《薬剤師監修》テレビで話題の長寿菌とは? 腸活で健康寿命を延ばそう!

2018.02.05

近年、女性の美容関連のワードの中でも「美腸」「腸活」という言葉がよく見られるようになりましたね。腸は、健康だけでなく、美容の面でも非常に重要な臓器であることが世間にも知られはじめ、腸の中にいる細菌についても注目されるようになってきています。

なかでも、近年では「長寿菌」と呼ばれる、長寿で健康なお年寄りに多い腸内細菌も分かってきました。一体どのような菌なのでしょうか?

日本人の平均寿命と健康寿命の大きな差

2017年7月に、厚生労働省から「2016年簡易生命表」が公表され、平均寿命が男性80.98年、女性87.14年と、いずれも過去最高を更新しました。

しかし、平均寿命が延びたことを喜んではいられません。平均寿命よりも大切なのが、自立した生活ができて「健康で生きられる期間」の指標とされている「健康寿命」です。

この平均寿命と健康寿命の差は、世界的に見ても男性が8.84年、女性が12.35年となっています。世界トップレベルの平均寿命でありながらも、何かしら健康状態に問題を抱えながら日常生活を送っている年数が長く、世界ランキングでも下位に入るくらい深刻な状態です。

つまり、生きているけど健康でない期間が長く、介護・通院・入院している人が多いのです。これをいかに改善していくかが前々からの目標となっています。

健康寿命にも関係する「長寿菌」とは

健康寿命を延ばすことに関係していると考えられているのが「長寿菌」の存在です。

腸には、600兆個以上の腸内細菌が存在することから、「腸内細菌」「腸内フローラ」という言葉も耳にするようになった方も、それに関連した商品を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

理化学研究所特別招聘研究員で、腸内細菌について長く研究を続けている辨野義己氏によると、健康で長寿の方の便から「ビフィズス菌」と「酪酸産生菌」という腸内細菌が多く検出されたことから、この2つの菌を「長寿菌」と定義したとのことです。

注目したい長寿菌のひとつ「酪酸産生菌」とは

長寿菌と呼ばれる菌のひとつ、「酪酸産生菌」は酪酸を作るのが得意な菌です。

この酪酸産生菌が腸内に多く存在することで、酢酸、酪酸、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸が増えます。腸内に短鎖脂肪酸が増えると、腸のぜん動運動が活発化して便通も改善すると言われています。

長寿菌を増やす食べ物

長寿菌をしっかりと腸内で増やしていくためには、まずは「酪酸菌」「ビフィズス菌」などの有用菌を含む酵食品や食物繊維、オリゴ糖などを摂取することがおすすめ。それらが含まれるといわれる漬物や野菜、果物などを普段の食事に少しずつプラスできるよう心がけましょう。

辨野義己氏の研究によると、高カカオチョコレート(カカオ分72%以上)を摂取することで酪酸菌が増えることがわかっています。また、お茶の水健康長寿クリニック 白澤卓二医師によると、韓国の伝統的な家庭料理のひとつで汁気の多い漬物「水キムチ」は食物繊維と乳酸菌の両方が含まれた、腸内環境を良くしてくれる食品なので、長寿菌を増やすためには、積極的に摂取したいメニューです。

腸は私たちの生活に大きな影響を与えてくれる臓器だということが少しずつわかってきました。そんな腸の状態をできる限り良くしていくことで、平均寿命と健康寿命の差が小さくなり、本当の意味で健康な未来が広がるのかもしれませんね。

【参考】
2016年健康寿命は延びたが、平均寿命との差は縮まっていない~2016年試算における平均寿命と健康寿命の差:基礎研レター|ハフィントンポスト
元気に長生きする人の大腸に存在する「長寿菌」とは?
高カカオチョコは腸内で善玉菌を増やす|日経スタイル
長生きの秘けつXを探れ!宮澤エマの日本行脚《大分県》|フジテレビ

この記事を監修してくれた方

author image

宮本知明

薬剤師。総合病院で薬剤師を経験。学生時代の病院・薬局の6カ月の実務実習と薬剤師になってから仕事をしていく中で、患者さんの薬依存の実態、減薬されていかない現状を目の当たりにし、現代医療と薬に疑問を持ち始める。自然療法・心理療法の資格を習得し、講師業・執筆業を通じて薬を減らす健康管理から豊かな人生へ導く「ホリスティックヘルス」を個人・家庭から促す啓蒙活動を現在行っている。
日本ホリスティック医学協会専門会員。日本抗加齢医学会会員。日本プライマリ・ケア連合学会会員。
宮本知明公式ブログ http://holisticpharmacist-tomo.com/

pagetop