ビフィズス菌はどうやって便通を改善するの?

2018.06.08

ヒトの腸内に存在する細菌の数は約100兆個といわれており、種類ごとに集団を形成しながら生息しています。なかでも、最も有名な菌の一つが、おなかの調子を整えることで知られるビフィズス菌です。

では、ビフィズス菌はどのような仕組みでお通じの改善に働きかけるのでしょうか。性質と合わせてみていきましょう。

そもそもビフィズス菌とは?

腸内細菌は、有用菌、有害菌、日和見菌によって構成されています。日和見菌とは、健康なときはとくに作用せず、からだが弱ったりすると腸内で悪い働きをする菌のことです。

ビフィズス菌は有用菌の一種で、その多くがY字型をしていることから、分岐や二股を意味するラテン語「ビフィダス」と呼ばれ、日本では「ビフィズス菌」という名前になりました。

ビフィズス菌とは、正式には「ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する菌」のことを指します。つまり1種類ではなく、いくつかある菌の総称なのです。分類としては、菌属、菌種、その下に株があります。株とは遺伝子配列の種類を表しています。

現在、ビフィズス菌は約40菌種が発見されており、そのうち腸内に住みつくのは7~8菌種です。ただし個人差があり、ヒトの便からはおおむね2~4菌種のビフィズス菌が検出されます。
おもなビフィズス菌の種類と特徴は下記のとおりです。

・ラクティス菌……腸内ポリアミン産生を促進する
・ビフィダム菌……世界で最初に発見されたビフィズス菌
・ロングム菌……大腸まで届き、腸内環境を改善する
・アドレスセンティス菌……さまざまなアミノ酸を合成する
・ブレーベ菌……乳児に多く、腸内環境を改善する

ビフィズス菌がお通じを改善する仕組み

ビフィズス菌は腸内の有害菌や腐敗産物を減少させ、おなかの調子を整えると考えられています。いったいどのような仕組みで有害菌を減らしているのでしょうか。

ビフィズス菌はおなかの中で、糖や食物繊維などを代謝し、酢酸や乳酸などの有機酸を産生します。酢酸や乳酸が増えると腸内が酸性に傾き、アルカリ性を好む有害菌が増えにくくなります。そのため、腸内細菌の構成が変化し、腸内環境が整えられるのです。

また酢酸には、腸壁を刺激して大腸のぜん動運動を活発にすることにより、排便を促す働きもあります。ほかにも、腸のバリア機能を強固にする、炎症を抑えるなどの働きがあることも報告されています。

ビフィズス菌は腸内に定着しない?

一般的に、健康な人の腸内にある細菌のうち、10%が大腸菌やウェルシュ菌などの有害菌、20%がビフィズス菌や乳酸菌などの有用菌、残りの70%が日和見菌とされています。

しかし年齢を重ねると、有用菌と有害菌のバランスが崩れてきます。加齢によって、腸内のビフィズス菌が減ってしまう傾向にあるためです。

また、ビフィズス菌が入ったヨーグルトを食べたからといって、腸内にそのビフィズス菌が定着するわけではありません。しかし何日かは腸内に存在し、その間にもともと常在していたビフィズス菌の数は増えます。その作用により、多くの乳酸、酢酸を産生してくれることになるのです。

おなかの調子が悪くなったときだけではなく、コンスタントにビフィズス菌を摂取し続けることが快便のポイントといえるでしょう。ビフィズス菌は胃酸に弱い性質のため、ヨーグルトなどを食べる際は、胃酸の影響の少ない食後が適しています。

ビフィズス菌は加齢だけでなく、偏った食事やストレスでも減少するといわれています。腸内環境を良好に保つためには、栄養バランスのとれた食事や規則正しい生活などを心がけることも大切です。市販品で上手に補いながら、毎日の快便を目指しましょう。

【参考】
日本ビフィズス菌センター/よくある質問
ビフィズス菌の有用性とその研究周辺
多ければ良いのか善玉菌 意外に知らない腸内環境
辨野義己『整腸力 医者・薬いらずの体をつくる腸内改革』(かんき出版)

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