<専門家直伝>肛門筋トレでスリムボディになるってホント? 後編

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加齢や肥満、出産などにより、筋力が衰えやすくなる肛門挙筋や肛門括約筋などの「肛門筋」。骨盤底筋群の一部である筋肉を鍛えることで、内臓器を支えている骨盤の位置が安定すること、また連動しているさまざまな筋肉を鍛えることにつながるため、結果としてヒップアップや下腹スッキリなどのダイエット効果が期待できます。

前編では、女性医療クリニックLUNA・ANNEX内にあるLUNAヘルススタジオ専任トレーナーの峯尾賢さんに、肛門筋を鍛えることでスリムアップ効果につながる理由をうかがいました。後編では、肛門筋を鍛えるエクササイズの中でもとくにスリムアップが期待できる運動や、日常生活で簡単にできる筋トレ方法などを紹介します。

筋肉の動きと呼吸を意識することがポイント

自分の意思で動かすことのできる筋肉を「随意筋(ずいいきん)」といいます。肛門まわりの筋肉をはじめとした骨盤底筋群を鍛えるエクササイズをする際、この随意筋を意識的に動かすと、より効果がアップします。

「肛門挙筋や肛門括約筋、骨盤底筋群を動かすと、内転筋や臀筋、腹横筋などの筋肉が共同筋群として働きます。エクササイズをするときは、この共同筋群を意識しながら動かしましょう。またエクササイズする際の呼吸は、内臓を支えている横隔膜や肋間筋に作用します。息を吸って吐くという動作を意識しながら呼吸しましょう」

スリムアップ効果のあるピフィラティス3種

骨盤底を支える筋肉群を鍛えることを目的に開発されたピフィラティスには、どのエクササイズにも必ず「リップス」「ホールド」「パルス」という3つの動きが含まれます。

リップスは、同じ動きを繰り返すこと。ホールドは、動作を数秒間とめること、パルスは、腹式呼吸をしながら体を小刻みに弾ませることを意味します。

ここで、ピフィラティスの中でも、とくにスリムアップ効果が期待できる3つのエクササイズを紹介します。

<スクワット(ワイドスタンス)>

1.足を肩幅より広く開いて立つ。腕を前に伸ばし、両手をクロスさせる。

足はできるだけ広げた方がより効果が期待できます
足はできるだけ広げた方がより効果が期待できます

2.息を吸いながらひざを曲げてお尻をおろし、息を吐きながら戻る。これを3回繰り返す。

お尻を落とすときは、ひざがつま先よりも前に出ないようにします
お尻を落とすときは、ひざがつま先よりも前に出ないようにします

3.3回目はお尻をおろした状態で動作をとめたまま、3秒間呼吸する。

4.3の状態のまま、「ハッハッハッ」と腹式呼吸をしながら体を上下に小刻みに弾ませる。

スクワットをするときに意識したいのが、内転筋群。お尻をおろしたときに足のつけ根あたりで筋張っている筋肉の総称です。

「内転筋群をぐっと絞り込みながらお尻に力を入れて体を伸ばしていくと、ヒップアップに効果があります。また、太ももの前側にある大腿四頭筋も同時に鍛えることができます」

尿漏れや泌尿器トラブルのある人は、両足の幅を腰幅に狭めておこないましょう。また、体に負担がかかる場合は中止するなど、無理のない範囲で試してください。

<サイドレイイング・ストレートレッグサークル>

1.横向きに寝転がり、下の腕は肘を曲げて頭の下に置き、もう片方の腕は体の前に置いて、手のひらで地面を支える。下の足は地面につけた状態でひざを90度くらいに曲げて、もう片方の足は地面に対して45度の角度に開く。

