遺伝と食事、どっちが腸内に影響を与えているの?

遺伝と食事、どっちが腸内に影響を与えているの?

赤ちゃんの腸内環境はどうなっているの?

腸内環境を整えることは、健康維持のためにも重要です。腸内細菌のバランスは、人によってさまざまです。腸内環境には、遺伝と食事どちらの影響が大きいのでしょうか?

まずは赤ちゃんの腸内環境に注目してみましょう。胎児は、母親の胎内にいるときには全身に菌がいない状態となっています。そのため、生まれて初めて出る便には、細菌が混ざっていないといわれています。

しかし、生後1日以降の赤ちゃんの便には、腸内細菌が増えてくることがわかったそうです。

腸内細菌の割合は数日で変化するといわれています。母乳で育った場合は、生後7日頃までにビフィズス菌の仲間が腸内細菌のほとんどを占めるようになるそうです。

離乳食を食べる頃になると、徐々にビフィズス菌の割合が減っていき、大人の腸内細菌のパターンに似てくるといわれています。つまり、食事内容が変わることで腸内環境が変わっていくということです。

遺伝子の影響は?

成人を対象とした研究によると、親子や兄弟といった家族間での腸内細菌バランスの類似性は認められなかったそうです。簡単にいうと、遺伝子の近い親子でも赤の他人でも変わらないという結果です。

さらに、遺伝子がまったく同じといわれる一卵性双生児でも、腸内細菌のパターンが異なるとの報告がありますので、遺伝子は腸内環境にあまり関係ないとされています。

つまり、遺伝よりも食事の方が腸内環境に影響を与えるものと考えられます。

食生活で腸内環境は変えられる

成人になってからでも、食生活によって腸内環境は変えられるのでしょうか? いくつかの研究結果により、食生活で腸内環境が変わることが分かっています。

たとえば、南アフリカに住んでいる人とアメリカに住んでいるアフリカ系の人を対象とした研究では、西洋風の食事(高脂肪、低食物繊維)とアフリカ風の食事(低脂肪、高食物繊維)を2週間交換しただけで、両者の腸内細菌パターンが変わった兆候が見られたそうです。

日本人においても、脂肪が多い食事や肉ばかり食べているよりも、和食を食べ続けた人の方が有用菌の数が多かった結果が得られています。日本食も低脂肪、高食物繊維の食事ですので、腸内環境を整えるためには、低脂肪、高食物繊維が重要だと考えられます。

食事やサプリで腸内細菌のバランスを整えよう

老化に伴いビフィズス菌が減るなど、加齢により腸内細菌バランスは変化するといわれています。この有用菌の減少を食生活で抑えることで、健康な状態を保つことが期待できます。

ビフィズス菌は食品にはほとんど含まれないため、サプリやビフィズス菌入りのヨーグルトなどで定期的に補うことも大切です。日々の食生活を見直して、腸内環境を整えていきましょう。

(文/日髙宗明)


【参考】
腸内フローラの研究と機能性食品
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim1997/15/2/15_2_57/_pdf
ヒト腸内細菌叢のゲノムシークエンス
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim/21/3/21_3_187/_pdf
Appl. Environ. Microbiol. October 2011 vol. 77 no. 20 7433-7437
Nature COMMUNICATIONS「Fat, fibre and cancer risk in African Americans and rural Africans」
https://www.nature.com/articles/ncomms7342
J Microbiol Biotechnol. 2015 Aug;25(8):1195-204.
HIP「最先端テクノロジーで便を分析し腸内環境を理解する。メタジェンCEO福田氏が目指す『病気ゼロ社会』」
http://hiptokyo.jp/hiptalk/metagen/

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