腸の長さは何メートル? 体の中で一番長い「腸」の知られざるしくみ

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毎日のお通じには気を配っていても、腸を意識した生活を送っている人は、あまり多くはないかもしれません。「腸の長さは何メートルか知ってる?」と聞かれて即答できる人は、どのくらいいるでしょうか?

腸は、食べ物を消化し便を作るだけでなく、健康をキープするためにも大切な器官です。気になる働きや特徴、雑学について詳しく紹介します。

小腸ってどんな役割でどのくらい長いの?

小腸は十二指腸と回腸、空腸からなる臓器です。酵素をたくさん含んだ小腸液が作られており、胃から運ばれて来る食べ物をほぼ完全に消化・吸収する役割があります。

小腸は体の中でも一番長い臓器で、まっすぐ伸ばすと6〜7mあります。実は、腸は栄養を消化・吸収する突起物などで何層にもなっており、それらをすべて広げると、テニスコート1面分の面積になるといわれているそうです。こんなにも長く内部も複雑な臓器が、私たちのおなかの中に詰まっているなんて不思議ですね。

小腸の表面にあるヒダの役割は?

ここまで表面積が広い臓器である秘密は腸の表面の構造にあります。小腸の内壁にはひだがあり、表面には絨毛(じゅうもう)と呼ばれる無数の小突起を形成しています。

絨毛の根元からは消化酵素が分泌されており、胃で消化された内容物をぜん動運動によって先へ送りながら、さらに分解を進めます。消化された栄養素は、表面にある微絨毛(びじゅうもう)から吸収。そして、血管を通して、水やミネラル、ブドウ糖、アミノ酸、ビタミンなどを体の隅々まで送ります。

大腸ってどんな役割でどのくらい長いの?

大腸は、消化の最終段階を担う器官で、水分やミネラルを吸収し、便を作りためておく役割があります。大腸にも粘液がありますが、消化酵素は含まれず、粘膜の保護と便をスムーズに運ぶ働きをします。

長さは小腸よりも短く1.6〜2mくらい。大腸の内壁を全部広げると、その表面積は、テニスコート半面分にもなるのだとか。また、大腸には小腸のようなヒダは存在せず、つるりとしています。

大腸の各部分の役割は?

大腸は、盲腸、結腸、直腸にわかれます。盲腸は、小指くらいの虫垂という袋があるのが特徴。しかし、特別な働きはしておらず、退化した器官と呼ばれているそうです。

結腸には、水分を吸収し便を作る機能があります。そのほか、ナトリウムなどの電解質、小腸で消化しきれなかったたんぱく質や炭水化物を分解・吸収します。
直腸は、便を一時的にためておく器官です。便でいっぱいになると腸の一部が動くことで肛門の筋肉が開き、排泄したくなります。盲腸は、消化には関わっていません。

「欧米人に比べ日本人の腸は長い」という説は都市伝説?

「農耕民族である日本人の腸は、狩猟民族で肉食の欧米人に比べて長い」という噂を聞いたことがある人もいるかもしれません。しかし、この噂には正確な証拠がなく、都市伝説のようです。

民族差よりも身長差や性差の方がはっきりしているそう。女性よりも男性の方が長いという報告もあるようです。

腸は「幸せ」をコントロールする器官でもある!?

私たちは幸福だという気持ちを脳で感じていると思っていますが、実は喜びや快楽を伝える脳内伝達物質「セロトニン」の約90%は腸内にあり、脳には2%ほどしか存在しません。

それは、セロトニンが食物からでしか吸収できない必須アミノ酸を原料のひとつとしているからです。セロトニンを合成するのも腸内細菌の仕事なのだそう。

また、ストレスを感じたときに心身を防衛するためにもセロトニンは分泌されますが、それが過剰だと腸が不規則に収縮して、男性は下痢に、女性は便秘になりやすくなります。よく緊張すると「おなかがギュルギュルする」と訴える人がいますが、これは脳以上に腸が大きく関係しているそうです。

小腸は栄養の消化と吸収、大腸は水分の吸収と便をためておく臓器と、腸の中でも、それぞれ役割が別れていることがわかりました。消化以外にもさまざまな役割を果たしている腸。毎日を健康に過ごすためにも、暴飲暴食を避け、大切にしたいものです。

【参考】
『運動・からだ図解 栄養学の基本』(マイナビ出版)
日本医師会「健康の森」
https://www.med.or.jp/forest/robot/03syouka/index.h

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