《医師監修》ニキビが出る場所は関係ある? 便秘によって肌荒れが起こる仕組みと対処法

2018.07.20

ニキビや吹き出物、肌荒れなど、肌の不調はそれだけで気持ちが落ち込んでしまいます。肌トラブルは便秘が原因で起こるという話もありますが、便秘と肌トラブルには具体的にどのような関係があるのでしょうか。

便秘による肌トラブルの仕組みや対処法を、レーザー治療専門・美容皮膚科シロノクリニック恵比寿本院の中川桂副院長にうかがいました。

便秘によって肌荒れが起こるメカニズム

便秘とは、摂取した食べ物から必要な栄養素だけを吸収したあとの老廃物が、なんらかの理由で体から排出されず、体内に残ってしまっている状態です。

腸内細菌は、有用菌と有害菌、日和見菌によって構成されており、「2:1:7」の割合が理想的な状態といわれています。ただし、便秘により食べ物の残りカスが便として排出されない状態が続くと、その残りカスが有害菌のエサとなり、腸内環境のバランスが崩れてしまいます。腸内に残った便により有害物質を発生し、血流に乗って全身をめぐります。

「有害菌が増えて食べ物の栄養素が吸収されにくい状態になると、自律神経の乱れが引き起こされ、肌に必要な栄養が行き届かなくなります」と中川先生。

また、 皮膚は新しいきれいな肌をつくるために基本28日周期のサイクルで新陳代謝(ターンオーバー)をおこなっていますが、有害物質の処理に集中してしまうと、正常に新陳代謝がおこなわれなくなってしまいます。また、年齢が上がるにつれて、その周期も長くなります。

便秘によって生じる肌トラブルの種類

便秘によって肌トラブルが起こる仕組みはわかりました。次に、便秘によって具体的にどのような肌トラブルが生じるのかを見ていきましょう。

毛穴のつまり

便秘によって胃腸の働きが鈍ると、ビタミンB群が不足します。これは、腸内細菌がアンバランスになってビタミンBの合成が遅れることと、食欲不振によって食事摂取量が減ってしまうことが関係します。ビタミンB群は皮脂の分泌をコントロールする働きがあるため、不足することで皮脂の分泌量が増えてしまい、角栓や毛穴のつまりの原因となるのです。

肌のくすみ

新陳代謝が乱れた結果、角質がたまりやすくなるなど肌環境が悪化し、くすみの原因となります。

ニキビ

皮脂によって毛穴が詰まることによりアクネ菌が増殖し、ニキビができやすくなります。

便秘には、有害菌を増やす、ビタミンB群を不足させるなど、肌トラブルのもとがたくさんあることがわかりました。

アゴやおでこ、ニキビができる部位との関係は?

たとえば「アゴにニキビがでるのは、胃腸の調子が悪い証拠」など、ニキビができる部位と体の不調を関連づける話もありますが、「胃腸が関係しているとは断言できません」と中川先生は指摘します。

ただし、口回りは皮脂分泌が多い部位でもあるので、ホルモンバランスの乱れなどにより、生理前にニキビができることは多いといわれているそうです。体の不調とニキビのでる場所との関係性については、あると断言はできないものの、可能性としてゼロではないくらいに思うのがちょうどいいかもしれません。

美肌のための腸内環境の整え方

便秘をなくすためには、まず胃腸の調子を整え、スムーズな排便ができるようにすることが重要。そのためには、やはり食生活が大切です。

食物繊維を意識的に摂取する

食生活では、腸の運動をうながす効果のある食物繊維を多くとることがおすすめです。また、食物繊維には海藻や熟した果物などの水溶性と、穀物、豆類などの不溶性があります。どちらか片方だけをたくさんとるのではなく、水溶性と不溶性どちらもバランスよく摂取することがポイント。食物繊維は有用菌のエサにもなります。

乳酸菌・ビフィズス菌を摂取する

腸内環境を整えるためには、乳酸菌やビフィズス菌入りのヨーグルトや発酵食品などを食べることも大切です。しっかり摂取して、腸内の有用菌を増やし、腸内環境を整えていきましょう。

油分の多い食事を控える

有害菌を増やす原因となるため、控えるほうが腸のためになります。揚げ物や油をたっぷり使う料理は避けて有害菌の増加を減らし、逆に野菜や海藻、発酵食品などを多くとって、有用菌を増やすようにすることが、腸内環境を整えることにつながります。

食生活に加え、生活習慣にも気を配りましょう。とくに睡眠は大切です。寝ているときは腸が食べ物を送るために収縮を繰り返すので、十分な睡眠が必要となります。また、寝る前に食事をしてしまうと、腸が消化することに必死になってしまいます。夕食を早めに摂るような習慣をつけるのが得策です。

腸の血流をよくするために、適度な運動やマッサージもおすすめです。階段の上り下りやウォーキングなど、日常的に体を動かす習慣をつけることが望ましいです。また、体を温める効果のある入浴も大切ですから、お風呂はシャワーだけで済まさず、きちんと湯船につかってじっくり体を温めましょう。

また、体内の水分が足りなくなると便が固くなってしまいます。運動や入浴の際は、こまめな水分補給を心がけましょう。

ニキビや肌荒れがおこったときは、便秘が原因の可能性を疑ってみるのもいいでしょう。肌トラブルを改善するひとつの方法として、体の内側からのケアを心がけていきたいですね。

この記事を監修してくれた方

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中川桂

シロノクリニック恵比寿本院 副院長
生時代から美容が大好き。美しくありたいという女性をサポートするべく美容皮膚科に。得意分野は女性の悩みに多い、シミ・肝斑治療。
シロノクリニック:https://www.shirono.net/

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