国内初の便秘診断「慢性便秘症診療ガイドライン」でお腹の調子をチェック!

pixta_25266992_M

便秘になると、お腹がぽっこりするだけでなく、腹痛や違和感を覚えたり、肌荒れや体の重さを感じたりする人もいると思います。
一説によると、慢性的に快適な便通がない便秘患者は、日本に1万人存在するといわれています。ところが、便秘は症状が多様なため診断が難しく、適切な治療が行われにくい現状があります。

そこで2017年10月、消化器内科医らで組織する「慢性便秘の診断・治療研究会」が、臨床の現場の助けになることを目的として、日本初となる便秘のガイドライン「慢性便秘症診療ガイドライン」を作成しました。なんとなくお腹が詰まったら便秘だと思っていた人は、紹介するガイドラインにそって、自分のお腹の具合を確認してみましょう。

「便秘」には思わぬ病気が隠れていることも

日常生活に支障がない程度の便秘ならば、市販の便秘薬などで済ませてしまう人も多いはずです。しかし、便秘はたいしたことないと軽視しすぎるのは考えものです。

特に高齢者の便秘には思わぬ病気が隠れていることも研究結果でわかってきました。また、高齢化が進む現在では便秘が腸に穴が空いてしまう「宿便性腸穿孔(しゅくべんせいちょうせんこう)」も増加していることから、多くの病院で対応に困るケースが増えているそう。なお、便秘の悩みは女性だけの問題ではなく、加齢と共に男性の患者も増え、80歳以上では男性が女性を上回る結果も出ています。

こうした厳しい現状に、診断・治療体制を整える必要があるということで、消化器内科医らによる「慢性便秘の診療・治療研究会」によってこのガイドラインは作られました。

ガイドラインが定める便秘の定義とは?

さて、気になるのはどういう状態が「便秘」といえるかです。今までは多くの場合、「3日以上排便がない、または毎日排便があっても残便感がある場合」を便秘としてきましたが、このガイドラインでは〈本来なら体外に排出すべき便を、十分量かつ快適に排出できない状態〉を指すそうです。

つまり、仮に週に3回程度の排便でも、残便感がなければ、問題がないとしています。それよりも排便困難や残便感があることに注目し、便秘であるかどうかを見極め、治療が必要なのかどうかを決めるとのこと。

今までと便秘の診断基準が違うことはわかりましたが、ここで気になるのが、ガイドラインは何を理由に便秘と定めるのかという点です。その基準には、「ブリストルスケール」という分類方法を用います。

便の形状を分類する「ブリストルスケール」とは?

イギリスにあるブリストル大学が1997年に開発した「ブリストルスケール」では、便の形を以下の7タイプに分類します。
1:コロコロした便
2:ソーセージ状だが硬い便
3:表面にひび割れのあるソーセージ状の便
4:軟らかいソーセージ状の便
5:軟らかい半固形の便
6:泥状の便
7:水様便

ガイドラインでは、4を理想的な便とし、すっきりと出しきれるといいます。一方、1や2のような硬い便になると、全てを出しきることはできず、排便後に残便感があるそうです。この場合排便の回数は関係がありません。重要なのは、腹痛や腹部膨満感、残便感がないことです。

今までの基準だと、排便の回数が多いということだけに注目して、「下痢」と診断してしまう医師もいたそうです。この間違いを避けるため、ブリストルスケールを参考にした便の形による、排便の回数に注目するようです。ちなみに、泥状の便と水様便はガイドラインでは、下痢と判断します。最終的には熟したバナナくらいの軟らかさと形の便になることを治療のゴールとガイドラインは定めます。

快便と咀嚼の関連性

便秘改善方法に関しては、快便の人の生活習慣に注目する研究も進んでいるようです。60歳以上の女性では、ダイエット経験がある人や昼食摂取が少ない人ほど便秘になる人が多いとのこと。また、快便の人の場合、女性では一口あたりの咀嚼(そしゃく)が30回以上、男性の場合は1日当たり1500ミリリットル以上の水分を摂取しているということを指摘する研究もあり、ガイドラインではその部分にも注目しています。

便秘はひどくなると生活に支障が出たり、他の病気の原因にもなったりする可能性があります。「慢性便秘症診療ガイドライン」が作成されたことを機に、適切な治療が近くの医療機関で受けられるようになると心強いですね。


【参考】
下剤と食物繊維は大間違い 便秘治療はタイプ分類がカギ(日刊ヘルスケア)
https://hc.nikkan-gendai.com/articles/218417?page=1
初の便秘「診療ガイドライン」まとまる 解消に効果とされた食物繊維やヨーグルトが実は…(産経ニュース)
http://www.sankei.com/premium/news/171202/prm1712020009-n1.html
便秘解消に前進? 初のガイドラインの気になる中身(NIKKEI STYLE)
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO25981140S8A120C1000000?channel=DF140920160927

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
pixta_25266992_M

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

おすすめ記事