トイレと神様の関係は? 超きれいなトイレをつくった神社に話を聞いた

超きれいなトイレをつくった神社に話を聞いた

きれいなトイレがある神社

日本には“八百万の神”がいるといわれており、全国各地にはユニークな神様を祀った神社が存在します。

そのひとつが千葉県野田市にある「櫻木神社」。その境内には、なんと“トイレの神様”を祀った川屋神社を併設した、とても美しいトイレ「KAWAYAホール」があるんです。

なぜ、そこまで美しいトイレをつくったのでしょうか? その理由を櫻木神社の宮司・高梨富弥さんにうかがいました。

「汚くて臭いトイレが犯罪の温床となっているケースが後を絶ちません。そこで神様を祀る神社が人の心に響く美しいトイレを提供することで、事件や犯罪の抑止、または健康促進にも繋がっていく試みが見出せるのではないかと考えました。“美しさ”の実践は心身に多大な影響を与える可能性があり、みなさんに愛されるトイレになっていけば必然的にマナーも向上していくだろう。という思いで『KAWAYAホール』をつくりました」

確かに、暗くて汚いトイレは怖いイメージがあります。美しいトイレは心身の健康の基本なんですね。

なお、「KAWAYAホール」の設計は「海ほたるSA」や「東京タワー」といった有名トイレを手がけた小林純子氏によるもの。デザイン性も非常に優れていて、それだけでも一見の価値があります。

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トイレだとは思えないようなスタイリッシュな外観の『KAWAYAホール』

なぜトイレをきれいにしなくてはいけないのか?

トイレにも神様がいると考えられていることはご存じの方も多いはず。でもどんな神様なのか、詳しく知っている人は少ないのでは? そこでトイレと神様の関係については詳しく教えてもらいました。

「神道の考え方ではトイレ=“混沌としていてコントロールが効かない場所”として捉えています。そして、病原菌などの住みかで不衛生であり、制御しにくい場所でもあります。

一方、民俗学の世界ではトイレは人間生活のなかの“境界”にあたる場所(※)といわれています。その“境界”では、ときに人間の力では制御が困難になるので、神仏の領域とされてきました。その神仏の領域を意識することで、トイレが信仰の対象として発展し、トイレの秩序が形成され美しさや清潔さが保たれるようになりました。

“不浄”“不潔”とされる場所に神性を見出す理由は、“境界”が神の領域であり、また人間にとって生存に関わる場所という重要な捉え方があるからです。また神仏の存在によって意識せざるをえない人間側の混乱を解消させるためでもあります。

神様とトイレの関係は、セーフ(守護)する側とコントロール(調整)される側という関係によって成り立っており、これらのバランスが失われたときにトイレは崩壊します」

※かまどや井戸と同様、扱い方を間違えれば命を落とす場所

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美しいトイレは使うときも背筋が伸び、清潔さを保ちたくなります

トイレ=混乱の場所、と言う考え方はふだん意識していませんでした。ただ、美しいトイレでは、心穏やかに排泄できるということは、日々の生活のなかでも感じますよね。

トイレの神様“川屋神社”とは?

では、「KAWAYAホール」内の“川屋神社”にはどんな神様が祀られているのでしょうか?

「川屋神社に祀られている神様は“ミズハノメノ神”と“ハニヤマヒメノ神”という女神様です。日本書紀や延喜式の古書では、イザナミノミコトが火之神をお産みになったとき、尿より生まれた神がミズハノメノ神、糞より生まれた神がハニヤマヒメノ神であると記されています。この二神は水を司る神と土を司る神。つまり尿は水に帰り、糞は土に帰るのです」

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「KAWAYAホール」を訪れたら川屋神社をお参りしましょう

排泄物から生まれた神様がいるなんて驚きです! ただ二神とも水、土に帰るというお話は、私たち人間も自然の一部なんだと教えてくれているようです。

実際に「KAWAYAホール」を利用した参拝客のなかには「自宅のトイレも神様のために美しくしないといけない」と、意識を変えられる方も少なくないのだとか。

ぜひ櫻木神社そして川屋神社をお参りし、心身共に健康で美しくなりましょう!

<取材・文/小野喜子>

【協力】
櫻木神社
住所:〒278-0032千葉県野田市桜台210
※東武野田線野田市駅より徒歩約12分
Tel:04-7121-0001
HP:http://sakuragi.info/

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