犬のフンで人間が下痢に!? 動物から移る病気と予防法

2018.06.07

皆さんはペットを飼っていますか? 2017年に行われた世論調査では、全国で39.8%の人がペットを飼っており、そのうち17.3%の人が犬を飼っているという調査結果が出ています。そんな大好きなペットから病気が移り、下痢などの症状が起こることがあります。これは「動物由来感染症」といい、症状も感染の経路もさまざま。

大切なペットと健康に過ごすために、病気や感染経路、予防法を知っておきましょう。

ペットから移る「動物由来感染症」が増えている!?

「動物由来感染症」とは、その名のとおり動物から人間に移る感染症のこと。感染したときの症状はさまざまですが、下痢もそのひとつにあげられます。動物由来感染症で有名な病気として、狂犬病や鳥インフルエンザなどがありますが、今回は「犬」から人間に感染して「下痢」を引き起こすものについてご紹介します。

サルモネラ症

犬から感染したという報告は3~10%と低いですが、十分に感染する恐れのある病気です。ひどい場合は敗血症を引き起こし、死に至ることもあります。

カンピロバクター症

2日~1週間の潜伏期間があり、頭痛や発熱の後、下痢などの症状が出るといわれています。一方、動物は無症状のことが多いので、病気だと気づきにくいかもしれません。

ジアルジア症

およそ1~2週間の潜伏期間の後、下痢や腹痛などの症状が現れます。発熱はありません。感染した犬は、水様性の下痢や体重減少といった症状が出るといわれています。

クリプトスポリジウム症

4~5日ないし10日の潜伏期間の後、無症状から下痢や腹痛といった症状が出ることもあるといわれています。通常は数日間で治りますが、重篤な感染を起こした場合は死に至ることもあります。

上記で紹介した感染症はどれも、感染した犬の糞に菌が含まれ、それが手につくことや汚染された食品や水を介することで感染します。また、散歩中に放置された糞が雨風にさらされると、周囲の環境に散らばり、その土などを舐めた犬に感染するという負の連鎖が起こってしまいます。

もちろん、犬だけに限らず身近な動物でも起こりうるため、注意が必要です。また、人に感染しても風邪などの症状と似ているため、病気の発見が遅れてしまうことがあります。体に異変を感じたときはすぐに医療機関の受診をし、その際にペットの飼育状況や健康状況なども医師に伝えるようにしましょう。

ペットが感染しないための予防ポイント

感染症予防には、まずペットが感染しないように予防することが大切です。予防のポイントを3つご紹介します。

1.室内で飼う

ペットを室内で飼うことで、外の汚染環境や野生動物との接触を避けることができます。

2.定期的な予防接種や予防薬の投与

ペットが病気にかかっても、無症状で気づかなかったために飼い主に移ってしまうこともあります。かかりつけ医を見つけ、定期的に予防接種をしてもらったり、予防薬を投与してもらったりすることをおすすめします。

3.糞尿を放置しない

糞便に感染症の原因となる菌が含まれていることが多いため、そのリスクを減らすよう、飼い主が環境を整えていくことが大切です。

そのほか、拾い食いをしたり水たまりや河川の水を飲んだりしないように気をつけ、犬の口に入るものに細心の注意を払うことが大切です。

ペットから人へ感染させないための予防ポイント

「ペットは家族の一員だ」とよくいいますが、だからこそ愛すべき家族として節度をもって接することが大切です。犬は、きちんと管理することで一生涯人間と生活ができる動物だといわれています。かわいがるだけでなく、感染症予防もしっかりとしていきましょう。

1.過剰な触れ合いをしない

口移しで食べさせたり、食器を共有したりすることは避けましょう。

2.噛まれたりしてできた傷を放置しない

噛まれたりひっかかれたりした場合は、すぐに水道水で洗い流して消毒しましょう。

清潔な環境を整えることはもちろん、飼い主もこまめに手を洗うことを心がけましょう。

まさか、ペットから病気が移るなんて、想像もしていなかったという方もいると思います。あまり耳にしない「動物由来感染症」ですが、いつ起こってもおかしくない病気です。

かわいいペットと健康で快適な生活を送るためにも、普段からペットの健康状態に気を配り、意識して予防していくようにしましょう。

文・杉岡弥幸 監修・森田博美

【参考】
eo健康|動物やペットから病気がうつる!?動物由来感染症
厚生労働省|動物由来感染症
北海道地域保健課|エキノコックス症の知識と予防
千葉県獣医師会|サルモネラ症
愛知県衛生研究所|カンピロバクター食中毒
犬の病気事典|犬のジアルジア症
「ペットを飼っている」人|ビデオリサーチ

この記事を監修してくれた方

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森田博美

漢方薬剤師。 都内の有名美容クリニックで漢方薬剤師として勤務した経験を活かし、セミナー、執筆、カウンセリング等を通じて女性の健康と美容に携わっている。現在はウィメンズ漢方( https://womens-kampo.co.jp)にて、妊活女性に対するカウンセラーとしても活躍中。
インスタグラム( https://www.instagram.com/romi1208/)や各種ウェブ媒体では、薬剤師の視点から美容やインナービューティについて発信を行う。ミスグランドジャパンに出場した経験を活かし、女性の健康的な美しさについてアドバイスを行っている。
漢方薬剤師 森田博美のウェブサイトhttp://romibalance.com

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