スッキリお通じのために、水分補給は欠かせません。しかし、実はその取り入れ方を間違えると、かえって便通を悪化させてしまう場合もあることをご存知でしょうか。今回は、便通に影響を及ぼす間違った水分補給の仕方や、便通
対策に良い正しい水分補給の仕方など、水と便通異常の関係についてご紹介します。
食事中の水分補給に要注意!
水分は1日2ℓほど飲むと良いと言われていますが、飲み方によっては体にとって逆効果になるケースもあります。
たとえば、食事中に水や飲み物を飲みすぎてしまうと、胃の中の消化酵素が薄くなってしまって、食べ物を消化する機能が正常に働かなくなってしまうことがあります。
また、水分補給をしながらの食事は、よく噛まずに食べ物を流し飲みしてしまう可能性もあります。すると自ずと咀嚼回数も減るため、消化不良に影響するのです。
さらに、水分で胃腸の中が膨れ上がれば胃腸の運動機能にも影響を及ぼすため、お腹が痛い、お腹が張る、膨満感、お腹を下すといった症状を引き起こす場合もあります。
便通対策にある程度の水分補給は欠かせない!
とはいえ、水分をまったく摂らないのも便通対策としては逆効果。水分が足りないことも、うまく食べ物を消化できない一因となるため、胃腸の負担をかけることにもなります。
理想の便は、7~8割が水分であるといわれています。便は、食事で摂った食物繊維が水分を吸うことで形が作られるため、どんなに食物繊維を食べても、水分が程よくないと、不溶性・水溶性共に食物繊維としての役割を果たしにくくなってしまうのです。
また、腸のぜん動運動で便を移動させるにも水分は必要なので、便通対策には多すぎず少なすぎず、適度な水分補給が大切なのです。
効果的な水分補給の仕方とは?
水分を摂りすぎるのも摂らなさすぎるのも便通に悪影響となれば、水分補給をするときはどのように摂取するのが良いのでしょうか。
まず、食事中の水分補給はコップ1杯程度を目安に、たくさん摂りすぎないように気を付けましょう。
水分は、汁物や野菜、果物からも摂ることができます。食事からも水分が摂れることを考えると、食事中にたくさん水分補給をする必要はないのです。
必要以上にがぶ飲みしてしまうと体に吸収される水分よりも外へ出ていく水分が多くなってしまうため、無意味になってしまう場合も…。ミネラルやビタミン類を含む水分のほうが吸収率は良くなります。飲むだけでなく食事からも摂れることを意識し、良質な水分を効率よく摂ることを心がけましょう。
また、食後すぐの水分補給にも要注意。消化に影響を及ぼす場合があるため、食べ物の消化が終わるまでの3時間程度は、必要以上に飲みすぎないよう心掛けましょう。
なお、食事の30分ほど前までの水分補給であれば、胃液が薄まって消化に影響が出る心配はないといいます。水分補給をするなら、食事と食事の間にこまめに飲むのもおすすめです。
水分補給は、便通対策をはじめ、私たちの健康や美容にとって大切なことです。しかし、その飲み方によっては消化機能や胃腸機能に影響を及ぼし、便通対策としても逆効果となる場合もあることを知っておきましょう。量よりも質、一度にたくさん飲むよりもこまめに少しずつを心がけて、水と上手に付き合いましょう。
【参考】
むくみ防止のために食事の時に必ずやるべき5つのこと|Women’s Health
【管理栄養士執筆】便秘になる3つの原因と対処法|HALLOW
栄養士に聞いた! 腸内を健康に保つために気をつけること 後編|菌トレ