世界の発酵食品レシピvol.11:腐乳風味の台湾風からあげ

2019.04.15

「腐乳」という調味料をご存じでしょうか。豆腐を発酵させて作られた食材で、台湾や中国の食卓には欠かせない存在。麹と乳酸菌の力で、素材のうま味を最大限に引き出してくれます。日本人にも親しみのある味わいで、普段の料理にも取り入れやすいのが魅力。今回は腐乳を使った台湾風の鶏のからあげをご紹介します。

「腐」という字に尻込みするなかれ!腐乳は美味で便利な万能調味料

美食の国・台湾を旅したことがある人なら、屋台やレストランのテーブルで、チーズのようなものが入った謎の小瓶を見かけたことがあるかもしれません。

その小瓶の正体は、「腐乳(ふにゅう・フウルウ)」という名の発酵食品。南乳、豆腐乳という呼び方もあり、麹に漬けた豆腐を発酵させて作られます。

「腐」という字が入っているとつい尻込みそうになりますが、実はとっても美味なる食材。台湾や中国の人にとっては欠かせない食卓の友で、そのままおつまみやごはんのおかずに、ペースト状にして鍋のタレに……など、日本の味噌のような感覚で親しまれています。

味はメーカーによって違いがありますが、大豆のコクと、発酵による複雑なうま味、しっかりとしながらも角の取れた塩味が備わっています。

日本ではまだあまり知られていない腐乳ですが、味噌やしょうゆと同じく大豆を発酵させた食品なので、日本人にとってもなじみのある味わい。どんな料理にも取り入れやすいので、ぜひ試していただきたい食材です。

腐乳風味の台湾風からあげの作り方

■材料(2人分)

  • 鶏もも肉…大1枚(250g)
  • 腐乳…2かけ(20g)
  • しょうゆ…大さじ1
  • 酒…大さじ1
  • にんにく(すりおろす)…1片
  • 片栗粉…大さじ2
  • 揚げ油…適量
  • キャベツの千切り…適量

■作り方

①鶏もも肉は大き目の一口大に切ってボウルに入れる。腐乳、しょうゆ、酒、にんにくを加え、汁気がなくなるまでもみこむ。ラップをかけ、1時間~1晩冷蔵庫で漬ける。

【ポイント】
腐乳に含まれる乳酸菌のはたらきで、
肉がやわらかくジューシーになります。

②片栗粉をまぶし、中温(170℃くらい)に熱した揚げ油に皮を下にして入れる。

【ポイント】
油に入れる際に形を丸く整えて皮を下にして入れると、
形よく皮がカリッと仕上がります。

③衣がこんがりと色づいてきたら、菜箸で裏返す。全体がきつね色になり、菜箸で触って衣がカリカリと固い触感になってきたら油から上げる。網やキッチンペーパーに置いて油を切り、キャベツの千切りを添えてできあがり。

鶏のうま味がジュワ~ッ!
いつものからあげが
ワンランク上のおいしさに

揚げたてのからあげを頬張ってみると……カリッとした衣と、ジュワ~ッとほとばしる肉汁がたまらないおいしさ! やけどしそうなくらいジューシーな仕上がりの秘訣は、腐乳にあります。

豆腐を麹に漬けて発酵させて作られた腐乳には、 乳酸菌と酵素が豊富に含まれています。それらの成分には、肉の筋繊維を壊すはたらきが。そのため肉質がやわらかく、繊維質の隙間に肉汁が入ることでジューシーになるのです。

また、腐乳のもつ大豆のコクや奥深い塩味が鶏のうま味を引き出し、いつものからあげをワンランク上のおいしさに仕上げてくれます。下味に加えるだけの手軽さなのだから、台所に腐乳を常備しておきたくなりますね。

「腐」という字は入っていますが、臭みや酸味は一切感じず、おだやかな風味で使いやすい腐乳。横浜や池袋、川口など各地の中華街の食品店や輸入食材店、インターネット通販などで入手可能です。中華圏の人々にとって欠かせない食材である腐乳を、食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。

【参考文献】
包啓安「中国の乳腐」(公益財団法人 日本醸造協会『日本釀造協會雜誌』82巻3号 1987年)
安田正昭「豆腐ようと紅麹(1)」(公益財団法人 日本醸造協会『日本釀造協會雜誌』78巻11号 1983年)

このレシピの監修者

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よしもとこゆき

世界にもっと、「おいしい」魔法を広めるため、レシピ開発やスタイリング、飲食店プロデュースなど食に携わる仕事を中心に、デザインやイラスト、コラムの執筆など幅広く活動中。http://table411.net/

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