「女子トイレ研究室」10月勉強会①レポート その1:生理痛とPMS(月経前症候群)を乗り切ろう

女子トイレ研究室その1

女性同士でもトークするのはちょっと恥ずかしい…だけど気になる“トイレ”という視点から、女性の排泄や月経、そして健康全般を考えるイベント「女子トイレ研究室」。10月1日(日)、東京・渋谷にて「生理痛とPMS」をテーマにイベントが開催されました。

女性独自の悩みながら、同性同士でもオープンに話し合う機会が少ない生理の話題。その中でも辛い症状に悩まされる生理痛とPMS(月経前症候群)について、慶應義塾大学医学部 産婦人科学教室の飯田美穂先生が、わかりやすく教えてくれました。

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会場は、可愛らしいうさぎの看板が目印です。

知っているようで知らない「生理と生理痛」が起きる仕組み

人によっては動けないほどの痛みを伴う生理痛は、どのようなメカニズムで起きているのでしょうか。

「生理が終わると、子宮内部は口の中のようにつるっとなります。その後妊娠に備えて、子宮内膜が厚くなり、それが剥がれ落ちることで生理が起きます。その時「プロスタグランジン」という子宮の筋肉を縮ませるホルモンがでるため、生理痛が起きます」(飯田先生、以下同)

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今回講師を勤めてくださった、飯田美穂先生。

「痛み止めを飲んでも効かない」「痛みが強すぎて学校や職場に行けない」こういったレベルになるとただの生理痛ではなく、「月経困難症」と呼ばれるそうです。
月経困難症には、体質が原因で起こる「機能性月経困難症」と、子宮内膜症などが原因で起こる「器質性月経困難症」の2種類に分けられますが、自分自身ではどちらのタイプか区別することは難しいそうです。

「月経困難症の症状のことだけで病院に相談へ来る女性って、実はあまり多くないんです。毎月市販の痛み止めで我慢していて、でも効かなくて、ある時救急車で運ばれてくる人も多いんです。もし毎月強い生理痛を感じるなら、一度は病院を受診し、治療すべき病気が隠れていないかなど、専門医に診てもらってください」

PMS(月経前症候群)が起きる原因とは?

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女性の中でもまだまだ知られていない「PMS(月経前症候群)」。原因については実は確実にわかっていることは少なく、現在わかっている原因の1つには、「プロゲステロン」という黄体ホルモンが関係しているそうです。

「生理の終わりから出始める『エストロゲン』は、“ハッピーホルモン”と呼ばれており、出ている時期はカラダも心も好調です。一方、排卵後から出始める『プロゲステロン』は一般的にエストロゲンと反対の働きをし、むくみやうつうつとした気分になるなど、心身ともに不調になることが多いのです」

PMSが重症化すると「PMDD(月経前不快気分障害)」と呼ばれ、重症の場合は自殺などの危険性もでてきます。ここに至る前に、なにかしら対処が必要だそうです。

生理やPMSをコントロールする方法

不快な生理やPMSですが、実は症状や状態によって様々な対処方法があります。その1つが「低用量ピル」です。日本ではまだまだ広がっていない低用量ピルですが、生理痛・PMS対策として有効といいます。

「ピルはリスクが大きくとりあげられがちですね。発売当初は血栓症などの症例が話題になりました。しかし現在は、ピルに含まれるホルモンの量が少なくなったことで、その頃と異なり、さまざまなリスクが軽減されながらも、生理痛やPMSの緩和といった効果を発揮することが分かってきています。もちろん一部の方には今も勧められませんが、生理やPMSに悩む方は、一度医療機関に相談するとよいでしょう」

低用量ピルを使用できない人は以下のとおり。

・35歳以上で、1日15本以上タバコを吸う方
・50歳以上、または閉経後の方
・重度の高血圧の方
・糖尿病の合併症がある
・妊娠の可能性がある
・産後4週以内である
・授乳中である
・手術前後
・心臓や脳・肝臓の病気がある方
・片頭痛(前兆あり)の方
・乳がんの方
・血栓症になったことがある方
など

気になる方は一度医療機関の受診をしても良いでしょう。

また重い思い生理の悩みへのアプローチ法として、「ミレーナ(R)」という子宮に入れるタイプの子宮内黄体ホルモン放出システムもおすすめとのこと。

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ミレーナ(R)の実物(サンプル品)。

「器具に薬が含まれているものを子宮に挿入します。薬剤が子宮内でしか効かないため、全身への副作用がありません。1度入れれば5年は有効といわれており、月経困難症の方には保険適応での使用が可能です」

正しい医療情報をゲットしよう!

カラダのことで気になることがあると、多くの人はまずネットで症例などを検索します。しかしネットには、真偽が怪しい情報も多いもの。試しに飯田先生が「生理痛」で検索したところ、次のような間違った情報があったそうです。

×子宮が冷える
子宮は冷えません。本当に冷えているとしたら、他の臓器も冷えて命の危険がある“多臓器不全”という状態で、日常的に起こるものではないそうです。

×生理痛は骨盤のゆがみのせい
そもそも、子宮はお腹の中で動く臓器。物理的なゆがみと生理痛は直接的には関係ないそうです。

×紙ナプキンよりも、布ナプキンがいい
使用感覚の良さなどで選ぶのはいいですが、なにかの成分が生理痛に効いたり、使い捨てナプキンの成分が、子宮に悪影響を及ぼしたりということはないそうです。

×月一回の生理はデトックスになる
生理とは、カラダで作られた内膜が剥がれる行為です。経血はそもそも毒素ではないので、生理のたびにデトックスしているということはありません。

「ネットの情報は、効くかなと思うものは取り入れつつも、できるだけ正しい知識を持つ専門医を受診して、正しい医療情報を手に入れてください」

海外では10代のころから産婦人科のかかりつけ医を持ち、セックスをするようになったら「何に気をつけるべきか」「避妊はどうするべきか」など、教育の面も担っているそうです。日本でも、生理痛やPMSの悩みに限らず、長期的に管理してもらえる、かかりつけ医を持つ必要があると飯田先生は考えます。

「2014年から産婦人科学の中に『女性医学』という分野が出来ました。従来の『周産期医学』『生殖内分泌学』『婦人科腫瘍学』を横断して、生理痛などについて相談できます」

女性医学ではライフステージにあわせた悩みや症状が相談できるそう。専門医は、女性医学学会のホームページから探すことができます。また、日本産科婦人科学会の「女性のヘルスケアアドバイザー」を持っている先生もおすすめとのこと。

「とにかく生理痛もPMSも我慢しないこと。そしてネット情報に振り回されないようにしつつ、婦人科のかかりつけ医を見つけ、相談することが大切です」

次回は多くの質問が飛び交った、座談会の様子をお届けします。

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