おなかが冷えるってどういうこと? カラダにはどんな悪影響があるのかを医師に聞いた

2018.08.24

暑い日が続くと、熱中症対策のためにもカラダを冷やすことに目を向ける機会が増えてきます。その一方で、「夏はおなかが冷える」「夏に限っておなかの調子が悪くなる」という悩みを持っている人も少なからずいます。

そもそも、「おなかが冷える」とは、どういう状態で、どうカラダに影響するのでしょうか。工藤内科の工藤孝文先生に解説してもらいました。

「おなかが冷える」って、具体的にどこが冷えているの?

私たちが一般的に「おなかの冷え」と思っている症状は、実は冷え性と関係が深いそうです。

「おなかが冷える、というのは内臓が冷えている状態で、『内臓冷え性』ともいわれます。手足が冷たい、という末端冷え性は自覚症状としてわかりやすいですよね。同様に、おなかも冷えるということです」

現代社会は冷房で快適に過ごせる環境は多くなりました。そのことも冷えには大きく影響しています。末端冷え性と同じように、おなかの冷えも外気や冷たいものの摂取で血行が悪くなることにより発生するそうです。

おなかが冷えるとき、カラダの中で起きていることとは

おなかが冷えたとき、下痢や腹痛に悩まされることは誰しも経験があるかと思います。そのほかに「おなかの冷え」が疑われる症状を工藤先生に挙げてもらいました。

・おしっこが近くなる
・おなかを壊す
・食欲がない
・温かい飲み物を欲する
・夏場に限って疲れやすい
・便秘になりやすい
・風邪を引きやすい
・寝つきが悪い

末端冷え性が体調不調の大きな原因になることはよく知られていますが、それと同様におなかが冷える内臓冷え性もカラダへの影響が大きいようですね。

おなかは外的刺激と内的刺激、どちらの方が冷えやすい?

おなかが冷える原因としては、エアコンなどの外部的要素と、冷たい食べものなどの内部的要素が考えられます。影響力としては、どちらが大きいのでしょうか。

「どちらか一つというよりは、両方関係していることが多いです。もちろん冷たいものを多く摂っていると内臓は冷えますが、それだけではありません。ストレスや生活リズムの乱れのほか、過労などによる自律神経の乱れも冷えの原因になります。また、日頃から運動する習慣がなく、筋肉量が不足している場合も体温は下がります。さまざまな原因が複合して、体温の調整がうまくいかなくなった結果、内臓型冷え性を招いているのです」

一つの原因だけを探るのではなく、複合的な要因だと考えれば、対策の仕方も見えてきそうです。

内臓型冷え性を改善するにはどんな対策が必要?

次に、内蔵型冷え性を改善するための具体的な方法を工藤先生に教えてもらいました。

「夏場でもカラダを露出しすぎない、エアコンで室内を冷やしすぎないというのが、すぐにできる対策です。夏場はシャワーだけで済ませてしまう方も多いかと思いますが、40℃くらいの湯に半身浴でゆっくり浸かる方が冷えの対策として有効です」

また、軽いストレッチやウォーキングなどの軽い運動も有効です。ウォーキングの場合は、熱中症の心配のない、夜にすることをおすすめします。そして、食生活でも冷えの対策はできます。

「一番簡単なのは温かい飲みものや食べものを摂取することですね。しょうがや唐辛子には代謝をアップさせる働きがありますが、刺激物のため消化や吸収に影響を与える可能性もあります。おなかの調子が思わしくないときは、過度に辛いものは避けた方がいいでしょう。ほかにも、冷やして食べることの多い果物の摂りすぎにも注意が必要です」

おなかを冷やさないためには、外側からも内側からもカラダを冷やしすぎないことが大切のようです。とはいえ、エアコンを一切使わないとなると、熱中症などほかのトラブルを招く可能性もあります。過度に気にしすぎるとストレスの原因にもなりますので、無理は禁物です。

都市化によりコンクリートやアスファルトが増えた現在は、熱気が逃げにくく「ヒートアイランド現象」が起こり、外気温が高くなっています。エアコンや冷たい食べものと上手に付き合い、厳しい季節を乗り越えましょう。

この記事に取材協力してくれた方

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工藤孝文先生

工藤内科 副院長、日本内科学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本甲状腺学会、日本東洋医学会、小児慢性疾病指定医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療をおこなう。 2017年よりスマホ診療を導入し、全国規模での診療も実施。
また、「得する人損する人」(日本テレビ)を始め、メディアにも多数出演。「教えて!ドクター家族の健康」(BSジャパン)では、「糖尿病はこうして起こる」をテーマに対談をおこなっている。
工藤内科:http://www.kudonaika.com/

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