《医師に聞く》「ラーメン食べると下痢になる!」その原因とは

2018.04.19

「こってり系ラーメンを食べるとおなかの調子が悪くなる」「とんこつラーメンを食べると下痢をしてしまう」など、ラーメンとおなかの調子について、悩みを抱えている人は意外と多いもの。しかも、インスタントラーメンやカップラーメンは問題ないのに、お店のラーメンを食べたときだけ、おなかを下してしまうケースもあるようです。

今回はお店のとんこつラーメンを食べると下痢になってしまう理由について、久野銀座クリニックの岡村信良院長に話を聞きました。

麺を「硬め」などで注文していることは下痢につながるのか?

ラーメンを注文する際、麺の硬さを選べる店舗もあります。とくにとんこつラーメンの場合は、麺を「硬め」やさらに硬い「バリ硬」や「ハリガネ」などの茹で方で注文する人も多いです。

この麺の硬さが消化に悪影響を与えているのかについて、岡村先生からは「麺の硬さが変わっても含まれる成分は同じです。同様に、硬さに関わらず麺は胃や腸の中で十分消化されるので体への影響はそれほど変わらないと思います」との答えが。どうやら麺の硬さは下痢の理由には関係していないようです。

麺に含まれるアルカリ性添加物「かん水」との関係

ラーメン屋の麺は、お店のスープに合う麺を提供するため炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸二ナトリウムなどアルカリ性の添加物を原料とした「かん水」を使い麺のコシを調整しています。

ラーメンで下痢になる理由のひとつとして、かん水が挙げられることもあります。しかし、岡村先生は「人によっては、かん水の影響で多少おなかがゆるくなることはあります。しかし、あくまでも多量に摂取した場合の話です。ラーメン一杯くらいの量ですぐに下痢になる可能性は低いでしょう」と話します。

ニンニクや唐辛子などの過剰摂取は下痢に関係あるの?

とんこつラーメンを食べるときに、味にアクセントをつけるためトッピングでニンニクを入れる人もいます。また、トウガラシを効かせた辛いラーメンを好んで食べる人もいるでしょう。

生のニンニクはアリシンという栄養素が、トウガラシにはカプサイシンにという辛味の成分が含まれていますが、これらの栄養素や成分は過剰摂取すると下痢の原因になる可能性もあるといわれます。ラーメンでおなかを下しやすい人は、トッピングで大量に入れることは避けたほうがよさそうです。

食べている本人が「グルテン不耐症」の可能性も

次に、麺の原材料の小麦そのものに着目してみましょう。小麦に含まれるグルテンをうまく消化できない「グルテン不耐症」という体質の人がいます。軽度の場合は、グルテンを摂取してもおなかがゆるくなる程度で済むこともあるそうです。この場合、とんこつラーメンだけでなく、グルテンが含まれるパンやインスタントラーメンを食べたときにも、下痢が多くなっているはずです。

岡村先生も「自分がグルテン不耐症だと気づかず食べている人もいるかもしれない」と指摘します。もし、ラーメンやパンなどの小麦粉を多く使った食品を食べたときに限ってひどい下痢になる人は、一度医療機関で検査をしてみてもいいかもしれません。

一番の原因? とんこつラーメンに含まれる油が体に与える影響

とんこつラーメンを食べた後の下痢について、原因になりそうな項目をいくつかあげましたが、ここで主な原因について、岡村先生に意見をいただきました。

「カップラーメンだと大丈夫なのに、お店のラーメンだと下痢をする場合、使われている油の量に原因があるのではないでしょうか。油分の多いものを食べると膵臓や胆のうが消化液を活発に出して、腸を刺激して動かします。その刺激でおなかがギュルギュルとゆるくなることはあります。とくにとんこつや濃厚なスープには油が多く、刺激になることが多いと考えられます」

とんこつラーメンのスープは白濁色で油がどのくらい浮いているのかがわかりにくいため、それほど油が多くないと思いがちですが、実は豚骨を煮込む過程でかなり油が出ています。また背油などを使っていることも多く、体内で消化しきれない油を腸がすぐに排出しようとするそうです。やはり油が、とんこつラーメンなどでおなかを下す大きな原因かもしれません。

冷たい水もおなかへの刺激となっているかも

ラーメンだけでなく、お店で出される冷たい水も下痢に関係するようです。

「油分や味の濃い調味料などの刺激物と冷たい水の飲みすぎでもおなかの調子は悪くなりますよ」とのことでした。また、水の冷たさそのものも、おなかへの刺激になります。もしかすると、ラーメンを食べて下痢をする人の中には味が濃い・辛いなどの理由でついつい冷水を飲みすぎている人もいるかもしれません。

岡村先生によると、ラーメンを食べて下痢をするはっきりした原因を医学的に解明するのは難しいとのことでした。下痢する、しないはアルコール分解能力と同じように、かなり個人差があるようです。たくさん食べても大丈夫な人もいるし、そうでもない人もいるとのことでした。

ラーメンを食べてよく下痢をする人は、ひとまず油やお店で飲む水の量などに気を配ったり、急いで食べるのをやめたりなど、ひと工夫することによって症状が改善するかもしれません。楽しいくおいしくラーメンを楽しめると良いですね。

この記事の取材協力してくれた方

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岡村信良

久野銀座クリニック 院長
平成18年北里大学大学院卒、平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに平成20年に入職、その後院長に就任。平成25年に久野銀座クリニックを開業。患者一人ひとりに合わせた丁寧な診断・治療をおこなう。現在小田原博信会理事長、小田原銀座クリニック顧問。
久野銀座クリニック http://www.odawaragc.jp/kuno/

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