《専門家監修》逆効果だった? 納豆・ヨーグルト・りんごが合わない人もいる!?

腸に良いもの逆効果

腸内環境を整えるために、「乳酸菌」を含むヨーグルトをはじめ、「オリゴ糖」を含むごぼうや玉ねぎ、豆類、便秘解消に良いといわれるりんごを食べてもお腹の調子が良くならない…。そんな方は、もしかしたら良かれと思っているその食べ物が逆効果になっているのかもしれません。おなかの調子がなかなかすぐれない人は特に注目したい、「低FODMAP食」についてご紹介します。

FODMAP(フォドマップ)とは何か?

「FODMAP」とは6種の糖質の頭文字を取ったもので、それぞれのアルファベットは次のような糖質を示しています。

【F0】→Fermentable Oligosaccharides:発酵性のオリゴ糖(特にガラクトオリゴ糖とフルクタン)
  ガラクトオリゴ糖…レンズ豆、ひよこ豆など
  フルクタン…小麦や玉ねぎなど
【D】→Disaccharides:二糖類(特に乳糖)
  乳糖(ラクトース)…牛乳、ヨーグルトなど
【M】→Monosaccharides:単糖類(特に果糖)
  果糖(フルクトース)…果実、はちみつなど
【A】→and
【P】→polyols:ポリオール(糖アルコール)
  糖アルコール…ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール

これらの糖質は小腸で非常に吸収されにくく、これらを多く含む「高FODMAP食」を食べると小腸の中で糖質の濃度が高まります。すると濃いものを薄めようとする体の性質によって、血管内から腸管内に水分が過剰に引き込まれ、結果として小腸が刺激されてお腹がゴロゴロし、下痢や痛みが出るという仕組みです。

さらに大腸まで到達すると大腸内の腸内細菌と反応して異常な発酵を起こし、ガスがたまりお腹がパンパンになるような症状や、便秘の引き金にもなります。

納豆、ヨーグルト、りんごは「高FODMAP食」だった!

高FODMAP食を避ける食事を3週間続けると腹痛や下痢などの症状が驚くほど良くなる方もいるそうで、実際に過敏性腸症候群の人の7割以上に、胃腸の機能回復が見られたというデータもあります。

過敏性腸症候群は、腸に炎症やポリープなどの疾患がないのに、慢性的に腹痛をともなう下痢あるいは便秘が起こり、排便すると痛みが軽くなるのが特徴です。原因には、ストレスや自律神経の異常が考えられてきましたが、近年は新しい対策法として、小腸の刺激や大腸での異常な発酵を引き起こしやすい食事を避ける食事法、「低FODMAP食」がオーストラリアのモナッシュ大学によって開発されました。

一般的に腸に良いものとして有名な納豆、ヨーグルト、りんご、ごぼう、玉ねぎ、大麦などはいずれも高FODMAP食に該当します。つまり、普段からお腹の調子が悪い人にとっては逆効果になっていたのかもしれません。

「低FODMAP食」を実践するには

では、どんなものが「高FODMAP食」「低FODMAP食」に分類できるのでしょうか?詳しく見てみましょう。

<主食>

低FODMAP食…米、玄米、10割そば
高FODMAP食…小麦製品
※フルクタンを含むので、パンや麺類も小麦入りだと高FODMAP食に該当

<主菜>

低FODMAP食…肉、魚、貝類、卵
高FODMAP食…大豆製品と乳製品
※乳製品は、乳糖の少ないバター、カマンベールチーズ、チェダーチーズ、ゴルゴンゾーラ、モッツアレラチーズ、パルメザンチーズであればOK
※大豆製品も、木綿豆腐と大豆抽出物から作られた豆乳はOK

<副菜(野菜)>

低FODMAP食…なす、トマト、ブロッコリー、にんじん、ピーマン、ほうれん草、かぼちゃ、きゅうり
高FODMAP食…アスパラ、豆類、ゴーヤ、ねぎ、玉ねぎ、にんにく、ニラ、カリフラワー、ごぼう、さつまいも

<副菜(果物)>

低FODMAP食…バナナ、いちご、ぶどう、メロン、キウイフルーツ、オレンジ
高FODMAP食…りんご、すいか、もも、梨、グレープフルーツ、アボカド、柿

ただ、高FODMAP食に当てはまる食材の中でも人によってはお腹の調子が崩れないものもあるようです。量も関係あるので、少量ならOKの場合もあります。
まずは一度高FODMAP食のものを3週間抜いてみてから、どれなら食べても調子が悪くならないのか、試していくと良さそうです。

腸内細菌健康法で効果がないなら低FODMAP食も試す価値あり

低FODMAP食はあくまでもお腹の調子が悪い人に向けた食事法です。納豆、ヨーグルト、りんごなどは、問題のない人にとっては食べた方が腸内細菌のはたらきを助けます。

いわゆる腸内細菌健康法を行なっていてもお腹の調子が優れないような場合は、低FODMAP食を試してみるという方法も選択肢として増やしてみてくださいね。


【参考】
過敏性腸症候群|武田コンシューマーヘルスケア株式会社
http://takeda-kenko.jp/navi/navi.php?key=kabinseityou
Low-FODMAP Diet for Treatment of Irritable Bowel Syndrome
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3966170/
『パン・豆類・ヨーグルト・りんごを食べてはいけません』江田証著(さくら舎)
『過敏性腸症候群の低フォドマップ食』宇野良治著(Office Uno Column)

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