「女子トイレ研究室」8月勉強会レポート その1:日本人は食物繊維不足!?

女子トイレ研究 前半

女性同士でもトークするのはちょっと恥ずかしい“トイレ”という視点から、女性の排泄や月経、そして健康全般を考えるイベント「女子トイレ研究室」。8月27日(日)に東京・青山で開催された勉強会のテーマは「食物繊維を効果的に摂ろう!」でした。

健康的な排泄に必要不可欠な食物繊維ですが、1日の必要量を摂るのは簡単ではありません。効果的に食物繊維を摂るにはどうしたらいいのか? そのヒントを管理栄養士で女子栄養大学生涯学習講師の春日千加子さんに教えていただきました。

“食物繊維”を知ろう!

女子栄養大学に併設されている「栄養クリニック」で、糖尿病をはじめ生活習慣病の患者さんに向けて栄養指導をしている春日さん。現在、あらためて“食物繊維”に注目しているそうです。

「食物繊維は日本食品標準成分表によると『ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化成分の総体』と定義されています。そして、“水溶性食物繊維”と“不溶性食物繊維”の二種類あり、それぞれ役割が少しずつ違います」

女子トイレ研究 前半

<水溶性食物繊維(水に溶ける食物繊維)の特徴>

・粘性があり、胃の滞留時間をアップ、糖質の吸収を穏やかにする
・有害物質などを吸着する
・腸内の有用菌を増やす

<不溶性食物繊維(水に溶けない食物繊維)の特徴>

・水分を吸収し膨らんで、満腹感を増加させる
・便のかさを増し、腸のぜん動運動を促す

「食物繊維が多い食品として、みなさんがイメージするものの多くに、水溶性・不溶性、両方の食物繊維が含まれています。ですから、割合としては不溶性食物繊維が多く含まれる食品がほとんどですが、ある程度は同時に摂ることができますよ」

とくに、きのこ類やいも類には両方の食物繊維が多く含まれるそう。毎日のレシピに加えたいですね。

腸内環境にいいだけじゃない! 食物繊維の効果とは?

食物繊維は体の中でどんな働きをしてくれるのか、食物繊維の生理作用について解説してもらいました。

・腸内細菌のエサになり、腸内環境を改善

「腸内には、100兆個以上もの腸内細菌が生息しています。食物繊維は腸内で有用菌のエサになり、腸内フローラを健康な状態に改善してくれます。これをプレバイオティクスと呼んでいます」

・咀嚼回数を増やして肥満や生活習慣を予防

「早食いの人はBMI(=体格指数)が高いというデータもあり、急いで食べると太りやすくなります。つまり、よく噛むことが肥満の予防につながります。不溶性食物繊維を多く含む食品は噛み応えがあるので、咀嚼の回数が増えますし、噛む回数が増えることで満腹感も得られ、過食の抑制にもなります。

また、食物繊維が多く含まれる食品を良く噛んで食べることによって、唾液がたくさん分泌され、栄養素が効果的に吸収されます。血糖値の上昇は緩やかになり、一方で体温は上がり代謝がよくなります。

また、唾液により歯周病の予防にもなります。さらに噛むことにより脳が活性化され記憶力もアップするので、認知症予防の側面からも注目されています」

・便秘の解消にもつながる

「腸内で有用菌のエサとなり、腸内環境を整えることから、便秘の解消にも効果的です。一方、年齢や体質によっては、食物繊維を摂り過ぎると腸の動きが低下する場合もあります。ご自身の体質と相談しながら、食物繊維を取り入れた食生活+十分な水分摂取+運動+リラックスを意識した生活を送ることが大切です」

「栄養クリニック」がおこなった研究では、食物繊維を多く摂ることで、体重・体脂肪率・血糖値・コレステロール値が有意に改善するという結果が出たそうです。食物繊維はダイエットだけでなく、生活習慣病の予防にも一役買ってくれるんですね!

