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水に浮くうんち=健康って本当? うんちの成分と水に浮く理由から考える

排便後にうんちをチェックしたら、トイレの水にうんちがプカプカと浮いていた日があったり、また別の日にはうんちが今度は便器の底に沈んでいたり…。「浮くうんち」と「沈むうんち」の違いが気になった経験はありませんか? 水に浮くうんちと沈むうんちにはどのような違いがあるのか、うんちの「組成」とともに水に浮く理由について解説します。

うんちの素は「水分」が8割。残りの2割は「食べかす+腸内細菌+腸粘膜」

水に浮くうんち=健康って本当? うんちの成分と水に浮く理由から考える

一般的には「便は食べ物が消化されて残った食べかすでできている」と認識されていますが、実は便の約80%は水分で構成されています。残りのうち3分の1が食物繊維を主体とする不消化物(食べかす)、3分の1が腸内細菌の残骸、残りの3分の1が古くなってはがれた腸の内層を形成する腸粘膜です。

ただし、これはあくまでも快便を意味する”いいうんち”の場合です。便通異常時には便の水分量が変化します。おなかがゆるい時、便の水分量は90%を超えてやわらかくなり、ふわふわとしたお粥のような状態になります。反対に便通が滞っているときには水分量が70%以下となり、カチカチ、コロコロとした形状の便になります。

本当に快便の証? うんちが水に浮く理由

水に浮くうんち=健康って本当? うんちの成分と水に浮く理由から考える

食事や生活スタイル、また体調によって、小腸と大腸に棲息している善玉菌・悪玉菌などの腸内細菌の活動に影響を与え、腸内フローラのバランスが変化するとともに便の形や色も変わります。“いいうんち”として挙げられる便の形状や色には、下記のようなものがあります。

・黄色または黄褐色
・バナナのような形
・適度なやわらかさがある
・臭いがきつくない

これらの他に「水に浮く」という項目が付け加えられている資料もよく目にします。そのため、水に浮くことが“いいうんち”の条件と考えている人も多いのではないでしょうか。

それでは、どんな便が水に浮くのでしょうか。また、水に浮く便は果たして“いいうんち”なのでしょうか。水に浮く理由として挙げられるのが「食物繊維」と「ガス」です。これらの要因が“いいうんち”と関係しているのでしょうか?

1.食物繊維を十分に摂取している人の便

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ゴボウやサツマイモなどに含まれる不溶性食物繊維を十分に摂取している人の便は、水分を抱え込みやすくなるため水に浮くとされています。たしかに、食物繊維は日本人に不足しがちな成分で、便通異常の改善には欠かせないものです。消化されずに小腸・大腸へと届き、便の量を増やして排便をスムーズにさせるほか、善玉菌のエサとなる食物繊維を多く摂れば、便も軽くなり水に浮くようにも思えます。しかし、食物繊維を摂取すればするほどうんちが水に浮くようになるのかというと、必ずしもそうではないようです。

被験者に食物繊維量の違う食事をとってもらい、便の比重を測った実験によると、食物繊維の摂取量と便の比重に相関関係は認められませんでした。また、どの食物繊維量の食事でも便の比重は1前後であまり変わらなかったという調査結果から、食物繊維を含んだ食事を食べれば食べるほど、必ずしもうんちが浮くということでもないようです。

※中村カホル「食物繊維の主要な生理機能 -20年に亘る研究テーマを顧みて-」より(中村氏らによる1991年発表の論文)

2.腸内ガスが含まれている便

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古い研究結果ですが、1972年にミネソタ大学の研究者たちが「Floating Stools — Flatus versus Fat」という論文を発表しています。この論文では、便が水に浮くのは便に腸内で発生したメタンガスが含まれていることであると結論づけています。メタンガスは、腸内細菌が食物を分解する際に生成されるものであり、便にメタンガスが含まれていることは自然なことで、メタンガスが含まれているから健康な便とは一概には言えないのです。

水面に脂が浮く“浮くうんち”には気をつけよう

水に浮くうんち=健康って本当? うんちの成分と水に浮く理由から考える

水に浮くからといって必ずしも健康な便の証、とはいえませんが、注意すべき“浮くうんち”があります。

便器内の水面に脂が浮くような便は「脂肪便」と呼ばれています。脂肪分を含む食事を食べすぎた場合にも脂肪便は排泄されますが、それ以外にも消化管での脂肪の消化吸収がうまくできていないことが脂肪便が排泄される原因として挙げられます。

他にも何かしらの体の不調のサインの可能性もありますので脂肪便が続き、腹部に痛みを感じる場合には、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。

そのときどきの体調や食べたものによって、色や形、水に浮く・浮かないなど、便の状態も変化します。便の形状変化は腸内環境や体調、便通異常などさまざまな変化のバロメーターになっています。「水に浮く・浮かない」を見るついでに、排便後のうんちの形状チェックを習慣づけて、体調管理に役立ててみてはいかがでしょうか。

【参考文献】
「生活習慣で乱れた腸内環境を整える方法」(「健康長寿ネット」 長寿科学振興財団)
「腸内細菌と健康」(「e-ヘルスネット」 厚生労働省)
中村カホル「食物繊維の主要な生理機能 -20年に亘る研究テーマを顧みて-」
(『東京農大農学集報』49巻44号 東京農業大学 2005年)
Michael D. Levitt, M.D., and William C. Duane, M.D.「Floating Stools — Flatus versus Fat」(『the NEW ENFLAND JOURNAL of MEDICINE』, May 4, 1972)
五十嵐良典「脂肪便」(『ドクターサロン』56巻 2月号 杏林製薬 2012年)

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