ビフィズス菌が長生きする理由!? 日本人の腸内フローラの秘密

2016.11.07

日本人が長生きする秘密は腸内細菌の影響?

日本人が長生きすることは、世界的にも知られています。WHOの統計によると、日本人の2015年の平均寿命は83.7歳。20年以上も「世界一の長寿国」の地位を守っています。食生活や医療技術の向上も関係していますが、実は日本人の腸内には、有益な菌が外国人よりも多いことがわかっています。そして、その菌の働きが世界一の長寿や肥満率の少なさを実現しているのではないか? と最近注目を集めているのです。腸内細菌の種類は、食生活によって異なってくるので、腸内フローラには地域ごとの特色が現れます。日本人のおなかのなかには、どんな菌が住んでいるのでしょうか?

日本人の腸内は世界的に見ても優秀

腸内に住んでいる細菌は、その様子が群生する花のように見えることから、腸内細菌は腸内の花畑、腸内フローラとも呼ばれます。この腸内フローラの様子は、以前は人種によって異なっていると考えられていましたが、最近の研究では、人種よりも食生活に左右されることがわかってきました。

・日本人のおなかにはビフィズス菌が多い

早稲田大学理工学術院先進理工学研究科の服部正平教授らを中心とする共同研究グループが日本の他、ヨーロッパ、北米、南米、中国など12カ国のヒト腸内細菌叢データの比較解析を行ったところ、他の地域の人々とくらべ、日本人のおなかにはビフィズス菌が多いことが判明しました。

・体にいい海藻を消化できる細菌が住んでいる!

日本人の約9割に、海藻を消化できる細菌が腸内にいることも判明しました。他国の腸内では、海藻を消化できる細菌の生息率は0~15%程度なので、日本人の腸は海藻の消化吸収率が抜群にいいといえます。

・日本人の腸内は平和

また、他国の人々の腸とくらべ、日本人の腸内には、DNAの修復・複製に関わる細菌が少ないこともわかりました。これは日本人のおなかは平和であり、DNAが傷つけられることが少ないためだと考えられています。

・日本人の腸内細菌は効率よくエネルギーを作れる

日本人のおなかは、ビフィズス菌だけでなく、他国の人々の腸にくらべると炭水化物やアミノ酸の代謝を助ける機能を持つ細菌が多いのも特徴です。つまり、日本人のおなかは効率よくエネルギーを作り出せるのです。また、炭水化物を分解すると発生する水素を使って、酢酸など他の栄養分を作り出すことができる腸内細菌が多く住んでいることもわかりました。

他の地域の人のおなかでは、水素から使い道がないメタンガス(ゲップやオナラ)を作る細菌が多いのですが、日本人の腸内フローラは、使い道がないメタンガスではなく、使い道がある栄養素を作り出せます。つまり、効率よくエネルギーを作り出せるだけでなく、無駄なく栄養分を作ることができる腸内細菌を持っているのです。日本人の呼気のなかにメタンガスが少ないことは以前から知られていましたが、その理由として日本人特有の腸内フローラが関係していたことも、今回の調査によって明らかになりました。

オリジナリティあふれる日本人のおなか

腸内フローラは食生活に大きく影響を受けており、腸内細菌をグループ分けすると、日本人はフランスやスウェーデンの人々の腸と似た腸を持っているといわれています。ちなみに、地域的には日本と同じ東アジアに位置する中国は、アメリカと近いグループだそう。長い歴史のなかで育まれたオリジナリティあふれる腸内フローラのおかげで、日本人は長寿や、肥満率の低さを実現できているのかもしれません。

【参考】
https://www.waseda.jp/top/news/39021
http://mainichi.jp/articles/20160412/k00/00e/040/210000c
http://www.j-cast.com/healthcare/2016/04/22264554.html
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG19H96_Z10C16A5CR8000

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