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みなさん“食物繊維”のメリットに興味津々!

食物繊維はどのくらい摂ればいいの?

健康を維持するためにも有効な“食物繊維”、具体的にはどのくらい食べたらいいのでしょうか? 『日本人の食事摂取基準(2015年版)』『国民健康・栄養調査(2012年版)』によると、日本人の食物繊維不足が浮き彫りになりました。

<食物繊維(18~69歳)>

現状:およそ14g
摂取基準:20g(男性)/18g(女性)
理想摂取量:24g以上

「成人の平均食物繊維摂取量は、基準値からも約5g、理想摂取量からは10gも少ないのが現状です。とくに20代女性の平均食物繊維摂取量は11.8gと、ほかの年代よりも少ないのです」

サラダなど意識的に野菜を食べているつもりでも、食物繊維の摂取量が少ないなんて意外でした。では、どうしたら効率的に食物繊維を摂ることができるのでしょうか?

野菜だけしっかり食べればいいの?

厚生労働省によると成人が一日に摂るべき野菜は350g、そのうち緑黄色野菜は120g、それ以外の野菜が230gといわれています。しかし、グラム数で示されても実際に食べる際、いちいち計るわけにもいきません。

「1回の食事で食べるべき野菜の量は、生野菜なら両手に1杯分、ゆで野菜なら片手1杯分を目安にしてください。定食につく小鉢が約70gといわれているので、“1日に小鉢5皿”を目標にするとわかりやすいですよ」

朝ごはんに1皿しか食べられなくても、昼や夜に煮物や汁物を加えて1皿でも多く摂るようにするのがポイントなのだとか。ただ、野菜をちゃんと食べるだけでは食物繊維は目標値には達しないそうです。

「最近はダイエットのために糖質を気にして、主食をあまり食べないという方が増えています。実は、穀物由来の食物繊維摂取量がこの50年の間に半減していることがわかりました。

主食をしっかりと食べることは、食物繊維を効果的に摂るのに非常に重要です。1日の食事のうち、少なくとも2食は主食の穀類を摂るようにするといいですよ。『玄米』は食物繊維が多く含まれますが不溶性食物繊維が多いので、胃腸が弱い方にはかえって消化器に負担になる場合もあります。

そこでオススメなのが、水溶性食物繊維も多く含まれる『麦ごはん』や玄米より消化がよい『胚芽米』です。パンを食べるときも全粒粉を使ったものやライ麦パンなどの精製度が低い穀物を選ぶのがポイントです。

巷では“糖質制限ダイエット”や“グルテンフリー”が流行していますが、本当にそのダイエット方法が自分の体に合っているのか、今の自分に必要なことなのかを見極めることも大切です。

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食物繊維が多い穀物は何か? クイズ形式で学びました

おやつからも効率よく!

ダイエット中でもつい手が伸びてしまいがちな“おやつ”から食物繊維を摂ることは可能なのでしょうか?

「果物はおやつにぴったりですが、果物によって食べられるものは皮ごと、ヨーグルトなどの乳酸菌と一緒に食べることで、腸内環境も整えてくれます。ちょっと口寂しいときはナッツやドライフルーツがオススメです。どちらもできるだけ油が添加されていない無塩のものをチョイスしましょう。

暑い季節は、くずきりや寒天、ところてんなどから食物繊維を摂ることもできますよ。最近では、食物繊維が多く含まれている野菜ジュースも出ていますが、通常の野菜ジュースでは、食物繊維はわずかです。ビタミン・ミネラルの補給として、なるべく食物繊維が多く、野菜100%のものを選んでください。」

ちょっとした工夫で、おやつからも食物繊維を摂ることができるんですね。

今回は“食物繊維”がテーマでしたが、食物繊維だけに注目するのではなく、主食・主菜・副菜をバランスよく食べ、快眠、快便を心がけることが大切だということがわかりました。後編では、春日さん直伝のストレッチ方法や質疑応答の様子をお伝えします。

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