考案されたのは江戸時代!?
〜体格指数「BMI」とは?

2019.02.20

ダイエットの目標は「理想の体重」になることですが、理想の体重になった体が「理想の体形」とは限りません。本人の考える理想の体重が最適な体重とは限らず、さらに身長が170cmの人と150cmの人とでは「健康的な理想の体重」は変わってくるためです。体格に合わせた「健康的な理想の体重」を簡単に確認できる方法、それがBMI(Body Mass Index)という指数です。身長と体重に基づいた以下の計算式から「体格指数」を算出できます。

「BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」

175cmで70kgの人であれば、70÷1.75÷1.75=22.86がBMIの数値になります。

肥満、食事量、メタボ診断など
広く活用されるBMI

この指数を考案したのは「近代統計学の父」と呼ばれる19世紀のベルギーの数学者・ケトレー。考案されたのは約200年前の1835年で、日本は天保6年、つまり「天保の改革」のころですから江戸時代の末期になります。この簡単な計算式で算出される指数は広く国際的に用いられ、肥満かどうかの判定にも使われていますが、その判断基準は国によって異なります。

世界保健機構(WHO)ではBMI30以上を「肥満」として、イギリスやアメリカではこれを肥満の基準としていますが、日本肥満学会が2011年に肥満判定基準ではBMI 25以上が「肥満」とされます。BMI25以上の「肥満」はさらに4段階に分類されBMI25以上30未満が「肥満(1度)」、30以上35未満が「肥満(2度)」、35以上40未満が「肥満(3度)」、40以上は「肥満(4度)」で、BMI35以上が「高度肥満」と定義されています。

BMIの数値は肥満を見極めるだけではありません。厚生労働省が定めた、1日に必要な食事量「日本人の食事摂取基準」でもBMIが利用されています。それまでは食事量の基準を「活動に必要なエネルギー」から決定していましたが、2015年からは「望ましいBMIの範囲を維持できる食事量」が基準になりました。

また、2008年から始まった、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の該当者や予備群を見つける「特定健診・特定保健指導」の基準としてもBMIは採用されています。

計算しやすく分かりやすいBMIの数値を見ることが、健康状態の簡易的なチェックにつながるため、幅広いジャンルで採用されているのです。

BMIの数値は、どの程度参考にするべき?

分かりやすい反面、BMIの数値が「普通」の範囲内であれば健康とは限らないことは、頭に入れておくべきです。日本肥満学会では、BMI22を「もっとも疾病の少ない」状態として、標準体重と規定しています。しかし、BMIの数値は「体重」と「身長」を元に計算しているということは…、脂肪率などの数値は反映されません。もしBMIが22でも体脂肪率が40%以上ということもあるのです。また、たとえ同じBMIだとしても、体のどこに脂肪がついているかによって健康への影響も変化します。

特に「内臓脂肪型肥満」は過剰な脂肪により生活習慣病を発症するリスクが高まるため、食生活の見直しだけでなく継続的な対策を採る必要があります。いわゆる「かくれ肥満」をBMI数値だけから見つけるのは、難しいといえるでしょう。前述の「特定健診・特定保健指導」の基準として採用されているものの、内臓脂肪の蓄積とBMIとは必ずしも相関しないことが分かっているため、BMIの数値はメタボリックシンドロームの診断基準にはなっていません。

体形の変化や、身長と体重のバランスを測る目安としてBMIは十分に有効といえますが、「BMIを一定にすることで健康だ」とはいえません。体脂肪率や筋肉量、水分量などさまざまな数値と合わせて観察したり、定期的な健康診断を利用して、自分の体の状態を総合的に知っておくように心がけましょう。

【参考文献】
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」
厚生労働省「肥満と健康」(e-ヘルスネット)
「ケトレ」(『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』ブリタニカ・ジャパン)
「BMI」(『日本大百科全書』小学館)

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