衣類の“生乾き臭”の原因、モラクセラ菌対策は「温度」にアリ!

2019.11.15


天候が悪い日が続き、衣類を部屋干しするとなると気になるのが生乾きのニオイ。あの納豆のような、なんとも言えない“嫌われ者”のニオイは生活に密着した悩みとなっています。しかし近年、生乾きのニオイの原因が特定され、またその対策も簡単にできることが分かってきました。

今回は生乾きのニオイの原因と、その対策方法についてお伝えします。

“生乾き臭”の原因は「モラクセラ菌」

衣類の“生乾き臭”の原因、モラクセラ菌対策は「温度」にアリ!

“生乾き臭”と呼ばれる洗濯物の悪臭の元は、脂肪酸の一種である「4-メチル-3-ヘキサン酸(4M3H)」という物質であることは以前より分かっていたのですが、2011年に発表された研究により、その生成に「モラクセラ菌」が関わっていると解明され、話題となりました。

このモラクセラ菌は人や動物の口や鼻の粘膜にいる常在菌であり、菌自体は無臭です。しかし、この菌が洗濯物に付着し増殖したあとに、水分や皮脂などを栄養分としてフンのようなものを出します。このフンの発する臭いが、生乾き臭と呼ばれるものです。

この研究により、家庭から回収した中古タオルのほとんどにモラクセラ菌が付着していることや、家庭内のさまざまな場所にモラクセラ菌が付着していることが分かりました。そのため、生乾きのニオイを防ぐためにはモラクセラ菌の特徴や弱点を理解し、洗濯の際には衣類の汚れを落とすだけでなく、効果的にモラクセラ菌対策をする必要があります。

モラクセラ菌の特徴と「弱点」

衣類の“生乾き臭”の原因、モラクセラ菌対策は「温度」にアリ!

それでは、モラクセラ菌の特徴と弱点とはいったいどのようなものなのでしょうか?

特徴その1:乾燥させても残ってしまう

モラクセラ菌は衣類の中で増えてしまった場合、干してもその一部が残ってしまいます。部屋干しの場合は乾くまでに時間がかかるので、その間に増殖し、ニオイの原因となります。乾燥や紫外線にも強いので、天日干しや家庭用の衣類乾燥機では対策ができません。

特徴その2:ぬれるとニオイが発生する

また、汗をかいたりぬれたりして水分と皮脂の量が増えると、その水分とともに揮散してニオイが発生します。 生乾き臭が付着してしまった衣類は、再びぬらさないように気をつける必要があります。

特徴その3:60℃以上では繁殖しない

モラクセラ菌は60℃以上の温度で繁殖しなくなるという「弱点」があります。そこで、生乾き臭対策としては以下の方法が有効です。

誰でもできる!
生乾き臭を防ぎ、抑える対策法とは?

衣類の“生乾き臭”の原因、モラクセラ菌対策は「温度」にアリ!

対策その1:アイロンや布団乾燥機、業務用乾燥機で高温乾燥

まずは、「60℃以上の温度で繁殖しなくなる」というモラクセラ菌の弱点を利用した対策です。ニオイが出そうな湿った状態の洗濯物にアイロンをしっかりとかけ、高温でほぼ乾いた状態にすることで生乾き臭を抑えられます。同様に、布団乾燥機の熱風の温度は最高で約70℃になります。衣類も乾燥できるタイプなら、それを使うのも有効です。

また、家庭用衣類乾燥機は60℃以下の温度で乾燥させていますが、コインランドリーの多くは80℃〜120℃の高温で乾燥させています。そのため、家庭用ではなく、業務用のコインランドリーの乾燥機を利用して乾燥させるのであれば、生乾き臭対策になるのです。

対策その2:40℃以上のお湯と酸素系漂白剤を使う

アイロンを用意したり、コインランドリーに行ったりするのは大変という方には、酸素系漂白剤を利用した生乾き臭対策があります。

40℃ほどのお湯に酸素系漂白剤を混ぜて洗濯機を漬け込んだあと通常の洗濯を行うか、洗濯機で洗濯をする際に酸素系漂白剤を投入し、規定量の40℃のお湯を使用する方法で臭い対策が可能です。これは各メーカーの酸素系漂白剤の使い方にも記載があり、冷たい水よりも40℃程度のお湯のほうが漂白の効果が早く出るのです。

ただし、酸素系漂白剤を使用する際にはいくつか注意事項があります。漂白剤の量を多くしても効果は変わりません。汚れやニオイがひどい場合は、数回に分けて漂白します。また、お湯の温度が高すぎるのもNG。40℃より極端に熱いお湯に投入すると衣類の生地が傷んでしまのです。洗濯表示に「40」と記載されているものは40℃以下、「30」とあるものは30℃以下で洗うものですので、注意しましょう。

色落ちの心配がない白い衣類やタオルであれば、塩素系漂白剤を使うという方法もあります。ただし、酸素系漂白剤と塩素系漂白剤を混ぜると、毒性の強い塩素ガスが発生し大変危険ですので、絶対に行わないでください。

生乾き臭はやっかいなものですが、対策方法はシンプルなものです。対策方法を知って、雨の日でも快適に洗濯をし、さわやかに過ごしましょう。

【参考文献】
「モラクセラ菌」(『imidas』/集英社)

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