納豆文化は日本だけじゃない!のびる世界中の“ナットウ”文化

納豆文化は日本だけじゃない!のびる世界中の“ナットウ”文化

納豆は大豆を使った、日本の伝統的な発酵食品です。食卓で目にする機会も多い定番食品ですが、じつは納豆のような大豆の発酵食品は日本特有のものではありません。そこで今回は、国によって作り方・食べ方もさまざまな、海外の“ナットウ”文化を紹介します。

新聞紙と段ボールで作ることも!? ヒマラヤ地方のナットウ「キネマ」

納豆のような文化がみられる最西端の地といわれているのが、ネパールやブータンといった国がある、ヒマラヤ山脈周辺の地域です。ここでは、「キネマ」という大豆発酵食品が作られています。日本の納豆との違いは、大豆をそのまま発酵させるのではなく、軽く潰してから発酵させるところです。粒状とひきわり状の間くらいの形になったキネマは、粘りのある糸を引き、発酵にシダ植物の葉を使うのが特徴です。ほとんどが干して保存用に加工され、カレーに入れるなどして食べられています。味噌のように、調味料という認識が強いのかもしれません。

基本的に、キネマの発酵は葉をしきつめたカゴなどに、茹でた大豆を入れておこないます。しかし、なかには段ボールに新聞紙をしきつめて発酵させる人もいるそうで、手軽に作れる発酵食品として浸透しているようです。

タイ周辺ではせんべい型が主流! 調味料としても活躍

タイやラオス、ミャンマー、中国の雲南省などの地域には、タイ語やラーオ語を話すタイ諸族が暮らしており、「トゥアナオ」と呼ばれるナットウを食べています。

トゥアナオの多くは、大豆の原型を留めていません。塩などの各種調味料を加えたひきわり大豆を、ピンポン玉ほどの大きさに丸め、叩いて平たく伸ばし、天日干しした「せんべい」のような型が一般的です。ご飯のおかずにしたり、箸休めに少しちぎったり、叩いて粉末状にしたものを茹でた野菜などにつけるなどして食べています。

タイやラオスではほかにも、せんべい型に加工する前のひきわり状のものを調味料として炒めものやスープに加えたり、モチ米につけて食べたりすることもあるそうです。

ミャンマーには日本と同じ糸引きナットウもあり!

ミャンマーでは、トゥアナオのほかに、「ペーボゥッ」とも呼ばれるナットウもあります。ペーボゥッは地域によって形状も作り方もさまざまですが、北部には日本と同じように糸を引くタイプもあるそうです。市場では植物の葉に包まれて売られており、茹でた大豆を葉で包み、糸引きを強くするために囲炉裏などの暖かい場所に置いて発酵させるのだそう。このあたりでも、ワラで包んで作る日本の納豆に近いものがありますね。

さらに、ミャンマー北部・カチン州ジンポーの人たちは、ペーボゥッをご飯のおかずとして食べるらしいです。なお食べる際は、醤油ではなく、トウガラシ、タマネギなどを混ぜるそうです。

納豆のような発酵食品の文化が世界にあるなんて驚きですね。大豆と人類のなが—いつき合い、ぜひ納豆を食す際に、思い出してみてください。

(文/五十嵐綾子)


【参考】
『納豆の起源』 横山智著(NHK出版)
研究ノートアジアの大豆発酵食品
http://nh.kanagawa-museum.jp/files/data/pdf/tobira/9-4/tobira35_3degawa.pdf

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