子どもの便秘を放置すると遺糞(いふん)症になる?(後編)

子どもの便秘を放置すると遺糞(いふん)症になる?

自力で排泄できる年頃になっても、下着に便をもらしてしまうという「遺糞(いふん)症」。前編では、東京女子医科大学小児科・主任教授 永田智教授に遺糞症の症状や原因について伺いました。

後編では、遺糞症対策や便秘のチェック方法について教えてもらいます。

子どもの排便の頻度にポイントが?

——乳幼児期からの慢性的な便秘が遺糞症につながるとのことですが、発症を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?

「遺糞症の原因となる便秘は、すぐにはわかりにくいことが多いです。たとえば、『2日に1回あった排便が3日に1回になり、1週間に1回くらい減る』というように徐々に進行します。そのため、病気と認識されにくく治療がされずに習慣化します。

『排便が3日に1回になってきた』と気づいたら食事などに気をつけて、便秘が習慣化・慢性化しないようにすることが大切です。

生後間もない赤ちゃんで、肛門を刺激しても排便が3日に1回もでないということがありましたら、『ヒルシュスプルング病』などの生まれつきの病気の可能性もあります」

子どもの便秘をセルフチェック!

自分の子どもが便秘なのかわかりにくいこともあるようです。永田教授に聞いたチェックポイントを紹介します。

1.便の回数で、3日に1回より便がでにくい
2.たいてい便が硬くてだしにくい
3.便は毎日でているが、ウサギの糞のように硬くてコロコロしたものが少しずつしかでない

上記に1個でも当てはまったら、便秘の可能性が高いそうです。

「便秘は腹痛、食欲低下、吐き気を起こすこともあります。ときに激しい腹痛の原因にもなり、手術が必要な重い病気との区別が必要なこともあります。

もう一つ、4つ目のポイントは裂肛(俗にいう「切れ痔」)です。肛門に裂け目がなくても、わきにヒダのようなものができていたら、過去に硬い便を無理にだしたために肛門が裂けてしまい、時間が経って修復したことを示します」

——小児科には、どのタイミングで行けばいいのでしょうか。受診の目安を教えてください。

「お子さんの月齢や年齢によっても目安となる症状はさまざまです。生後間もなくから肛門を刺激しても便が出にくい状態が続いたら、ヒルシュスプルング病などの可能性もあるので、必ず小児科に行ってください。

生後6カ月以内の便秘は、肛門が、肛門括約筋(肛門を開いたり締めたりする筋肉)のあるところからずれた場所に開いてしまっているような生まれつきの問題をはらんでいる可能性もあります。こちらも早めに受診したほうがいいですね。

生後6カ月以降の便秘は習慣性便秘が最も多いです。排便が3日に1回くらいのタイミングになったら、食生活の見直しをします。それでもよくならないときは小児科に行くことをおすすめします。

もうすでに習慣化してしまっていたり、遺糞症まで起こしていたりする場合は、まず自然にはよくなりません。早めに受診してください」

——家庭で気をつけることを教えてください。

「日々の食生活は、とても大切です。野菜や海藻類など、便秘への有効性が証明されている繊維質の多い食材を意識的に取り入れるといいでしょう。ビフィズス菌や乳酸菌の入った飲料やサプリメントをとり、有用菌を補うことも大切です。

また、脳と腸は神経でつながっているため、ストレスも便秘の要因となります。日頃から話を聞いてあげるようにするなど、お子さんの心のケアも心がけてください」

お子さんが便秘にならないことが、違糞症を防ぐことにつながるのですね。食事内容や日々のコミュニケーションを見直して、心身ともに十分ケアをしてあげるのがよさそうです。

(取材・文/神之れい)

【取材協力】
・東京女子医科大学小児科
http://www.twmu.ac.jp/PED/

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