今さら聞けない食物繊維の実力! お通じ改善から肥満予防まで

今さら聞けない食物繊維の本当の実力!お通じ改善から肥満予防まで

食物繊維が体に良いことは、今や常識となっています。便秘改善やダイエットを目的に、食物繊維入りのドリンクやヨーグルトを買ったことがある方も多いでしょう。

近年では腸内の有用菌を増やす成分としても、新たな注目を集めています。今回は、意外と知らない食物繊維の本当のチカラをみていきましょう。

食物繊維が注目され始めたきっかけとは?

厳密な食物繊維の定義は研究者によって異なりますが、日本では「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」とされています。食べても吸収されず、必要な栄養素まで排出してしまうため、ひと昔前までは「体に必要のない食べ物のカス」と考えられていました。

1930年代、小麦ふすま(小麦粒の表皮部分)に関心を持ったアメリカのケロッグ博士は、便秘患者や大腸炎患者への影響を確認しました。ケロッグ博士とは、世界で初めて食物繊維が豊富なシリアル「ブランフレークス」を完成させた人物です。

さらに1971年、イギリスのバーキット博士によって「食物繊維の摂取量が少ないと大腸ガン発生のリスクが高くなる」という仮説が発表されると、急速に食物繊維への関心が高まりました。

現在、食物繊維は五大栄養素に並んで体に不可欠な「第六の栄養素」であると位置づけられています。

食物繊維はその名前から「細い糸のようなもの」というイメージをされがちですが、実際にはネバネバするもの、水に溶けてサラサラした状態になるものなど、さまざまな形状が存在します。

見逃せない食物繊維のすごい効果3つ

普段何気なく口にする食物繊維ですが、改めてみていくと、多くの健康効果があります。
ここでは代表的な3つの効果について、ご紹介します。

食物繊維の効果1:お通じ改善

食物繊維には、水に溶けにくい不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維の2種類があります。

不溶性は胃や腸で水分を吸収し膨らむことで便のかさが増し、腸を刺激して便通をうながす作用があります。水溶性は大腸内で発酵・分解されるとビフィズス菌などの腸内細菌量が増え、腸内環境を整えたり腸内浸透圧を上げたりする作用があります。どちらもお通じの改善に役立ちます。

食物繊維の効果2:血糖値上昇を抑え生活習慣病予防

食物繊維の多い食事は、よくかんで食べる必要があるため少量で満腹感が得やすく、食べすぎを防止して無理なく肥満を予防します。

また、食物繊維が食物中の糖の吸収速度を遅くするため、食後の血糖値を抑える効果もあります。さらに、食物繊維が腸内発酵をする際に短鎖脂肪酸が生産され、インスリンの効きが良くなります。これらの効果により、余分な糖を脂肪に変えるインスリンを節約でき、肥満や糖尿病などの生活習慣病予防に役立ちます。

食物繊維の効果3:死亡率を下げるさまざまな働き

食物繊維は大腸がん、脳卒中、心疾患など重篤な病気のリスクを下げる働きをすることが明らかになってきました。

近年、大腸がんの発生率は増加傾向にあります。厚生労働省発表の人口動態統計(2015年)によると、大腸がんは女性のがんによる死亡数の1位、男性では3位となっています。

食物繊維は腸内の有害菌による有害物質を抑制し、体外へすばやく出すことで腸内の有用菌を増やします。それにより腸内環境が改善され、大腸がんの発生を抑えることができるといわれています。

また、食物繊維の摂取量が多いほど脳卒中リスクが低下するという結果も報告されています。ほかにも心疾患による死亡率を下げるという研究や、冠動脈疾患リスクを下げるといった報告もあります。

これほど健康に重要な働きをする食物繊維ですが、食生活の欧米化により摂取量は年々減少傾向にあります。食物繊維の摂取目標量(1日あたり)は、成人男性で20g以上、成人女性で18g以上ですが、2013年の調査では男女平均で14.7gしかとれていないことがわかりました。

食物繊維は穀物、いも、豆、野菜、果物、海藻、きのこなどに多く含まれます。また水溶性、不溶性の種類によって、からだへの働きが異なります。両方の食物繊維を含む食べ物を組み合わせることで、より良い効果が期待できます。

食物繊維が豊富な食品を食卓に並べて、健康維持に役立てましょう。


【参考】
食物繊維の必要性と健康/e-ヘルスネット(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
知っておきたい がん検診/日本医師会ホームページ
https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/type/largeintestine/what/
日本人の食事摂取基準(2015 年版)/厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
平成 25 年 国民健康・栄養調査結果/厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000106403.pdf
おとなの快「腸」生活(日経ホームマガジン)

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