20代をピークにして、体の代謝や筋肉量は衰えていきます。そこで20代・30代・40代・50代の世代別に、体の変化にあわせて知っておくべきこと、その時期にやっておくべきトレーニングなどをパーソナルトレーナーの森俊憲さんに教えていただきました。今回は「30代・後編」をお届けします。
大事なのは、体重よりも「体脂肪率」

体形が気になるからといって、毎日体重をはかるのは効果的ではありません。なぜなら、体重だけを気にしていても、理想的な体形にはならないからです。体重計の数字よりも「ベルトが締まらなくなってきた」「あごのラインが丸くなってきた」という実感をもっと大事にしてください。
体重がどうしても気になる人は、一緒に「体脂肪率」をはかるようにしましょう。数値を管理するときは「体脂肪率が何%か」ということに気を取られずに、前回からの推移を見てください。体重が同じで体脂肪率が減っていれば、それは筋肉比率が上っている証拠でもあるのです。
大量のアルコールは「肥満」のもと

お酒が好きという人は、できるだけ飲み過ぎないようにしてください。お酒自体のカロリーが高いという理由もありますが、お酒をたくさん飲むと食欲が刺激されるので、単純に食べ過ぎの原因になってしまいます。
さらに、アルコールを大量摂取すると低血糖になりやすく、体が無意識で糖質を欲しがります。だからこそお酒の後に、ラーメンやスイーツなどが食べたくなってしまうのです。もちろん余分なカロリーはそのまま脂肪として体に蓄積されます。肥満を避けたいなら、まずは飲み過ぎに注意しましょう。
体幹強化で「動ける体」をつくろう

若い頃に比べて「疲れやすくなった」「キレが悪くなってきた」と感じるかもしれませんが、それでも30代はまだまだ体を十分に動かせる世代。フットサル、野球、ゴルフ、サーフィンなど、趣味のスポーツを通して楽しく体を動かす習慣をつくってみるのもおすすめです。
あらゆるスポーツにおいて重要な筋力といえば、体幹です。高パフォーマンスを引き出すためには、まずは体幹をしっかり鍛えること。体幹を強化することで疲れにくい体にもなりますし、ぽっこりおなかの予防にもなってくれますよ。
体幹をガツンと強化する「レッグアップリフト」
腹筋の力を使って、下半身を持ち上げる種目をご紹介します。腹筋全体のパワーが必要で、フォームのバランスを保つために、二の腕の裏や体幹の深層筋も鍛えることができます。一見簡単そうに見えますが、想像以上におなかに効くトレーニングですよ。

手のひらを下に向けて床に置き、ひざを立ててあおむけになります。

足の裏を天井に向け、太ももを引き寄せ合うように意識し、中心に力を集めます。

おなかから引っ張りあげるようなイメージでお尻を床から持ち上げ、ゆっくりとお尻を床に戻します。10回1セット、1日2セットを目安にしてください。ポイントは手のひらや腕で床を押しすぎないこと。二の腕の力を使いすぎると、腹筋への効果が減少してしまいます。腕はあくまでバランスを保つためのサポート役という意識で行ってみてください。