来るように両膝を立てます。

おなかから引き上げるようにお尻を持ち上げます。

そのまま片脚をまっすぐ伸ばし、一呼吸静止してからゆっくりと上げた足とお尻を床に戻します。左右交互に連続10回くり返してください。それを1セットとして、1日2セットを目安にしましょう。
動作ポイントは、体が一直線になる高さまで腰を引き上げること。腰が反らないように注意してください。慣れないうちは動作がつらく感じるかもしれませんが、筋力が伴ってくると自然とフォームも良くなってきます。できるだけ大きく、かつ動作にメリハリをつけながら行ってみてください。(トレーナー・森俊憲さん)