突然おならが出そうになり、困った経験がある人も多いと思います。おならが止まらなくなったり臭いがきつくなったりする原因はさまざまですが、そのひとつに「ガスだまり」が考えられます。
ガスだまりとは、その名の通りガスがおなかにたまってしまい、おならが止まらなくなってしまう状態を指します。では一体ガスだまりは、どうしたら防げるのでしょう。
「ガスだまり」ってどういうこと?
私たちのおなかのなかでは、食事の際に飲みこんだ空気や腸内細菌が食べ物を分解したときに発生する物質などにより、ガスが発生します。このガスが肛門から排出されたものが「おなら」です。
ガスだまりとは、このガスがおなかにたまってしまうことをいいます。おなかのガスが増えれば、その分おならの回数も増えます。ほかにも、おなかがぽっこりでてしまったり、おなかが張って痛くなったりと困った状態になってしまいます。
20代~50代の女性では約3割がガスだまりに悩んでおり、毎日あるいは週に2~3回はガスだまりを感じているという結果もあります。
通常ガスは血液に吸収され体外へと排出されますが、ガスが増えすぎた場合は排出が追いつきません。ガスだまりはガスの発生と排出のバランスが崩れてしまうことで起こってしまうのです。
おならの原因別対処法
止まらない・臭いなど“困ったおなら”のおもな原因は、2つあります。
原因1:ストレスによるガスだまり
よくかまずに食事をとる人や早食いの人は空気を飲み込みやすいため、ガスがたまりやすくなっています。ストレスによるドカ食いはガスだまりの元です。
また、ストレスがたまると便秘にもなりやすく、便秘によって腸内環境が悪化することでガスの発生がうながされてしまうことも。
この場合は、おなかのツボ押しやマッサージで心と体を癒し、睡眠をたっぷりとるようにしてストレスのない生活を送るという対処法があります。
原因2:筋力低下でガスが止められない
肛門には「肛門括約筋(こうもんかつやくきん)」という、肛門の開閉を調節する筋肉があります。この筋力が衰えてしまうと、おならを止めたくても止めにくくなってしまいます。
肛門括約筋を鍛えるにはスクワットやウォーキングがオススメです。軽いスクワット10回を1セットとし、毎日1日3セットおこないましょう。ウォーキングは1日20分くらいを目安にしてください。運動不足で衰えた肛門括約筋も鍛えられていきます。
ただし、無意識に出るおならは病気ではありませんので、過剰な我慢はしないようにしましょう。
臭いおならが出続ける
おならには窒素や炭酸ガスなどが含まれていますが、それらからはにおいがほとんど発生しません。においの元となるのは、「インドール」や「スカトール」などの有害物質です。
有害物質を発生させる原因は、腸内の有害菌がタンパク質を腐敗させてしまうことです。有害菌が増えるほど臭いおならがたくさんでてしまいます。腸内環境を整えるためにも、食事や生活環境を見直すとともに、ストレスをためすぎないように気をつけましょう。有用菌が増えれば臭いおならも減っていきます。
ガスだまりが解消されれば、“困ったおなら”やぽっこりおなかの改善にもつながります。上手に対処して、おならの悩みを解決してください。
【参考】
毎日新聞医療プレミア「おならをコントロールするには」
NIKKEI STYLE「お腹のガスをためない ライフスタイル8カ条」
女性の美学「お腹にガスがたまるのはなぜ?ガスがたまったぽっこりお腹の解消法」
日経Gooday「たまって苦しいお腹のガス、原因は空気の飲み込みやストレス、冷え」