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便通異常の方におすすめ!水溶性食物繊維が豊富な意外な食材とは?

食習慣や食べ物の改善から便通異常を解消するのに、欠かせない成分が食物繊維です。名称から、細い糸のような形状の長い繊維を含む食品が思い浮かぶかもしれませんが、実は繊維っぽいものだけが食物繊維ではないんです。

食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」とがあり、含まれる食品や腸内での働きが異なります。2種類の食物繊維にはどのような違いがあるのでしょう。そして、水溶性食物繊維が腸内環境に与える影響とは? いますぐ食事に取り入れたくなる知識を紹介します。

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の違いは?

便通異常の方におすすめ!水溶性食物繊維が豊富な意外な食材とは?

不溶性食物繊維の不溶性というのは、水に溶けないという意味です。不溶性食物繊維として代表的な成分は、植物の細胞壁の主要な構成物となっている「セルロース」や、穀物や草類などの細胞壁を形づくる「ヘミセルロース」、エビやカニなどの甲殻類の殻やキノコ類に含まれる「キチン」「キトサン」があります。食物繊維と聞いて思い浮かぶのは不溶性食物繊維かもしれませんね。ゴボウやキャベツに多く含まれている不溶性食物繊維は、消化されずに腸へ届き、便のかさを増やしたり、腸内を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を引き起こしてくれるのが特徴です。

それに対して水溶性食物繊維は、水に溶けやすい性質があります。代表的な成分は、果物や野菜に含まれ主に植物の細胞同士を接着する糊の役目を担っている「ペクチン」や、こんにゃくの主成分である「グルコマンナン」、海藻のヌメヌメ成分の元となる「アルギン酸」などがあります。これらも胃などで消化されずに腸に到達し、腸内のゴミをからめとって、腸内を掃除し、便通をスムーズに整える役目を担っています。また、不溶性・水溶性のどちらの食物繊維も腸内細菌のうちの善玉菌のエサになり、悪玉菌の割合を抑制し腸内の環境を整えてくれる作用があるとされています。

便通異常に悩む方にとって食物繊維の摂取はとても大切ですが、特に水溶性食物繊維を意識して摂ることをおすすめします。

水溶性食物繊維と便通改善との関係性

便通異常の方におすすめ!水溶性食物繊維が豊富な意外な食材とは?

水溶性食物繊維が便通の異常の改善など、おなかの調子を整えるのはどうしてなのでしょうか。

水溶性食物繊維の性状は「ネバネバ」「ヌメヌメ」としています。昆布を水で戻したときに表面に生じる「ぬめり」が好例です。このネバネバしたぬめりは、消化されずに小腸・大腸へと到達します。消化管で消化された食べ物や栄養素はドロドロの液体となりスムーズに腸のなかを通過しますが、ネバネバした性質のあるぬめりは腸の内側に粘着して腸内をゆっくりと移動します。

腸では便が作られますが、消化されずに腸内をゆっくり進む水溶性食物繊維は便をやわらかくする働きを担います。そしてもう一つ、腸内の善玉菌のエサとなって腸内フローラにおける善玉菌の割合を増やし、腸の活動を整えるという役割も担っているのです。

腸のなかをゆっくりと動くため、腸が消化した食物を吸収するスピードをゆるやかにします。これにより、糖の吸収をおだやかにすることがわかっています。毎回の食事に、水溶性食物繊維を含む食材を取り入れるようにすれば、健康維持にも役立ちますよ。

水溶性食物繊維はどれくらい食べればいい?

便通異常の方におすすめ!水溶性食物繊維が豊富な意外な食材とは?

「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」によると、生活習慣病の予防につながる食物繊維の目標量は、日本人の食物繊維の摂取目安量は、18歳以上で1日あたり男性21g以上(64歳以上で1日あたり20g以上)、女性18g以上(64歳以上で1日あたり17g以上)とされています。

食物繊維の摂取を意識せずに偏った食事をしていると、この摂取目標量に届かなくなるため、意識的に摂取するよう心がけましょう。不溶性と水溶性と2種類ある食物繊維にも摂取のバランスが大切で「不溶性2:水溶性1」のバランスがよいという説もあります。それに従うと、水溶性食物繊維の1日の摂取目安は男性で7g程度、女性で6g程度となります。比率はあくまでも目安ではありますが、食物繊維を意識して摂るのであれば、不溶性と水溶性のバランスも意識しておくといいかもしれません。

実はらっきょうに豊富!水溶性食物繊維が豊富なおすすめ食材

では、水溶性食物繊維が多く摂れる食品を選ぶにはどうすればよいのでしょうか? 水溶性食物繊維をたくさん含んだ食材としては以下のようなものがあります。

らっきょう

便通異常の方におすすめ!水溶性食物繊維が豊富な意外な食材とは?

意外と思われるかもしれませんがカレーの付け合わせなどに使われる、らっきょうは水溶性食物繊維が多く含まれていることで知られています。生のらっきょうには100gあたり18.6gの水溶性食物繊維が含まれているのです。他の野菜類はもちろん、その他の食材と比較しても高い割合ですので、ごはんのお供に積極的に選びたい食品です。似た形のにんにくやゆりねにも水溶性食物繊維がたっぷり含まれています。

ケールの青汁

便通異常の方におすすめ!水溶性食物繊維が豊富な意外な食材とは?

キャベツやブロッコリーの原種で、独特の苦みで知られる野菜・ケールにも水溶性食物繊維が多く含まれています。そのままでは食べづらいので、搾ったり粉砕した青汁を飲むといいでしょう。ケールの青汁には100gあたり12.8gの水溶性食物繊維が含まれています。

大麦

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乾燥した大麦(押麦)には100gあたり4.3gの水溶性食物繊維が含まれています。この量は精米された白米はもちろん、玄米よりも多いのです。白米に大麦を加えて炊くという簡単な工夫を加えると、ぷちぷちした食感も楽しみながら、水溶性食物繊維を取り入れることができます。

切り干し大根

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乾燥した切り干し大根には、100gあたり5.2gの水溶性食物繊維が含まれています。水で戻すときに、水溶性食物繊維は水に溶けてしまうため、戻し汁を使った料理にしたり、油を使って調理して溶け出してしまうのを防ぐといいでしょう。

不溶性食物繊維も水溶性食物繊維も、腸の働きを助けて便通異常のお悩みを解決してくれる成分です。腸内環境を整えるために、ぜひ意識して食べるようにしてみてくださいね!

【参考文献】
「セルロース」「ヘミセルロース」「キチン」「ペクチン」(『日本大百科全書』 小学館)
「食物繊維の必要性と健康」(「e-ヘルスネット」 厚生労働省)
「食物繊維の働きと1日の摂取量」(「健康長寿ネット」 公益財団法人長寿科学振興財団)
「不溶性2:水溶性1が理想的 ファイバーバランス」(松生クリニック公式サイト)

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