その油はおなかに優しい? 中性脂質と腸内細菌の関係

食べ物で変化する腸内フローラ

今、話題の「腸内フローラ」は、なにを食べるかによってその種類が変化します。近年、日本人は食が欧米化してきており、脂質を摂りすぎる傾向にあるのですが、この脂質ももちろん、腸内フローラに影響を与えています。一体この脂質は、腸内にどのような影響を及ぼしているのでしょう?

マウスで比較! 脂質の種類はどんなふうに腸に影響する!?

・飽和脂肪酸を摂ったほうが肥満になった

私たちが、普段の食事で摂る脂質に含まれる脂肪酸には「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類があります。飽和脂肪酸は、乳製品や肉類、熱帯性の植物に多く含まれるもので、エネルギーを作るのに必要な存在です。不飽和脂肪酸は魚、ごま油やアマニ油などシソ科の植物に含まれている脂肪酸で、中性脂肪やコレステロール値を調整する働きがあることから、近年注目されています。

この2つの脂肪酸は、腸内ではどのような働きをするのでしょうか? 飽和脂肪酸(ラード)を多く含むエサと、不飽和脂肪酸(魚油)を多く含むエサをマウスに与えたところ、ラード食のマウスのほうが魚食のマウスよりもより多くのエサを食べる傾向にあり、また体重も増加していることが認められました。

さらに、同じ量を食べてもラード食のほうが体重の増加率が高いうえに、インスリン感受性の低下がみられたのです。これは、インスリンが大量に分泌され、血管に負担をかけるようになっている、ということを意味します。一方、魚油食のマウスは体重が減少し、脂肪細胞の縮小や減少が見られました。

・飽和脂肪酸を摂ると有害菌が増加

ラード食と魚油食のマウスの体重変化では、ラード食のマウスに肥満傾向が見られしましたが、実は腸内にも大きな差異が認められました。ラード食マウスは腸内に炎症を起こすビロフィラ属の細菌が増加したのに対し、魚油食マウスでは体重増加を抑え、糖の代謝を改善する働きがある腸内細菌「アッカーマンシア」の増加がみられたのです。

また、ラード食マウスの腸内には「バクテロイデス」「ビロフィラ」などが増加。バクテロイデスは日和見菌で、条件によって良くも悪くもなる菌です。ビロフィラは有害菌の代表格のひとつで、大腸に炎症を起こすリスクを持っています。ラードをはじめとする中性脂質は、いわゆる有害菌のエサになるため、中性脂質を摂りすぎると腸内環境は有害菌が優勢な状態を引き起こします。有害菌が優勢になれば、健康に良い影響を与える有用菌は相対的に少なくなり、結果腸内環境を悪化させてしまうのです。

・腸内細菌は独立して健康に影響を与える

中性脂質が腸内環境を有害菌優勢に変えてしまうことはわかりました。そこでつぎは、腸内細菌が本体であるマウスにどれほどの影響力を持っているか、便移植で検証する実験を行ってみたところ、魚油食マウスの便を移植されたラード食マウスの腸内環境が改善されたことが、確認されたのです。ラードを食べているにも関わらず、魚油食マウスの腸内細菌を移植されたラード食マウスは、腸内細菌を移植されていないマウスにくらべ肥満率が低下、腸内の炎症も減少。つまり、腸内細菌は独立して肥満や炎症に影響を与えている可能性があるのです。

おなかに優しい油を摂ろう!

食べているものに左右される腸内細菌ですが、同じ脂質でも乳製品や肉類の脂質より、魚の脂質の方がおなかの環境向上には向いていることが、おわかりいただけたのではないでしょうか。とはいえ、実際には魚より肉油を摂りがちなのが現実……。せっかくですのでこれを機に、おなかに優しい脂質を摂って、腸内環境の向上を心がけてみませんか?

【参考】
http://ameblo.jp/healthy-pass/entry-12076753009.html
http://www.skincare-univ.com/article/011174/
https://www.benpikai.com/bakuteroidesu.html
http://woman.excite.co.jp/article/beauty/rid_Leafhide_beauty_news_dFCTGLGnZi/

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