スイカを食べると下痢? 種を食べると盲腸!? 夏の定番の迷信を医師が解説

2018.08.21

夏に食べたくなる定番のフルーツといえばスイカです。シャリッとした食感や、果肉のみずみずしさを真っ先に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

その口当たりのよさとは裏腹に「スイカを食べると下痢になる」「種を食べると盲腸になる」といった迷信もささやかれています。本当のところはどうなのか。スイカの秘密を探るべく工藤内科副院長の工藤孝文先生にお話をうかがいました。

夏の定番スイカの栄養素

スイカというと、そのみずみずしい果肉が特徴です。一般的には「水分はありそうだけど栄養はそれほどないのでは?」と思うかもしれません。しかし、工藤先生は「機能性の高い栄養が含まれている」と解説してくれました。

「全体の約90%が水分であるのは事実ですが、β-カロテンも豊富に含まれています。また、リコピンやビタミンCも含まれているため、シミやシワなどを抑え肌の老化予防に役立つほか、動脈硬化への効果も期待されます」

さらに、ビタミンB1やB2、すばやくエネルギーに変わる果糖やブドウ糖なども含まれており、疲労回復を助けてくれます。スイカに甘味を付けるため塩を軽く振ることにも意味があり、汗とともに流れ出てしまったナトリウムを補うなど、夏バテにも効果が期待できるそうです。

「スイカを食べると下痢になる」ということはあるの

スイカを食べ過ぎておなかを下す。これは本当に、スイカに原因があるのでしょうか? どうやら個人差はあるようですが、スイカが原因で下痢になる人というのは一定数いるようです。

「理由として考えられるのは、水分の摂りすぎです。先述のとおり、スイカは90%が水分でできています。人によっては、食べすぎると胃の中に大量の水分が流れ込み、胃液が薄くなることもあります。食べたものが上手く消化できなくなり、胃腸に負担がかかった結果、おなかを下す可能性も考えられます」

口当たりがいいからといって、食べ過ぎてしまうのは問題のようです。また、おなかの不調を考えると、スイカの冷やしすぎにも注意が必要です。

「冷蔵庫でよく冷やしたスイカを食べることで、胃腸が冷えてしまうことも考えられます。内蔵の冷えは、カラダの末端の冷えのようにさまざまな不調を引き起こしかねないので気をつけましょう」

対策としては、長時間スイカを冷蔵庫に保存するのではなく、食べる2~3時間くらい前に冷やすといいそうです。傷むのが心配で早めに冷蔵庫に入れておきたい方は、食べる前に冷蔵庫から出し、少しの間常温におくのも一案です。

「スイカの種を食べると盲腸になる!?」その迷信を医師が解説

スイカにまつわる迷信として「種を食べると盲腸(虫垂炎)になる」という話もよく聞きます。しかし、工藤先生によれば「スイカの種はほとんどが消化されないまま体の外へ出てくる」ため、根拠はないそうです。仮に体内で消化されたとしても、スイカの種に盲腸の原因となる物質は含まれていないといいます。

では、なぜこのような迷信がささやかれるようになったかといえば、ヨーロッパでの「ブドウの種を食べると盲腸になる」という言い伝えがきっかけとなったのが有力だと考えられます。それが日本でどのように転じたのかという経緯は明らかになっていません。中国などではスイカの種を塩で炒って食べるという文化もあることから、やはり迷信の域は出ないのかもしれません。

余ったスイカの活用法はどんなものがある?

大玉スイカとなると10キロを超えるものもあり、家族や友人と一緒に食べても余ってしまうこともあります。そんなときに役立つ方法を、いくつか紹介していきましょう。

ただ凍らせるだけでシャーベットやアイスに変身!

スイカは、ひと口大にカットして冷凍庫で保存するだけで、シャーベットのように食べられます。甘みがあるので、砂糖を入れる必要もありません。フリーザーバッグを使って凍らせたスイカをもめば、アイスのようにも味わえるので、残暑にもピッタリです。

サラダや酢のものの食材としても魅力

細かく切ったスイカと切干大根、きゅうりなどと一緒に酢であえると、甘酸っぱい酢の物の完成です。サラダの場合はモッツァレラチーズ、ブラックオリーブやミントを入れてイタリアン風などにするとオシャレでいいかもしれません。

皮の部分も炒めものや漬物として活用

皮の白い部分は、野菜や豚肉などと一緒に炒めてもOK。市販の漬物液を使えば、簡単に漬物も作れます。

夏場に食べる機会が多いスイカには、さまざまな栄養素が含まれていたんですね。種を食べても盲腸にならないことはわかりましたが、食べすぎでおなかを壊すことだけには注意しましょう。

【参考】
食べ飽きちゃったら試してみて!目から鱗の「スイカ」アレンジレシピ♫(キナリノ)
フリーザーバッグで簡単!「もむだけアイス」を冷凍室に常備しよう♪(クックパットニュース)

この記事に取材協力してくれた方

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工藤孝文先生

工藤内科 副院長、日本内科学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本甲状腺学会、日本東洋医学会、小児慢性疾病指定医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療をおこなう。 2017年よりスマホ診療を導入し、全国規模での診療も実施。
また、「得する人損する人」(日本テレビ)を始め、メディアにも多数出演。「教えて!ドクター家族の健康」(BSジャパン)では、「糖尿病はこうして起こる」をテーマに対談をおこなっている。
工藤内科:http://www.kudonaika.com/

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