世界の発酵食品レシピvol.6:
ナタデココと安納芋のチェー

2019.01.31

ツルツル、シコシコした歯ごたえが特徴のナタデココ。フルーツとも、寒天とも違う独特の食感ですが……その正体は「ココナッツ」。ナタデココは、ココナッツの果汁に酢酸菌を加えて発酵させて作る発酵食品なのです。

その不思議なパワーで、最近では医療の分野でも注目されているというナタデココを、今回はベトナム風のデザートにアレンジします。

食材以外としても大活躍?
ナタデココの不思議な正体

食べておいしいナタデココですが、同じ素材が医療の現場でも活躍していることをご存じでしょうか。ナタデココの独特な食感は、発酵の際に酢酸菌が作り出したセルロースという食物繊維によるもの。セルロースは野菜や果物にも含まれていますが、それらの「植物セルロース」と比べると、ナタデココを形づくる「微生物セルロース(バクテリアセルロース)」には、繊維の幅が極めて細いという特徴があります。

その幅は、植物セルロースの100分の1~1000分の1。軽くてとても丈夫な微生物セルロースは、その構造を応用して人工血管や歯科材料、やけど治療のための貼付薬などの素材に活用されています。また、スピーカーの音響振動板やUVカット材、高強度透明材料、表示デバイスなど工業分野の素材としても使われているのです。

少し難しい話になってしまいましたが、ナタデココはもちろん食べるだけでも健康に効果大! 食物繊維の一種である微生物セルロースは、便秘の解消や血液中のコレステロールを減らす作用や、大腸がんの予防に効果を発揮すると期待されています。また、食べ応えがあって低カロリーなので、ダイエットにもぴったり。不思議な食べ物、ナタデココの力を借りて、おいしくヘルシーなデザートを作ってみませんか。

ナタデココと安納芋のチェー

■材料(2人分)

  • ナタデココ…100g(シロップは除く)
  • 安納芋…小1個
  • ゆであずき(缶詰)…大さじ2
  • ココナッツミルク…70ml
  • 牛乳…70ml
  • 砂糖…大さじ2分の1
  • ピーナツ(細かく砕く)…10粒程度

①安納芋はアルミホイルに包んで魚焼きグリルやオーブンで柔らかくなるまで加熱する。あら熱が取れたら皮をむき、スプーンでつぶしてマッシュ状にしておく。

【ポイント】
さつまいもは低温でじっくり焼くと甘味が増します。
焼き時間は大きさによって異なりますが、
グリルの弱火や160℃程度のオーブンでじっくり焼くのがオススメ。
時間がなければゆでたり蒸したりしてもOKです
(電子レンジはボソボソになってしまうのでNG)。

②鍋にココナッツミルク、牛乳、砂糖を入れ、中火にかけて沸騰したら火を止める。
※600Wの電子レンジで1分加熱でもOK。

③ナタデココを容器に入れ、②に注ぐ。①とゆであずきを載せ、砕いたピーナツをトッピングしてできあがり。

さまざまな食感が楽しい、やさしい甘さのベトナム風デザート

エキゾチックな香りただよう、ベトナム風ぜんざい・チェーの完成です。チェーには一般的にはタピオカが入ることが多いですが、ナタデココのコリッとした食感が絶妙にマッチしています。

ほっくりと甘い安納芋、ゆであずき、ココナッツミルクのやさしい甘さが一体となり、思わず顔がほころぶおいしさ。アクセントにふりかけたピーナツは、ベトナムの人にとって欠かせない存在で、料理やスイーツによく使われています。食感と塩気をプラスしてくれるので、忘れずにトッピングしてください。

さつまいもといえば、腸活の代表的な野菜。豊富な食物繊維で腸の働きを活発にするほか、ヤラピンという成分が便を柔らかくし、排出しやすくする効果が期待できます。さらに、βカロテンやビタミンCも豊富で、あずきに含まれるポリフェノールの抗酸化作用も相まって、老化や免疫力の低下が気になる方にもオススメです。

また、スーパーフードとして一時期ブームになったココナッツミルクは栄養満点。不足しがちなミネラルが多く含まれ、体によいとされている中鎖脂肪酸も豊富です。

健康的でおいしい食材をギュッと詰め込んだベトナム風のデザート。コリコリ、カリッと歯ごたえがあり腹持ちもいいので、ダイエット中でも安心して食べられます。異国情緒たっぷりの1品ですが、とても簡単に作れるのでぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

【参考文献】
#32 北海道発の新素材 微生物が作るナノ繊維素材「発酵ナノセルロース」の大量生産に成功!」(北海道大学「いいね!Hokudai」)
田島健次・小瀬亮太・櫻井博章「酢酸菌によるセルロース合成と発酵ナノセルロース(NFBC)の大量生産」(独立行政法人農畜産業振興機構)

このレシピの監修者

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よしもとこゆき

世界にもっと、「おいしい」魔法を広めるため、レシピ開発やスタイリング、飲食店プロデュースなど食に携わる仕事を中心に、デザインやイラスト、コラムの執筆など幅広く活動中。http://table411.net/

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