2.呼吸をしながら、開いている方の足を後ろから前、前から後ろに3回ずつ回す。

お尻の筋肉を意識して足を動かします
お尻の筋肉を意識して足を動かします

3.1の状態に戻ったら、動作をとめたまま3秒呼吸する。

4.そのまま「ハッハッハッ」と腹式呼吸をしながら、上げている足を上下に小刻みに弾ませる。

5.体の向きを変え、反対の足で1~4までを繰り返す。

「サイドレイイング・ストレートレッグサークルは、お尻の辺りに位置する中殿筋(ちゅうでんきん)に効くため、ヒップアップ効果を感じられます」

<ブリッジ>

1.仰向けに寝て、両ひざを曲げたら両ももの間にボールをはさむ。腰を床につけて、平らな状態にする。

ひざは90度よりも広めの角度で曲げます。ボールがなければ枕をはさんでもOKです
ひざは90度よりも広めの角度で曲げます。ボールがなければ枕をはさんでもOKです

2.息を吐きながら骨盤を後傾させ、吸いながら骨盤を前傾させる。これを3回繰り返す。

下腹を突き出すようにして、骨盤をぐっと後ろへ引きます
下腹を突き出すようにして、骨盤をぐっと後ろへ引きます
下腹をへこますようにして、骨盤を前へ動かします
下腹をへこますようにして、骨盤を前へ動かします

3.3回目は骨盤を後傾させたまま動きをとめて、3秒呼吸する。

4.3の状態のまま「ハッハッハッ」と腹式呼吸しながら、骨盤を前後に小刻みに弾ませる。

ブリッジは骨盤底筋を鍛えると同時に下腹部の筋肉を鍛えるため、ポッコリおなかの改善に効果が期待できます。また、内転筋や太ももの裏にある大腿二頭筋や半腱様筋、半膜様筋などのハムストリングを鍛えることにもつながります。

これら3つのエクササイズを、できれば毎日朝晩おこなうといいそうです。

「どのエクササイズも最初は、3回繰り返して、3秒とめて、3回弾ませるところから始めてください。慣れてきたら5回繰り返して、5秒とめて、5回弾ませる。さらに、10回繰り返して、10秒とめて、10回弾ませるとより効果があります。毎日続ければ2カ月くらいで効果を感じてもらえると思います」

日常生活の中でできる肛門筋トレ

エクササイズ以外に日常生活の中で簡単にできる肛門筋トレとして、峯尾さんがおすすめするのが歩くことです。姿勢や目線などのポイントを押さえておくと、より効果的だといいます。

「歩くときは、姿勢を正して、少し遠くに視線を向けましょう。少し息があがるくらいの早歩きをすると、有酸素運動になり、心肺機能を強くすることにもつながります」

正しい姿勢がわからないときは、壁を使うといいそうです。まずは、壁に頭と肩とお尻をつけて、耳と肩の中心と大腿肢が一直線になるように立ちます。そのままの姿勢で下腹に力を入れ、足を前に出して歩き出せばOKです。

また、ウォーキングの合間の信号待ちにも、気をつけるポイントがあるそうです。

「手を前に回していると肩が落ちて背中が丸くなり、筋肉がゆるんでしまいます。手はなるべく腰ぐらいまで引き上げて後ろに回しておくと、体の筋肉を鍛えられます」

ただし、肩・肘・腰を痛めている人は、無理をしないように、できる範囲でしてください。

肛門まわりの筋肉を鍛えることは、スリムアップ効果に加えて、将来の健康にも役立ちます。まずは、エクササイズやウォーキングを毎日の習慣にするところから始めてみましょう。

前編はこちら
<専門家直伝>肛門筋トレでスリムボディになるってホント?

【取材協力】

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峯尾 賢

鍼灸マッサージ師・健康運動実践指導者・メディカルトレーナー・PfilAtesTMインストラクター・ダイエットアドバイザー。ANNEX内にあるLUNAヘルススタジオで、パーソナルトレーナーと鍼灸治療を担当。

LUNAヘルススタジオ:http://www.luna-clinic.jp/column/medical29.html

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