《医師に聞く》ビールがおいしい夏! 飲んだ翌日におなかが緩くなる理由と対処法は?

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いよいよ夏本番。この季節は冷たいものが飲みたくなるものです。仕事帰りや自宅でひと息ついたあとは、大人になるとお酒も恋しくなりますよね。「とりあえずビール」というフレーズもあるくらい、1杯目の定番ともいえるビール。人によっては、1杯どころか「ついたくさん飲んでしまう」ということも多いかもしれません。

お酒を飲み過ぎると頭痛、吐き気、二日酔いなどの症状が現れるのはよくある話。一方で、「ビールを飲み過ぎるとおなかが緩くなる」という声も聞きます。いったいなぜ、おなかの調子が悪くなってしまうのか。ビールの飲み過ぎによっておなかが緩くなってしまう理由と、その対処法について、鳥居内科クリニックの鳥居明院長にうかがいました。

おなかが緩くなる原因は「腸管への刺激」

鳥居先生によれば、ビールを飲んでおなかが緩くなる症状は「ありえる」といいます。その主な原因は「腸管に対する刺激」です。冷たい液体を摂取すると腸管が刺激されますが、特に、炭酸飲料を飲むとより強く刺激されてしまうそうです。

なかでもビールは原材料もおなかが緩くなる原因となりえます。鳥居先生によると、ビールに含まれる酵母はそれ自体も腸管を刺激する作用があり、人によっては「小麦および酵母によるアレルギー反応」が起きる場合もあるといいます。

また、ビールのおいしさを表現するとき「キンキンに冷えた」というフレーズを使うことも多いのではないでしょうか。よく冷えたビールはのどごしもさわやかで、一度にたくさんの量を飲めてしまいます。さらに、酵母などの要因が重なることで「腸で水分がじゅうぶんに吸収されないまま便を排出しようとするため、便が緩くなる」というメカニズムになるそうです。

ビールに欠かせないおつまみ。でもこんな食べ合わせは要注意

ビールに合うおつまみといえば、枝豆や冷奴などのさっぱりとしたものから、焼き鳥やぎょうざなど、こってりとしたものまでさまざまです。ビールには欠かせない存在ではありますが、食べ合わせによってはおなかに悪影響を与えてしまう食べものもあるようです。

鳥居先生によれば、おなかが緩くなる食べ合わせとして気をつけたいのは、枝豆やトウモロコシといった「消化に悪いもの」。ほかには、冷奴のような「冷たいもの」や揚げ物などの「油もの」も該当するそうです。これらは「炭酸系発泡酒」と「アルコール度数の高いお酒」を飲むときも要注意だといいます。

こうしてみると、定番のおつまみはどれも気をつけておきたいものばかり。とはいえ、どうしても飲みたいというときもありますよね。そんなときは「とにかく適量を、ゆっくり飲むようにしてください。多量摂取は禁物です。また、温度も腸管に影響を与える要素となるため、冷えすぎたビールはなるべく避けるようにしましょう」と鳥居先生はアドバイスをくれました。

何ごともほどほどに。おなかが緩くなるのを防ぐために、節度をもって飲むようにしましょう。

まずは市販の薬を服用、1週間以上治らない場合は病院へ

飲み方に気をつけていたつもりが、ついつい飲みすぎてしまったという日もあるかもしれません。では、ビールの飲み過ぎによっておなかが緩くなってしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。鳥居先生は「まず症状が軽い場合には、整腸薬や下痢止めを内服してください」と教えてくれました。

ただ、市販薬で改善すれば問題ありませんが、もっとひどい症状になるケースもあります。飲んだ翌日から吐き気や腹痛をともなう場合は、感染性腸炎などにかかっている可能性もあるそうです。

そのため、病院にかかるという心がまえも大切です。鳥居先生は「水分摂取が不可能、便に血液が混じるなどの症状が現れた場合、また1週間以上経っても改善しない場合は病院を受診してください。専門は消化器内科ですが、一般内科でも大丈夫です」と話していました。

食事の時間と、ストレスも原因の一つ

おなかが緩くなりやすいというのは、体質の問題も考えられます。そんな人たちのために、日常生活で気をつけておくべきポイントについてもうかがいました。

鳥居先生によれば、おなかが緩くなるそもそもの要因は「食事」と「ストレス」とのこと。たとえば、夜遅い時間に何かを食べることや、忙しくて食事の間隔が不規則になることが習慣になっている人は要注意。食べ過ぎも同様です。また、人によっては「仕事などのストレスをため込むことによっておなかが緩くなる」という場合もあるそうです。

対策として心がけておきたいのは「規則正しい生活と、ストレスを解消するための適度な運動」です。体の健康を考えるとごく当たり前な話にも聞こえますが、おなかの調子を整える上でも生活習慣を見直すのが一番の近道といえます。

おなかが緩くなる原因にはさまざまなパターンがありますが、ビールの飲み過ぎもその一つ。暑い時期には「ビールをめいっぱい飲みたい!」という気持ちがわいてくるものですが、飲んだ翌日に辛い思いをするのは避けたいものです。おなかの冷やしすぎやおつまみの種類にも注意しつつ、適量をゆっくり飲むよう心がけましょう。

【取材協力】

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鳥居内科クリニック/鳥居明院長

日本内科学会認定医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医。東京慈恵会医科大学医学部卒業。同大学院博士課程修了。神奈川県立厚木病院医長、東京慈恵会医科大学附属病院診療医長、東京慈恵会医科大学助教授を経て、鳥居内科クリニックを開設。現在、東京都医師会理事。

鳥居内科クリニック:http://www.torii-naika.com/

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