世界の発酵食品レシピvol.9:マッサ入りポルトガル風ブイヤベース

2019.03.27

赤パプリカと塩だけで作る発酵調味料、「マッサ」をご存じでしょうか。ポルトガルの国民的な調味料で、料理に格別のうまみとコクを与えてくれます。ポルトガル料理に限らず、さまざまな洋食、和食にもよく合う万能調味料「マッサ」。今回は材料をお鍋で煮るだけでできる簡単なごちそう、ポルトガル風のブイヤベースをご紹介します。

おいしさの秘密は、「発酵」にあり!
パプリカのうまみと栄養がギュッと詰まった万能調味料

ユーラシア大陸最果ての国、ポルトガル。近年はサッカーの強豪国として名をはせていますが、海と山の幸を楽しめる美食の国としても知られています。

そんなポルトガルで、日本の味噌や醤油のように愛されている発酵調味料があることをご存じでしょうか。その名も、「マッサ(Massa de Pimentão)」。ポルトガル語で「赤パプリカのペースト」を意味します。真っ赤な見た目ですが、唐辛子ではなくパプリカなので、辛くありません。

ポルトガルのスーパーではこのマッサが必ず売られているといえるほど、ポピュラーな存在です。調味料なのでそのままなめるとしょっぱいですが、赤パプリカの甘みとコク、酸味を感じます。この複雑な味わいが、料理に深みを与えてくれるのです。

マッサは赤パプリカを塩漬けにし、熟成したものをペースト状にして作ります。そのおいしさの秘密は「発酵」にあるといわれています。熟成の段階でじっくりと乳酸発酵させることで、うまみと栄養が増加。まさに日本の味噌や醤油のように、発酵によりおいしさを増した調味料というわけです。

日本でもカルディやAmazonなどで手に入ります。どんな料理にも合わせやすいので、見かけたらぜひゲットしてみてくださいね。

マッサ入りポルトガル風ブイヤベース

■材料(作りやすい分量・4~5人分)

  • 生たら…2切れ
  • えび(殻付き)…150g
  • あさり…100g
  • じゃがいも…2個
  • トマト…2個
  • 玉ねぎ…1個
  • にんにく…1片
  • オリーブオイル…大さじ3
  • 白ワイン…100ml
  • マッサ…大さじ3
  • 塩・こしょう…適量
  • パクチー…適量

■準備

①生たらは熱湯をかけてすすぎ、水気をきって食べやすい大きさに切る。

②えびは殻をむき、背わたをとって片栗粉と塩(分量外)、水と合わせてもみ洗いし、水気をきる。

③あさりは塩水につけて砂抜きし、こすり洗いして水気をきる。

【ポイント】
海鮮のだしがおいしさの決め手。余計なくさみがあると
それもスープに出てしまうので、丁寧に下処理するのがポイントです。

④じゃがいも、玉ねぎ、トマトは1.5cm角のざく切りにする。にんにくはみじん切りにする。じゃがいもは10分ほど水にさらし、水気をきる。

■作り方

①鍋にオリーブオイル、にんにくを入れ弱火で熱し、にんにくが色づいて香りがたってきたら玉ねぎを加え、中火で炒める。

②玉ねぎが透き通ってきたら火を止め、じゃがいも、トマト、たらの順に重ねる。白ワイン、水100ml、マッサを加え、フタをして弱めの中火で10分煮る。

【ポイント】
まずは野菜をじっくり煮てうまみを引き出しましょう。
固くなりやすいえび、あさりは後で加えます。

③えび、あさりを加え、フタをして弱火でさらに10分煮る。マッサはひとつひとつ塩分量が異なるので、味見をして塩・こしょうで味を調える。器に盛り、好みの量のパクチーをちぎってかける。

海鮮のうまみが染み込んだ野菜がおいしい!ポルトガル風ブイヤベース


海鮮のコクが溶け込んだスープのおいしいこと!

このような魚介のスープをポルトガルでは「カルディラーダ」と呼びます。ポルトガル風ブイヤベースともいえるこの料理、ポイントはじゃがいもや玉ねぎなどの野菜がたっぷり入ること。おいしいスープのしみ込んだ野菜こそが、この料理の主役なのです。

また、苦手でなければパクチーも散らしてみて。パクチーはポルトガルでよく使われるハーブです。爽やかな風味を添えてくれますよ。

そして何といったって、マッサの風味が味に奥行きを与えています。パプリカの甘みと、香ばしさ、複雑なうまみ。さらにうれしいのは、おいしさだけでなく栄養もプラスしてくれること!

パプリカといえば、各種ビタミンに優れた野菜として知られています。特に赤パプリカの赤い色のもとである「パプリカキサントフィル」という成分には、βカロテンをしのぐほどの高い抗酸化力が。老化や病気を招く活性酸素から体を守ってくれるといわれています。

料理をおいしくするだけでなく、健康にも役立つポルトガルの発酵調味料「マッサ」。これも、有名なサッカー選手を生み出す秘訣のひとつなのかも? ぜひいろいろな料理にマッサを取り入れてみてくださいね!

このレシピの監修者

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よしもとこゆき

世界にもっと、「おいしい」魔法を広めるため、レシピ開発やスタイリング、飲食店プロデュースなど食に携わる仕事を中心に、デザインやイラスト、コラムの執筆など幅広く活動中。http://table411.net/

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