女性のメタボは基準が違う? 予防策と腸内環境

2018.07.05

テレビや雑誌、インターネットでおなじみとなった「メタボ」。「メタボリックシンドローム」の略語として知られています。言葉は知っているものの、「おなかが出ていたらメタボ?」「内臓脂肪が多いとどんな問題が起こるの?」と、その定義については素朴な疑問も浮かんできます。

聞き慣れた言葉だからこそ、今一度向き合ってみるのも大切。そこで、メタボの基準やリスク、対策について紹介します。

「メタボリックシンドローム」って何?

「内臓脂肪症候群」とも呼ばれ、内臓脂肪が多いことから糖尿病や心臓病、血管の病気などの生活習慣病が発症しやすくなっている状態を指します。原因とされるのは、摂取カロリーが過剰になりがちな現代の食生活や、乗り物による移動、デスクワークが中心の生活からくる運動不足などです。

内臓脂肪が蓄積されている人の数は、年々増加傾向にあるといいます。具体的には糖尿病の境界型、高血圧、脂質異常症(高脂血症)などが1つまたは2つ以上併発している状態です。個々の病気の診断基準を満たさなくとも複数が重なっている場合は、動脈硬化の進行を防ぐために早く対処しなければならない状況といえます。

女性と男性でメタボの基準が違う?

メタボリックシンドロームの基準は性別によって異なります。国によっても基準が異なり、日本の場合は次のような診断基準が設けられています。

まず一定以上の腹囲があることが1つめの指標で、男性85cm以上、女性90cm以上と定められています。これに加え、血圧・空腹時の血糖・脂質の3つの数値において定められた基準値を2つ以上満たすと、メタボリックシンドロームに該当します。

内臓脂肪を正確に調べるには、本来、CTスキャンによる検査が必要です。しかしCT検査はどの病院でもおこなえるものではないため、高血圧・高血糖・脂質異常の合併率が高くなる内臓脂肪面積から計算し、相当するウエスト周囲径として上記の数字が採用されました。

女性は男性に比べて皮下脂肪がたまりやすく、同じ量の内臓脂肪がたまっていても皮下脂肪の分だけウエストの周囲径が大きくなります。そのため基準値も男性より大きく定められています。

BMI値で簡単に肥満度をチェック

メタボリックシンドロームの基準とは別に、簡単に肥満度を確認する方法があります。BMI(ボディマス指数、ボディマスインデックス)と呼ばれるものです。

身長と体重の関係から体型を分類する方法で、次の計算式から求められる数値を判断します。

「BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」

たとえば身長172cmで55kgの場合、BMIは「55÷1.72÷1.72」で18.5となります。BMI値18.5~24.9が標準で、18.5未満が痩せ型、25以上が肥満型とされています。この計算式を利用して標準体重を求めることもできます。

ただ、簡単に数値を出すことができますが、身長と体重のみを目安とする、BMI値だけで肥満の状態を判断するのは十分ではありません。また、体脂肪率が高くても低体重であればBMI値は低くなり、筋肉量が多くて体重が重い人は体脂肪率が低くてもBMI値は肥満型として出てしまいます。あくまで目安として受け止め、健診・検査による医師や専門家のアドバイスをきちんと受けましょう。

メタボの予防に「肥満菌」を増やさない生活を!

これまで見てきた通り、栄養過剰な食生活や運動不足はメタボの大きな要因ですが、3つめの要因として注目を集めているのが腸内環境の乱れです。人間の腸には約1000種、1000兆個の細菌が生息していると言われていますが、この中に「肥満菌」と呼ばれる細菌が存在しているという研究結果があります。

昨今の研究では、同じものを同じ量食べても、肥満菌が多い人は消化したものをためこみやすく、太りやすい体質であることがわかっています。肥満菌の割合は遺伝も関係しますが、腸内環境が整っているかどうかも重要なポイントです。以下のような生活習慣を心がけましょう。

1:食生活

胃や腸を冷やす食べものや飲みものを摂りすぎないのは、改善の第一歩です。腸内で有用菌を増やす働きがある乳酸菌や、納豆菌が含まれる納豆やヨーグルトなどを積極的に摂るようにしましょう。また、腸内の有害物質を排出し、糖の吸収をゆるやかにしてくれる効果が期待される海藻やきのこ、野菜やくだものなどに含まれる食物繊維を摂るのも意識しておきましょう。

2:睡眠

食生活と共に、体の調子を整えるための基本となる睡眠。人間の代謝にとっても欠かせませんが、心がけておくべきなのは就寝の2時間前には食事を済ませることです。睡眠時間は翌朝の排便のための準備時間と捉え、7~8時間ほどの十分な時間を確保しましょう。

3:ストレス

ストレスは過食や食欲減退、睡眠の質の低下にもつながり、腸内環境の乱れを引き起こします。日々の生活を見直し、ストレスをためこまないようにしましょう。

メタボは生活習慣病の予備軍です。しかし、予備軍とはいっても、基準を複数満たしていることは病気であることと同じように捉えて対策する必要もあります。食事・運動・睡眠・ストレスを理想的な状態に維持することは簡単ではありませんが、自分のライフスタイルに合った方法を見つけ、楽しみながら生活を改善していきましょう。

【参考】
メタボリックシンドローム なぜ男性85cm、女性90cmなの?(厚生労働省)
メタボって何?(国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター)
メタボリックシンドローム(Doctors me)
メタボリックシンドロームとは?(メタボリックシンドローム・ネット)

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