“便座より汚い”ともいわれる、スマホ画面の除菌対策には“3度拭き”が効果的!

2019.11.06


「スマホはトイレの便座より汚い」。こんな衝撃的な話をネットで見たことはないでしょうか? スマホを日々手放さず、あらゆるところで使っている人にとっては「そういわれてみれば、確かに思い当たる節が…」と感じられる、このひと言。

折しもキャッシュレス決済が一段と普及し、これからますます手放せない存在になりつつあるスマホがトイレの便座よりも汚いなんて、本当なのでしょうか? そのことを確かめるとともに、効果的なスマホ画面の除菌対策を紹介します!

調査によると…、スマホの画面から多くの細菌が検出!?

“便座より汚い”とも言われる、スマホ画面の除菌対策には“3度拭き”が効果的!

トイレで用を足すときの“お供“の定番といえば本。自宅のトイレにあらかじめ雑誌を置いておく人も少なくないのでは? それと同じ感覚で、スマホを持ってトイレに行く人は、それよりも多いことでしょう。「スマホはトイレの便座より…」と聞いたら、それまで何気なく使っていたスマホを、思わず拭いてキレイにしてしまいそうです。

「酪農学園大学動物薬教育研究センター」のサイトに掲載された記事によると、スマホの画面の衛生状態について、サウジアラビアの大学で行われた次のような調査結果があるそうです。

サウジアラビアのキング・アブドゥルアズィーズ大学で2015年に行われた研究によると、105人中101名(96.2%)の医学生のスマホから多くの細菌が検出されたことが報告されています。具体的には、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌が68.9%から検出され、バチルス属細菌が20.0%、黄色ブドウ球菌が16.2%、パントエア属細菌が0.95%、連鎖球菌が0.95%の頻度で検出されました。この内、黄色ブドウ球菌は細菌性食中毒の原因であり、バチルス属菌の中にも食中毒起因菌が含まれています。今回の論文によると、トイレの中でスマホを使用する学生が59%おり、スマホの清拭に消毒薬を使用しないと答えた学生が68%にも達しています。

酪農学園大学動物薬教育研究センター 「スマートフォンは細菌で汚染されている!

また、日本で2015年に発表された論文「タッチパネルを有する機器の細菌汚染状況と清掃状況および汚染意識」で、同じような調査結果が公表されています。

それによれば、40台のスマホのうち、23台(57.5%)から一般細菌が検出。また、10 cm²あたりの一般細菌の集落数(コロニー数)、つまり汚染度の違いは、「1–9 個 (わずかに汚染)」が19台、「10個-29個(軽度に汚染)」が3台、「30個以上(中等度に汚染)」1台となっています。また、大腸菌は19台のうち1台から、黄色ブドウ球菌は21台のうち3台から検出されています。

すべてのスマホの画面に存在する、というわけではありませんが、少なからず何らかの細菌があることは確かなようです。

別調査での、便座の細菌数は…意外な結果

“便座より汚い”とも言われる、スマホ画面の除菌対策には“3度拭き”が効果的!

「トイレの便座よりも汚い」というからには、トイレの便座の細菌数も比較してみましょう。2012年にTOTOが公立学校のトイレで行った調査によると、1cm²あたりの洋式便座の細菌集落数は13。10cm²あたりでは130になります。同じ調査によれば、この数値はトイレの水を流すレバーと同じ。ちなみに調査対象となった箇所でもっとも細菌数が少なかったは、トイレの水を流すリモコンのボタンで、1cm²あたり5(10cm²あたりでは50)でした。

この数字だけで比較すると「スマホは便座よりも汚い」とはいえません。しかし、TOTOの調査で細菌数が多かった箇所は「蛇口のハンドル」。常に濡れているところには細菌が多量に生息しやすく、1cm²あたりの細菌集落数はなんと25000! つまり、トイレの水道で手を洗ったあとに、濡れている蛇口を触ってしまうことで多量の細菌が手に付いてしまい、それがスマホの画面に…という可能性も大いにあり得るのです。

もしもそのスマホに触れた手で食事をしたり、手を口に入れていたら……。トイレにはスマホを持ち込まないほうが賢明だといえますし、食事前などには手と一緒にスマホも拭いてキレイにする習慣をつけたほうがよさそうです。

スマホ画面の衛生対策には“3度拭き”が効果的!

“便座より汚い”とも言われる、スマホ画面の除菌対策には“3度拭き”が効果的!

それでは、スマホの衛生を保つためには、どのような対策を講じればいいのでしょうか? ヒントとなるのが、埼玉県消費生活支援センターが2018年に公表した「除菌ウエットティッシュの効果」に関するテストの結果。

テストの内容は、テーブルの上に細菌を付着させたのち、「除菌ウエットティッシュ(アルコールタイプ)」「除菌ウエットティッシュ(ノンアルコールタイプ)」「除菌表示のないウエットティッシュ」「水道水を含ませたティッシュペーパー」の4種類を用いて、1度〜3度拭き取りしたあと(1度の拭き取りで縦方向・横方向の合計2回拭き取り)、1度も拭かない場合と比べてどの程度細菌が減るかを調査したものです。

その結果判明したのは、「除菌効果を謳ったウエットティッシュでも1度の拭き取りでは除菌できない」「3度拭き取りを行うと、水道水を含ませたティッシュペーパーでも、除菌効果がある」ということ。つまり、アルコールなどによる殺菌効果以上に、繰り返し拭き取る“物理的な除去”のほうが、細菌を除去する効果があるのです。

また、TOTOの調査でも分かるように、濡れた場所では細菌が繁殖しやすくなります。防水機能を搭載したスマホを、お風呂場などで使ったあとはしっかり拭いて除去したあと、濡れたままにせず乾燥するように心がけるといいでしょう。

風邪の流行するシーズンが到来するこれからの季節を健康に乗り切るために、うがい・手洗いと合わせて、スマホをしっかり拭き取り乾燥させる“スマホ除菌習慣”を始めてみてはいかがでしょうか?

【参考文献】
スマートフォンは細菌で汚染されている!」(酪農学園大学動物薬教育研究センター)
学校トイレに求められていること:衛生性を科学する」(TOTO)
除菌ウエットティッシュの効果をテスト」(埼玉県消費生活支援センター)

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